2014年01月03日

あくなき挑戦!工程のアクとりとは?

あくなき挑戦!工程のアクとりとは?
(2014年1月3日) 品質管理研究所


品質の違いは、何によってうまれるのでしょうか。

お鍋をするときを想像してください。
野菜やお肉と一緒に煮立っただしの上には、たくさんの「アク」がたまります。

おいしく食べていただくためには、
アクをこまめにとって、澄んだ状態に仕上げることでしょう。

お鍋では、アクとりのわずかなひと手間が、おいしさの差につながるのではないでしょうか。

現場には、はたして、どのような「アク」がひそんでいるでしょうか。
製造工程の品質改善のため、わずかなアクをすくいあげることができているでしょうか。


工程品質改善

ほうれん草のように、いったんゆでて、前処理することで取り除くことができる材料のアク
そして、なべでいっしょに煮立てたときに、取り除くことができる製造加工中のアクもあるでしょう。

加工する材料や加工工程によって、そのアク(悪)の処理方法もかわってきます。

日頃、工程品質の改善をするときに、
何か大きな改善をしなければいけない錯覚にとらわれてしまうことがあるかもしれません。
しかし、現場で効果のある改善の多くは、このような小さな改善の積み重ねではないでしょうか。

ものづくり品質の底力は、このようなアクを小まめにとる実直な姿勢にあらわれます。

どろくさい仕事かもしれませんが、
このようなわずかな差異の蓄積が、品質の違いを生み出すのです。

工程品質の改善は、終りのない「あくなき」挑戦です。


品質管理研究所は、日夜、品質向上のため励まれているみなさんを応援しています!


【関連記事】
『ものづくり』は、『料理づくり』と同じ?
「工程で品質をつくりこむ」とは?
日本製品の品質の高さの秘密とは?
伊勢神宮に学ぶ品質思想
posted by かおる at 21:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質改善

2013年10月12日

自立品質の確保とは?

自立品質の確保とは?
(2013年10月12日) 品質管理研究所


東洋医学の鍼や灸では、体の表面を刺激して、体の内側から変化させ、
苦痛を和らげたり、回復力を高めたり、病気の治療や予防をおこないます。
患者さん自身の力をうまくひきだして、回復する方法です。


品質問題を抱える企業も、患者さんにみたてて考えるとどうでしょう。
企業の悪い症状にきくつぼがあれば、知りたくないでしょうか。

自立品質

工場監査で、さまざまな企業の現場をみていると、
過去に訪問したさまざまな企業の良い状態と比較して、
工場のさまざまな問題点が浮き上がって見えてくるものです。


ゴミが落ちている、
整理整頓ができていない、
作業手順が不明確、
設備が故障している、
摩耗品の交換ができていない、
不良品が管理されていない、
仕掛品がたまっている、
通路がへこんでいる、
履歴のわからないモノが放置されている
始業時の点検ができていない、
校正ができていない、
識別管理ができていない、
材料の不良が多い、
先入れ先だしができていない、
記録に基準がない・・・。

理想の姿とのギャップが見つかります。
目に見える問題の多くは、社員が気づいているはずです。

どこの企業にもあてはまりそうな問題ですが、
このような目に見える問題点だけを改善することが本当の品質改善でしょうか。

目に見えている問題の背景には、
見えていない本質的な組織の問題点が、潜んでいます。
なぜ、その問題がおきているのかをつきつめていくと、
組織の構造的な問題や品質マインドの問題などにいきつきます。

安定した品質を確保するために、
改善しなければならない本質的な、問題点とはいったいなんでしょうか。



経営クラスの品質に対する意識と現場感覚の欠如
製造現場の生産数量と納期最優先思考と品質マインドの欠如
製造責任者・品質責任者の製造現場からの乖離
工程を監督する責任者の不在と責任者意識の欠如
製造者のやる気を高める評価制度の欠如
新人作業者・社員への教育システムの欠如
作業者間の情報共有の不足と仕組の欠如
製品の品質基準の妥当性を検証する仕組みの欠如
製造工程の管理の妥当性を検証する仕組の欠如
設備の維持管理をおこなう設備管理部門の欠如や人員不足
製造工程の品質を安定的に維持する仕組の欠如
出荷検査や工程パトロールを実施する品質部門の独立性と人員不足
過去の不良に対する再発防止のための仕組みの欠如
受入部材の品質評価と改善の仕組みの欠如
慢性的な品質問題を自主的に改善する仕組みの欠如
想定される品質問題に対するに理解と関心の不足
現場の声を吸い上げて改善する仕組みの欠如

見えている多くの問題のかげには、このような組織やメンバーの品質マインド、
組織のルール・仕組み、組織の部門構成・人員配置などの本質的な問題が隠れています。


このような目に見えない問題点は、全体的な組織の特徴や症状として、
個々の目に見える問題の要因をつなぎあわせて観察しなければ見つけにくい問題です。

さらに、現場であらわれる症状は同じでも、異なるところに原因があることもあるでしょう。
企業個別の会社の沿革や成長経緯、外部の市場環境などの状況はさまざまなので、
企業の特徴を理解しておくことが、本質的な品質の原因究明の上でも役に立ちます。


実生産は派遣社員さんや協力会社さんに助けてもらっている会社さん、
M&Aにより買収された企業で複数の元社員さんがいる会社さん、
他の事業分野から新規参入して、特定事業の経験が浅い会社さん、
経営者が親会社から来ている会社さんや創業社長がいる会社さん、
多国籍の社員さんが協力して事業をしている会社さん、

など、品質面での長所や短所、品質管理の考え方ややり方にも違いがでてきます

自立品質


品質問題をかかえている患者さんの目に見えている問題だけを個別にとらえるだけでなく、
患者さんのことを理解して、問題を全体でとらえる考え方が求められます。


工場でみられる問題と企業個別の特長をつなぎあわせて考えることで
組織の大きな問題がうかびあがってきます。


現場で目に見えている問題だけにとらわれず、全体をみて、重要なつぼを刺激することが、
企業の品質改善の力を高めることにつながるのではないでしょうか。

このような根深い問題に対して、どのようなはたらきかけで改善を進めるかも大切です。

問題点をきびしく指導することは容易ですが、
問題を未然に防ぐように自立した品質確保のためには、
工場自らの前向きな力を活かすことがかかせません。


改善した後の結果は同じでも、自らの気づきで改善することが、
その後の改善の持続性と改善意識の醸成にもつながります


目に見える問題点を指摘する中で、一方的に指摘するのではなく、
どのような本質的な問題点があるかを工場の声から聞き取れているでしょうか

工場の意見をきちんと聞いて、本質的な問題の要因をうまく引き出せているでしょうか。
優秀な企業の工場を見学する機会をつくり、刺激をあたえることもおすすめの方法です。

大切なことこそ、いかに気づいてもらうか、
その改善プロセスも、大切にしていきたいものですね。


品質の問題点を外から指摘することは簡単ですが、
それでは、企業が自立して、安定的な品質を確保することはむずかしいものです。
いかに品質問題を内から気づいて、自ら改善してもらうか、
自社の協力会社や取引先さんの自立品質確保について、考えるきっかけになれば幸いです。

ぜひ、皆さんの企業にあった品質改善のつぼを見つけてみてくださいね。


【関連記事】
東洋医学に学ぶ未病と予防思考
気づきとは何か?
自工程完結の品質保証とは?
品質対症療法の弊害とは?
posted by かおる at 19:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質改善

2013年08月15日

品質改善は、「粗探し」から「宝探し」に!

品質改善は、「粗探し」から「宝探し」に!
(2013年8月15日)品質管理研究所


改善「KAIZEN」は、世界共通のモノづくりの基本です。

ものづくりと品質改善

日常生活をしていても、建物の金属錆や壁の亀裂や塗装の状態など
いたるところにみられる劣化などの問題は、自然と目にとまりやすく、
よいところよりも悪いところは発見しやすいでしょう。

品質部門がおこなう工場監査や工程パトロールでは、工場では、何ができていないか、何が不足しているのか、品質改善のために、悪い点をみつけだして、改善をうながしていきます。特に、品質部門の立場での改善活動では、つい問題点に意識がはたらき、悪い面ばかりを見つけだそうとしてしまいがちです。

もちろん、悪い点をきちんと改善することは大切なことですが、重箱の隅をつつくような形式的な改善指摘項目や問題の「粗探し」は、実務の生産現場のやる気をそぐものであることも理解しておかなければなりません。さらに、問題のもぐらたたきのような目先の解決方法によって、一時的な改善にとどまれば、問題の再発の可能性も生じさせることにも、注意をはらう必要があります。


今回は、現場の悪い点「粗探し」でなく、現場の良い点「宝探し」にも着目する改善方法について考えてみましょう。

すでに飲食業界では、はたらく仲間の店員さんの良い点をお互いにみつけて褒めることや覆面調査員が店員さんの良い点をほめることによって、店員さんのやる気を高めて、業績向上や良い職場つくりに成功されている事例もあります。

製造業においても、悪い点を叱るばかりが、品質改善ではありません。
改善の際に、現場をどれだけ、褒めることができているでしょうか。


品質保証部がやらなければならないことは、もちろん、問題の「粗探し」や現場の自信や信頼をうばうことではありません。現在の製造業の改善活動では、気づかぬうちに「粗探し」に陥り、忙しい現場のモチベーションを低めていることがあるように思います。

良い点を見つけ出す「宝探し」をして、現場を認めて、褒めて、伸ばす視点が不足していないでしょうか。市場での不良を発生させないことが当然のごとく扱われがちですが、現場のたゆまぬ努力によって、その高い品質が維持されていることも、けっして忘れてはなりません。

品質保証部は、顧客(買い手)の立場と工場(作り手)の立場で、両者の間に立って、ものごとを独立した立場で客観的にとらえて、お客さんに品質を保証する役割をはたすことが求められます。同時に、客観的な立場は、現場の問題点(短所)の追求ばかりでなく、工場の宝(長所)を伸ばすことで、よりよい工場にしていくことにも役立てることができます。

これは、守りの品質改善活動ではなく、攻めの品質改善活動です。

・現場でどんな工夫や活動(5Sや品質)が実施されているでしょうか。
・どんな管理方法や改善がすでに実施されているでしょうか。
・工場できちんとおこなわれている当たり前のルールや仕組みはなんでしょうか。
・地道に仕事に励む縁の下の力もちさんはどこにいるでしょうか。
・現場の活動に経営トップが注目して、どれだけ表彰ができているでしょうか。
・経営者自らが現場を歩き、どれだけ最前線の社員に声をかけられているでしょうか。

隠れた品質改善手法

現場のことを叱る前に良い点を見つけて、褒められているでしょうか。
現場の「宝」を探して、感謝し、士気をどれだけ高められているでしょうか。
問題の改善の前に、ぜひ良い点をきちんと伝えてみてください。


工場には、品質改善の「宝」があふれていますが、
気づこうとしなければ、宝の山にもみえないでしょう。
日頃から現場に足を運ばなければ、小さく輝く宝にも気づけないでしょう。

KAIZENのヒントは現場にあり。ヒトの気持ちも現場にあるはずです。

ものづくりはヒトがおこなうものだからこそ、良い点を見つけて、
ヒトの気持ちも高める品質改善で、品質も職場の雰囲気もよくしていきたいものですね。



【関連記事】
不良品の原因調査の基本とは?
品質不良、再発防止の落とし穴とは?
鮭の生き方に学ぶ品質改善
品質改善のつぼとは?
製品は、わが子と同じ?!
posted by かおる at 21:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質改善