2011年09月23日

員数管理とは?

員数管理とは? - 品質管理研究所 -


員数とは、『モノや人の数』のことです。

日常の生活ではあまり聞きなれないことばですが、
製造現場では、納入部品の「員数確認」、「員数検査」、「員数不足」
などの表現で使用されます。

員数は、1個、2個・・・個 (1枚、2枚・・・枚)という
とびとびの数値(離散的な数値)で表された計数値です。

非常に単純だからこそ、奥が深いのが、「員数」ではないでしょうか。

まずは、下記の写真をみてください。

鉛筆が何本あるかわかるでしょうか?

員数管理と品質

答えは、最後に記載していますので、最後のお楽しみに!


あなたは、どのようにかぞえましたか。
効率性を上げるためにどのように数えますか?


ものづくりにおいても、
部品の入荷時、製造工程中、製品の出荷時に、員数確認が行われます。

お客様に納入する製品の員数管理では、
数量が、多くても、少なくても、お客様からのお叱りの連絡(クレーム)をいただきます。

納入数量がすくなければ、お客様のところで、経理上と生産上の齟齬が生じます。
納入量が多ければ、その分、コストダウンして!といわれることもあるでしょう。


生産者の立場では、少ないより多いほうが問題になりにくいので
多めにいれたくなる気持ちもわかりますが、
自社の損失になっていることも、きちんと理解しなければなりません。

たとえば、銀行員さんが、お金を数えるときに、

一枚多く数えたり、少なく数えるということは、
信頼にかかわることであり、銀行にとっては、大きな問題です。

製品でも同じように、大切に育てあげたわが子のような製品の数を
間違って送り出せば、いかに品質がよい製品でも、管理不足を指摘され、
以後、厳しい目でみられ、企業としての信頼を損ねることにつながりかねません。

員数管理は、できて当たり前で、単純だからこそ、
員数通りに納める続けることは、難しいのかもしれません。

員数による問題が発生する前に、
お金をかけずともできる対策があるのも事実です。

員数管理と品質

今回は、どのように員数の過不足を防げばよいか考えてみましょう。



鉛筆の本数を数えたとき、あなたはどのような方法でかぞえましたか。
そこにヒントが隠れているはずです。

検査・梱包における員数確認には、確実性と効率性の2つの観点を考慮して、
製品の特徴にあわせた方法で数えることが大切です。

■ 確実性  ミスなく正確に数えること
■ 効率性  手間をかけずに数えること


どのような員数確認の方法があるのか、次に具体的に考えてみましょう。


_____________________________________

<員数確認の方法>
(1)人間の目で数える。
   @目で追いながら、頭の中で(心の声で)数える。
   A声にだしながら、数える。
   B製品を指差しながら、数える。
(2)印や区切りをつけて数える。
   @一定数を手で区切って、数える。
   A一定数ごとに用紙に記入しながら、数える。
   B製品間に挟まれた梱包・養生材を数え、使用枚数分だけ事前に準備する。
   C区分された専用梱包容器をつくり、区分して入れて数える。
(3)重さで数を推定する。
(4)高さで数を推定する。
(5)自動計数機能をつける。
(6)数取器(Tally counter)をつける。
(7)員数管理の落とし穴
   @同梱物の員数は、大丈夫?
   A員数そのものは、間違いないですか?

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(1)人間の目で数える。
@目で追いながら、頭の中で(心の声で)数える。
 計数作業中は、声をかけないように周囲も注意をはらうことが大切ですね。

A声にだしながら、数える。(1、2、3、4・・・)
 きちんと計数していることが確認でき、周りも、声をかけないので声にだすことは大切です。

B製品を指差しながら、数える。(1、2、3、4・・・)
 小さくて納入数が多い製品ほど注意が必要ですね。

員数管理と品質


製品にかかわらず、電車やバス、工場での危険性を伴うところでは、
安全第一をはかるために、呼称確認と指差し確認が、日常動作として徹底されています。
日頃お世話になっている駅のホームにいる駅員さんの動作を見て見るとよくわかります。

製品の計数管理においても、目と耳と体を使い、頭と心を計数管理に集中させ、
員数不良が起こることを未然に防止することが大切です。



(2)印や区切りをつけて数える。
@一定数を手で区切って、数える。(1、2・・・10個/1、2、・・・10個)
 お札を数える際に、扇状にして、5枚ごとに区切って数えるような感覚です。

A一定数ごとに用紙に記入しながら、数える。
 複数の人員がかかわってカウントする場合、間違い防止のため、
きちんと記録をとりながらのカウントすることが重要です。

また、お昼の休憩やシフトの入れ替わり時などの仕掛り品が発生する際に、

計数管理の不備が生じないように、
仕事の終わりやはじめのときの計数管理や引継ぎ方法を共通ルールとして
明確にすることで、員数の過不足が生じないようにすることが大切です。

員数管理と品質


B製品間に挟まれた梱包・養生材(合紙等)を数え、使用枚数分だけ事前に準備する。
 梱包前に製品の合紙を指定枚数カウントして、
準備することも員数管理のためのチェック方法として活用できます。

※合紙のように間に挟む場合は、上と下に余計に挟んだりすることで、一枚多くなったり、すくなくなったりすることがあるので手順を明確にすることが必要です。

※合紙などに員数をかいていき、数を確認することもできるでしょう。
製品品質に影響のないことを確認した上で、お客様の了解をえることがもちろん必要です。


C区分された専用梱包容器をつくり、区分して入れて数える。
 高級なチョコレートと区切られた容器のようなイメージで、
整列されたスペースに製品をいれれば、一定数を容易にカウントすることができます。

員数管理と品質

機械化されていない製造工程では、ひとつずつ製品を最終検査すると同時に
このような専用の梱包容器に入れていき、カウントするのが一般的ではないでしょうか。


(3)重さで数を推定する。
 製品単体の重量と、まとめた製品の総重量により、数量を推定することができます。

1単位分の誤差がでないようなばらつきを考慮した方法が必要ですが、
一度に測定する上限などを設定し、重さから数を効率よく推定することが可能です。

また、はかりの維持のための校正やメンテナンスの実施もわすれてはなりませんね。
たとえば、はかりの大手メーカーの製品には下記のような計数機があります。

■ 株式会社イシダ デジタルカウンティングスケール

重量、単重、個数の同時表示を行い、
サンプルの重量やばらつき状態に応じ、的確な表示を行うような補正機能や、
300点の製品のメモリー登録・風袋重量を考慮した設定、
ラベル印字のできる製品などがあります。 

■ 株式会社テラオカ 計数はかり

計量はもちろん、計数(個数、枚数)の表示やばらつき補正機能、作業履歴の自動保存機能、
ラベルに印字しての履歴管理など、さまざまな機能がついた製品などがあります。

製品の大きさや用途に応じて、最適な計数はかりを選定し、
お客様からのクレームのお電話を頂く前に、うまく活用することが求められます。



(4)高さで数を推定する。
製品単体の厚みと、製品を重ねたときの高さの比較から
数をカウントすることもできます。

員数管理と品質

1単位分の誤差ができないような管理が必要であり、
他の数量チェックとのダブルチェックとして、
簡易的に実施する方法として、用いられることが多いでしょう。
測定する長尺などの計測機器の磨耗や取り扱い、作業台の管理には注意が必要ですね。


(5)自動計数機能をつける。
自動計数機であれば、カメラによる検出やセンサーによる感知などで、
機械的に数を把握することができます。


自動検査機には、計数機能をついているものもありますので、

量産する製品であれば、
機械化による計数確認は、効率性UPにはかかせない機能のひとつです。

たとえば、株式会社光伸舎のDigital Area Counterという設備では、
冷凍食品から錠剤、ネジ・ナットなどの金属部品、プラスチック部品まで、
幅広く計数が可能なシステムとして、下記のように映像で紹介されています。

■ 新計数システムDigital Area Counter aptuskoshinshaさん Youtube




■ 金属部品計数機(ネジ・ナットの出荷個数管理) aptuskoshinshaさん Youtube




また、シリコンウェハのように割れやすい製品であれば、

上記のような金属製品と同じ取り扱いをすれば、検査・計数破壊になりますので、
計数測定する製品の特徴に応じた取り扱いも含め、
機器の選定やカスタマイズが重要です。



(6)数取器(Tally counter)をつける。

昔ながらのアナログカウンターとして、数取器(かずとりき)があります。

数取器は、野鳥の生息数を数えたり、大きな店舗を建設する際などの交通量調査で
すばやいカウントを求められるときに活用される昔ながらの計数用ツールです。

数取器は、卓上式と手持ち式があり、最近では、デジタル式のものなどもあります。
多種小量生産の製造現場で活用されているツールで、
呼称確認などと合わせて、活用されます。


押しもれなどが発生する可能性もあるため、
他の方法と併用されている場合が多いのではないでしょうか。


■ 数取器(5連式)レンタル rentall49さん Youtube




(7)員数管理の落とし穴
@同梱物の員数は、大丈夫?

製品が、最終のお客さんに納品される場合は、製品だけでなく、
製品、付属品、取り扱い説明書などが同梱されます。

パッケージされた製品全体の員数を管理することはもちろん
個別のパッケージの中に正しく同梱物がもれなく、だぶりなくはいっていることが大切です。

うっかり、付属品や取扱説明書などの同梱物が忘れられていれば、
お客さんにご迷惑がかかりますので、特に注意が必要です。


同梱包物の入れ忘れを防ぐためには、生産する製品の個数にあわせて、
必要な同梱物の数だけ数えて、事前に準備することがかかせません。

100個の製品であれば、取り扱い説明書を100枚ぴったり事前に用意します。
1000枚近くの取扱説明書束をもってきて、
製品に一枚づついれていけばよい単純作業ですが、
人間は、体調の変動や注意不測など、ばらつきもおおく、まちがいをおかしてしまいます。

ですから、製品100個を入れ終わった後、本当にきちんといれられたかどうかを
確認できるように事前に100枚など定めた数を準備し、100個の製品の梱包完了後に、
残りの枚数が0枚になって、正しく同梱されたかをチェックすることが必要です。


事前の準備と、何枚確実に使用したかという員数管理を徹底することが、大切です。


A員数そのものは、間違いないですか?
お客様からの発注により、生産数と納入数がきまりますが、
受注数の聞き間違い、書面での記載間違い、納入数変更の連絡忘れ、など
お客様との間での情報管理の面で
員数管理がきちんとできるように注意しなければなりません


また、お客様の要望が、社内へ正しく伝わらなければ、
それもまた、員数の問題につながりますので、

外製協力会社さんに生産頂いたり、多くの加工メーカー様をへて生産される場合は、
特に情報連絡によるミス、変更連絡のもれが生じないような共通のルールや
伝達方法を明確にしておかなければならないでしょう。


以上、今回は、員数確認のポイントについてご紹介いたしました。

員数確認には、華やかさはありませんが、単純なことをしっかりとできることが、
企業の信頼につながっていくのではないでしょうか。


基本を忠実に実践することが、企業の底力につながるのではないでしょうか。


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【おまけ】下記の写真の鉛筆の員数をきいた質問について

■ 鉛筆の数の答えは、12本です。

員数管理と品質

12本であることは、すぐわかりましたか?

今回のポイントは、その数え方です。

みなさんはどのように数えられたでしょうか。


・全体をながめて、数える
・マウスのカーソルをあわせて、数える
・画面に指をあてて数える
・3段に重なる鉛筆を段毎に数える

など、さまざまな数え方があります。

1ダースは、12本、
もし、箱にはいっていればすぐわかりますね。

製造現場でも、数を数えるという基本動作に対して、
確実性と効率性をUPさせるために何か工夫できるところがないか
自社の梱包現場をみて、考えてみるのもおもしろいのではないでしょうか。


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posted by かおる at 15:16| Comment(2) | TrackBack(0) | 員数管理