2011年03月20日

品質保証部は、ゴールキーバー?

品質保証部は、ゴールキーパー? - 品質管理研究所 -


品質保証部は、特殊な支援部門です。

多くの企業において、企業規模にもよりますが、
社員の5%〜10%の人員で、品質保証部が構成されています。


では、この少数人員の品質保証部に
実務でどのようなことがもとめられるでしょうか。


『企業の市場競争』を『サッカーの試合』に置き換えて考えてみましょう

サッカーの試合とものづくりの関係


■ 品質保証部は、サッカーでたとえるならどのような人でしょうか。

・チームをコートの外で鼓舞する監督でしょうか。
・チームのコートの外で応援する観客でしょうか。
・選手を応援する家族でしょうか。
・公正な勝負をうながすレフリーでしょうか。

サッカー レフリーと品質判定


なんだか、どれもしっくりきませんね。

やはり、品質保証部は、サッカーでいえば、
フィールドで仲間を後ろからバックアップする『ゴールキーパー』ではないでしょうか。

サッカーゴールキーパーと品質保証部


ゴールキーパーは、フィールドプレーヤーの選手11人の中で
唯一手を使える専門性の高い特殊なポジションです。

コート全体を俯瞰して、
シュートされないようにチームの守備のバランスをとり、
最後にゴールを守る砦になると同時に、攻めに転じる機転となります。
試合だけでなく、練習からチーム全体を盛り上げて、鼓舞する大切な役割を担っていますひらめき

サッカーと品質保証

では、

■ キーパーにはどんな資質があればよいのでしょうか。

・フィールドを俯瞰して、全体をコントロールするバランス力
・仲間に指示をうまく伝えて鼓舞するコミュニケーション能力
・めまぐるしく変化する状況を冷静に判断する頭脳と鼓舞する前向きな姿勢
・得点をいれられてもリカバーする心の強さ、プレッシャーに負けない精神力
・相手のシュートに対して、瞬時に反応できる反射神経や瞬発力
・危険を的確に予測する経験にうらづけされた判断力

Soccer ゴールキーパーと品質保証部

 プロの世界で活躍するために必要な資質として、サッカーのゴールキーパーをこのような
視点からみてみると、一層おもしろく試合をみることができるかもしれませんね。


■ 品質保証部とは?

サッカーのゴールキーパーを品質保証部と置き換えてみれば、
品質保証部には、どんな役割、どんな資質がもとめられているのか、
あらためて考えるきかっけになりますね。

品質保証部は、品質の出荷判定を行う、白黒つける判定者として、
レフリーの要素も一部ありますが、本質ではありません。

品質保証部は、あくまで技術者と一丸となって、
品質を作りこんでいく『フィールドプレーヤー』であり、
チームを俯瞰して、シュートされないように不良を未然に防ぎ、
シュートされた場合にも、冷静な判断で、からだをはって、
ゴールを死守する『最後の砦』という、役割を意識しておくことが大切ですね。

冷静な頭と熱いハートと迅速な行動力でチームをひっぱりたいものです。


現在、サッカーのゴールキーパーには、フィールドプレーヤーのひとり、つまり
11人目の選手として、ボールをコントロールして、常にプレーに積極的に参加し、
フィールドプレーをバックアップする要素がより求められています。

戦術の進化に応じて、ゴールキーパーとしてのあり方も見直され、
スポーツの世界が進化しているように、

企業における品質保証部の役割と機能についても進化させていきたいものですひらめき



【関連記事】
『ものづくり』は、『料理づくり』と同じ?
虫歯と品質不良の関係?
動画で学べる『品質思想』〜飯塚教授
後工程はお客様!
「工程で品質をつくりこむ」とは?
品質のドミノ倒し
品質管理研究所サイトマップ
posted by かおる at 13:21| Comment(2) | TrackBack(0) | 品質教育

2011年01月09日

品質の品は、なぜ口が三つ?

品質は、口が三つ?   -品質管理研究所-


品質教育について、みなさんはどのように考えられているでしょうか。


大手自動車メーカーHondaさんで品質管理にどっぷりひたって、
現場で鍛えられた面白い考えをご紹介します。


自動車で有名なホンダで、品質管理で35年間従事された

ベテラン品質マンの酒見和行(さけみかずゆき)さんの著書 
「段違い品質」を実現する現場力






より、以下のような品質教育の大切な考えが紹介されています。

__________________________________

品質の品には、『口が三つ』で構成されています。

品質は、『口やかましく』言わないとなかなかよくならないのも事実です。

品質に『やかましい人』が多いところは、品質がよくなる要素がたくさんあることになります。

一人ひとりが、みんなが品質に注目することこそが、よい結果をうみます。
一人ひとりが、みんなが品質に「口やかましく」なっていけば、品質は自然に強くなっていきます。
品質はそんな性質をもっています。


___________________________________


品質の品は、まさに「口が三つ」です。

品質を維持向上させるために、
社内外にむけて、口をたくさん使う必要がありますよね。

しっかりと品質に対して責任をもった人財が、社内に多くいれば、
品質を高めることにつながることでしょう。

ただ、そのような人財いなくなることだけで、

品質レベルが低下していくようでは、
組織としての品質レベルは維持できませんので、
社内に品質意識をもった人を増やしていくことが何より大切ということですね。


実務上、品質保証部は、問題に気づいた場合、現場の技術者や生産メンバーに対して
『ここを直して、あそこを直して・・・』と改善を促すことになります。

品質部門の立場で、技術者や生産者自身がつくりあげた製品や工程での問題点を指摘すると、
悪いところを指摘され、良くおもわれないこともあるかもしれません。

ですから、品質部門は、けむたがられている一面もあります。

実際に手を動かして、改善をするのは、現場の技術者や生産者になる場合が多く、
品質部門は、言いっぱなしの面があるからではないでしょうか。

品質部門の目的は、そもそも問題点を指摘することではありません。


問題点指摘するという行為は、共通の目的である
『品質の良いものをお客さまに届けて、お客様によろこんでもらうということ』を実現するためのひとつの手段であるということを忘れてはなりません。

その共通目的を、部門間をこえて、再認識することが、改善を進める第一歩となります。

部署としてのミッションよりも、会社としてのミッションを優先して、
部署間の壁をとりのぞく意識のもち方、心構えが大切ですね。

品質と現場力

『人間の口はひとつ、耳が2つ』 ついています。

口よりも多い、耳ふたつがあるのはなぜでしょうか。

相手のことをより理解し、傾聴するためであると考えれば、
口だけで一方的に話していては、相手の気持ちや立場にたてず、
改善は進みにくい傾向があることはいうまでもありません。

ですから、なぜ、問題が発生していたのかということを現場にいって、
現場の技術者や生産者からの意見をしっかり聞いて、

『なにを(What)、どのように(How)、改善するか』といったことを提案し、
品質の立場として何ができるのかということを積極的に考えることが大切です。


過去の類似の問題改善事例を参考にして改善提案をすることもできますし、
信頼性試験を実施して、製品の問題点を共に確認することもできるでしょう。

問題をピンチ捉えず、チャンスと捉えられるような前向きな話にもっていくことが
本来の品質部門の役割といえるのではないでしょうか。


前向きな姿勢で品質部門の役割をはたせば、
きっと、社内でひっぱりだこになるはずです。

ひらめき品質教育について考えられる際には、実務に裏づけされた酒見さんの本をぜひ読んでみてください。

「段違い品質」を実現する現場力


長年の品質実務の経験に基づくヒントがたくさん紹介されています!


【関連記事】
品質教育はだれにすべき?
11月は、品質祭り?
スキルマップとは?
スキルマップの作り方とは?
作業手順書の作り方とは?
歩のない将棋は負け将棋?!
仕事品質を高める『教え』と『学び』とは?
実務で役立つ品質管理教育7つのポイント

posted by かおる at 11:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質教育

2010年10月31日

品質教育はだれにすべき?

品質教育はだれにすべき?
(2010年10月31日)品質管理研究所


 期待をもって購入した商品に、欠陥があって、クレームの電話をかけ、返品し、修理したことは、だれしもあるのではないでしょうか。信頼して購入した商品が品質不良により、がっかりした経験をしたことをおもいだせば、どれだけ製品の品質が大切なものかわかりますね。

 楽しみにして購入した製品が不良だったとき、製品だけでなく、企業へのブランドへの疑いさえ生じてしまいますよね。だから、品質は、お客様の期待を満たすためにも大切なポイントです。そんな品質を高めるために、メーカーは、製造工程をつくりこみ、生産を管理することで品質をまもっています。

その製造工程を管理するのは、『人材』です。財産という意味をこめて『人財』と表現する企業も多くあります。

本質的に品質を高めるために、モノづくりに関わるすべてのひとの『人の質』を上げることが大切なことがわかりますね。


では、『人の質』をたかめるために何をすればよいのでしょうか。

一般の企業の製造現場では、現場の実務を通じて、先輩から指導してもらうことが多いように思います。いわゆる良く使われる『OJT 』です。

『OJT 』とは、On the job training (オン ザ ジョブ トレーニング)の 略称で、現場の実務業務を通じて、教育を図る実践的な教育手法です。

ただ、監査などで多くの工場の現場教育の実態をみると、『OJT 』は、『Omae Jibunde training 』(お前自分でトレーニング)の略称ではないかと思えることがたびたびあります。

 ○ OJT  On the job training  (オン ザ ジョブ トレーニング)
 × OJT  Omae Jibunde training  (お前自分でトレーニング)

 もちろん、現場での経験を通じて、体感的に学ぶノウハウもあることは事実です。しかし、ノウハウにしなくても教育すれば理解できることやしっかりと指導すべきことをOJT教育と称して、現場でみておぼえさせているようなことが、多くの企業で見られます。

特に、ノウハウなのでOJTでやっていますという企業ほど、単に教育をおこたっているだけのように思えてしかたありません…。


そのような問題の原因は、やはり、その教育に対する問題を経営者が問題として十分に認識していないことではないでしょうか。人の質をあげるための教育が、企業の製品の品質をたかめることを認識すれば、経営者として、品質教育が、企業の永続のために必要なことは当然わかるはずです。

だからこそ、遠回りのようですが、品質を高めるためにすべきことは、

『経営者の「人、製品」に対する意識を変える』

ということではないでしょうか。


つまり、品質教育は、会社の顔である経営者にこそ行うことが必要です。

だから、工場監査員として、工場監査をさせていただく際には、まず、経営者インタビューを1時間ほど行い、人材に対する考え方や教育姿勢について質問し、品質を上げるために必要な要素について、改めて少しでも気づいてもらうようにしています。長年経営をする中で、経営者にとって、当たり前になっていることも、他の優れた企業の事例などを踏まえて伝えることで、わずかながら違うポイントを、少しでも認識してほしいと思っています。

経営者には、『製品の品質は、経営者の人格である』とおもって、社員の質を高めていただきたいものです。


【関連記事】
品質は口が三つ?
11月は、品質祭り?
スキルマップとは?
スキルマップの作り方とは?
作業手順書の作り方とは?
歩のない将棋は負け将棋?!
仕事品質を高める『教え』と『学び』とは?
実務で役立つ品質管理教育7つのポイント
posted by かおる at 19:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質教育