2014年04月07日

OEMプロジェクトの成功と経営者の役割とは?

OEMプロジェクトの成功と経営者の役割とは?
(2014年4月7日)品質管理研究所

新規の取引先と新しいOEMの仕事に取り組む場合、さまざまな問題や課題がつきものです。

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今回は、OEMプロジェクトを成功させるための経営者の役割について考えてみましょう。

特に海外新興企業との取引では、仕事への考え方や習慣の違いも重なり、
思うように仕事が進まないことを経験されている方も多いのではないでしょうか。

・「結果がよければすべてよし」、プロセス品質の重要性に気づいていない企業、
・仕事の「期日を守ることの重要性」を認識してないまま、マイペースでしごとをしている企業、
・できなければ、すぐにあきらめて「基準を緩くしよう」と安易に考えてしまう企業、
・問題が解決しなければ、「設備や材料を理由」にして、考えることをあきらめてしまう企業 など

どのようにして改善すればよいかを考えると、仕事の楽しみは増すばかりです・・・。

このような会社の考えは、経営者の考え方と指導によるところが大きいのではないでしょうか。
これまでどのような経営理念や考えをもって、社員と接し、歩んで成長してきたのでしょうか。
経営者と目を見てはなし、これまで成長してきた会社の社歴を理解し、
ものづくりの製造現場をみわたせば、その一端を垣間見ることができます。



(1)経営者の姿勢
OEMの新規取引をおこなう上では、会社のものづくりに対する考え方、品質思想の違いがさまざまな問題をひきおこします。そこで、現状をふまえ、今後、経営者みずからが、どのような考えや展望を持って取り組み、改善する姿勢があるか、変わることができるかということが大切ではないでしょうか。

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たとえ、現時点で実力が多少おとっていたとしても、よりよい方向に前向きに改善していくトップの熱意と前向きな姿勢があるかどうか。お互いに学び、素直に改善していく力をもっていれば、不足する実力を補う改善と成長ができるものです。

だれしもはじめは、足りないもの。人も、企業も、成長していくことができます。足りないものをいかに補って、成長していくか、その余地がどれだけのこされているでしょうか。経営トップの熱意と改善の姿勢は、プロジェクトの成功に大きくかかわるものであり、お互いにとってかかせないものではないでしょうか。


(2)プロジェクトチームの結成
OEMによる生産の場合、経営者が中心となって、顧客の要望にこたえられるように、プロジェクトリーダーを選任して、組織づくりをおこないます。各部門から、主要なメンバーを集め、プロジェクトチームを発足し、プロジェクトリーダーが社内メンバーと連携して、プロジェクトを推進していくことになります。

プロジェクトリーダーは、高い木の上から周囲を見渡すように、プロジェクトの進捗状況をタイムリーに把握し、計画から遅れがある問題をみつけ、社内で共有し、その問題解決のための方策とフォローをしていきます。

取引契約の締結、顧客要求事項の理解と対応、仕様の締結、使用部材の調達・取引先との契約、工程設備の新規導入・評価、試作、信頼性試験による評価・検証、工場監査、出荷、市場対応などさまざまなイベントがあります。

どんな目的のために、いつまでに、だれが、なにを実施するか、その進捗管理とフォローアップは大切な仕事です。プロジェクトリーダーは、社内で問題解決の実務ができるキーマンへ適切な連絡を行い、メンバーの力を最大限に発揮できるように連携していくことが求められます。海外のお客様との取引の場合には、不足する言葉の壁を補うために多言語を話せるメンバーをいれることも必要な場合もあります。技術や品質の課題だけでなく、さまざまな問題に目を向け、スムーズに仕事をすすめられるような環境をつくることが求められます。

そんなプロジェクトリーダーの任命者である経営者もまた、そのプロジェクトの進捗状況について、厳しい目を光らせ、プロジェクトの成功のために必要な大きな設備投資の意思決定、プロジェクト組織の再編制、トップダウンでの関連部門への協力支援などの要請なども実施していきます。


(3) 悪い情報ほど歓迎を!
プロジェクトは、新しいチャレンジであり、成功ばかりではありません。失敗は、つきものです。問題である悪い情報は、現場で発生しますが、経営者の耳に届くまでには時間がかかりやすいものです。早い段階での大きな問題ほど、歓迎すべき情報ですが、問題が残ったままで、時間が経過すれば、あとでより大きな問題になりかねません。経営者自ら、悪い情報をどのように入手する工夫や仕組みができているでしょうか。

経営者が問題の報告をきいて、怒るような態度をとってしまうと、組織の中でおおやけに、問題をいいにくい雰囲気ができてしまいます。問題そのものは、しかるべき対象ではなく、解決する対象です。問題をすぐに報告しないで、そのままにしていることこそ、しかるべき対象なのです。社員が問題を報告しやすい雰囲気をつくることが、あらゆる問題解決のはじまりではないでしょうか。

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日頃から、工場の現場をまわり、ものづくりに汗を流す社員に声をかけ、直接さまざまな意見交換をしている経営者もいます。経営者自ら、顧客と一緒に現場を周り、直接顧客からの要望や課題を聞き入れようと時間を作り、努力する経営者もいます。現地現物に立ち返るものづくりの基本に忠実な経営者は、製造現場からの信頼も厚く、あたたかい存在感がどことなく漂っているのを感じます。


(4)プロジェクトの問題への柔軟な対応
プロジェクトの成功のために、プロジェクトリーダーが計画的に実務を推進することはもちろん、経営者がどれだけ問題をタイムリーに把握し、そのプロジェクトに対して、どれだけ意気込みをもってやっているかで、プロジェクト改善スピードも、組織としての対応も大きくかわってくるものです。

プロジェクトで大きな問題がある場合には、プロジェクトリーダーとメンバーとともに、緊急のミーティングを実施し、問題解決に迅速にあたることで、軌道修正をおこなうことも必要になります。経営者自らが、進捗状況に激を飛ばすことで、社員の動きが見違えることがあるのも事実です。

経営者は、問題改善の遅れに対して、緊急会議にとどまらず、社内でも力量のあるメンバーをプロジェクトに追加することで組織の補強もできます。人材の流動性が高い海外では、外部から、実績のあるメンバーを追加補強していくことも、プロジェクトを成功させるために必要な手段となる場合もあります。特別プロジェクトとして、参加するメンバーに特別報酬でこたえるような工夫をする場合もあり、さまざまな手段で社員のやる気を高めるなど、多くの企業で試行錯誤されているのではないでしょうか。


(5)共同作業の基礎作り
プロジェクトをはじめる時のキックオフミーティングでは、経営者が、プロジェクトメンバーを集めて、プロジェクトの意義を明確に説明し、顧客の前で一丸となって取り組む姿勢を示すことで、メンバーにとっても、顧客にとっても、より仕事をしやすくする環境を整えることができます。
長期間、海外企業の中に駐在して顧客企業が仕事をするような場合には、経営トップからプロジェクトメンバーの前で信認されることで、仕事を円滑にすすめる下地ができます。異なる組織に属するメンバーが協力して仕事をする上で、働きやすい環境をつくるために、経営者の一声は、大きな力を発揮するものです。ぜひ、大切なイベントとして、仕事始めには、実施しておきたいものです。


以上、今回は、OEMのプロジェクトで、経営者が担う重要な役割について、紹介いたしました。

取引を通じて、売上・収益をあげることももちろん大切ですが、良いものづくりの考え方を吸収し、社員を実践的に教育する機会として、プロジェクトをうまく活用している経営者も多いものです。このようなプロジェクトは、人を育てるための実践の場として、最高の教育の機会になるのではないでしょうか。

プロジェクトをうまくすすめるために、本来は、経営者が表舞台にでずとも、スムーズにすすめられればよいのですが、問題が多い場合、経営者の関わり方が重要となります。プロジェクトを成功させるために、経営者がどのような関わり方をすればよいのか、どのようなことで支援してもらいたいのか、改めて考えてみるきっかけになれば幸いです。


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posted by かおる at 07:55| Comment(1) | TrackBack(0) | グローバル品質
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