2014年02月24日

モノではない、つながりをつくる?工場監査!

モノではない、つながりをつくる?工場監査!
(2014年2月23日) 品質管理研究所


工場監査は、さまざまな方とお会いできる大切な機会です。

異なる業界や豊富な経験をもつ方々と直接お会いしてさまざまな刺激をうける、
これほど素晴らしい機会はありません。

ヒトにふれ、新しい考え方に出会い、たくさんの気づきがあります。

工場監査と信頼関係

工場監査では、工場監査員は、工場の品質をチェックすることももちろん大切ですが、
はじめてお会いした仕事のパートナーであるみなさんと良い関係を築くことも大切な仕事です。

工場監査で出会った方々は、数知れず、名刺が山のようになりますが、
その中で、どれだけ、訪問した会社のみなさんの顔と名前が一致するでしょうか。
工場でたくさんのヒトにお会いする機会がありますが、
たくさんの名刺交換をしても、どれだけ記憶にのこっているでしょうか。

相手のお名前を、名刺交換のときに、すぐに覚えられているでしょうか。

名前を覚えることは、相手を知ることのはじまりです。
相手と会い、相手の名前をよぶ回数が増えれば、お互いの気持ちも通じやすくなります。
「名前」は、世界共通の聞きなれたたいへん気持ちのよいことばではないでしょうか。


海外の方のお名前では、発音も難しくすぐに聞き取れない場合もあるでしょう。
ことばにだして、呼びなおして、教えてもらい、自分の名前を教えあうように確認すると
直接ことばが通じなくても、不思議と親近感がわいてくるものです。

アジア圏の国際的な企業の社員さんは、
自国の本当の名前のほかに、発音しやすい"English name"をつけている場合も多いものです。
Kevin、Peter、Bob など、親しみやすい英語圏の名前がよくでてきます。

海外企業では、日本企業に比べて、お互いに
名前で呼び合うことの大切さに気づかれている企業も多いのではないでしょうか。


ものをつくるのは、工場ではありません。機械でもありません。
大切なものをうみだすのは、ひとりひとりの名前を持ったひととひとのつながりです。

相手の名前をよび、自分の名前をつたえ、
相手にお願いをしたり、お願いをされたりすることで、
仕事も円滑にすすむようになるのではないでしょうか。

たくさんの方と出会う機会には、
自己紹介しあうときに相手の名前を声にだして覚えたいものです。
その場で全ての方の名前を覚えて、呼び合えれば、
それだけで、あなたを見る目がかわってくることにも気づくことでしょう。


工場監査では、ものばかり見ず、人とふれ、
このような新たなご縁を大切にしていきたいものですね。

工場監査でつくっているものは、「モノ」にあらず、
ひとの「つながり」をつくっていることをいつも心にとめておきたいものですね。



【関連記事】
工場監査員とは?
工場監査員の役割とは?
工場監査員に必要な視点とは?
ほめて育てる!工場監査
posted by かおる at 20:24| Comment(4) | TrackBack(0) | 工場監査
この記事へのコメント
初めまして、製造業で品質関連の業務に携わっている者です。いつも、見識の高さに感心し、自らの業務の中でこのコラムを活用させていただいております。ありがとうございます。

私、以前は、とある事業体のビジネスパートナーの工場での品質パトロールや監査等実施しておりましたが、今は現場を離れ人材育成や品質企画などの業務に携わっております。(時折工程パトロールの仕事も舞い込んできますが・・・)

当社も、近年ではOEMなどを活用しているので、頻繁に工場の監査等各事業体で実施しているのですが、監査をする側の人間の力量が今一つ不足していること、体系的な監査員を教育するプログラムがなく、各人各事業体間でバラバラの感があるため、統一したプログラムを作ろうと思うので、監査関係のこのコラムは大変有用です。

ただ、当社の場合、お恥ずかしい話なのですが、それ以前に技術者の中には、品質管理そのものがわかっていない者がいて、そのような人が工場を選定したり技術指導をしたりする場合があり、監査員として品質管理の基礎から叩き込まねばいけないのか?と思っている次第です。

もちろん、当社にも基本的な品質管理(特にマインド)の教育プログラムはあるのですが、今一つ効果がないので、監査員養成プログラムの中に、監査の手法やISO9001以外にも品質管理の基礎などを入れる必要を痛切に感じている次第です。


 ただ、どの程度の範囲を入れればいいのか、あまり細かくしても大変だし、たぶんe-learningになるので、長いと冗長だし、短くかつ効果的にしたいと思っているのですが、かおるさんのところではどのようにされているのか(監査員のプログラム内容、品質管理関係の教育の範囲、教育方式など)、ご教示いただける範囲で結構ですので、アドバイスなどいただければと思っております。

唐突で厚かましくて申し訳ありませんが、よろしくお願いします
Posted by 麟電空の助 at 2014年04月16日 13:54
麟電空の助さん

いつも品質管理研究所をご覧頂ありがとうございます、
品質管理研究所 かおるです。

取引先のパートナー企業さんの工場監査や品質パトロールなどを実施され、全社を統括されるような品質企画のお仕事など、ひとを育てる仕事もされておられているということですね。

多くの企業にとって、品質人材の育成は、大きな課題ですね。

今回、工場監査員の育成(品質人材の育成)ということで、会社の体系的な監査員教育プログラムをつくろうとされておられ、すばらしいですね。

下記、品質教育プログラムを作る際のヒントになることがあれば幸いです。

■ 品質教育プログラムを作るプロセスの共有
異なる製品を取り扱う事業体への品質教育プログラムでは、基礎・基本を品質教育プログラムとして、設定することが必要になりますね。

組織が大きくなると各事業体での独自の方針や教育体制もある場合も多く、本社での品質統括組織での一方向的な教育になると、

より現場に近い事業体のメンバーは、実務のいそがしさもあり、一方的なやらされる教育、なし崩しの教育になってしまうことには、注意が必要ですね。

統一した品質教育プログラムを事業部のメンバーといっしょにつくり、事業部の関係者を巻き込むプロセスを大切することが、今後、実務運用する上で、教育プログラムに息を吹き込むポイントになるのではないでしょうか。

教育プログラムをつくるために、事業体ごとのやり方や要望を事前に意見交換をおこなうことで、教育プログラムのとりまとめをおこなう事業部メンバーに事前に意見交換することになりますし、よりよいプログラムづくりのための意見や要望を取り込むこともできます。

このような教育プログラムづくりもまた、商品づくりのためのマーケティングと似ていますね。

麟電空の助さんは、いまでもなお時折、工程パトロールの仕事も舞い込んでいるということで、現場からの信頼も厚く、引く手あまたの状況で、よく現場の状況も理解しておられるので、事業体の工場のお気持ちも察せられているかと思います。

■ 品質教育の受講者
品質の仕事は、品質管理部門や品質保証部門の仕事とおもわれがちですが、品質管理は、ものづくりやサービスに携わるすべてのメンバーの基本ですね。

品質教育のE-learning をつくることができれば、会社にとっての大切な資産になりますね。品質部門の人材だけでなく、技術系の社員にもやはり受講していただくのがおすすめですね。もちろん、事務系社員さんにとっても、仕事の基本ですから、門戸をひらくことも可能です。

品質に興味をもった社員さんに対しては、品質管理検定の紹介や社内の報奨金制度と絡めて、品質教育を推進するのもおすすめです。

■ 品質教育内容
品質教育としては、基礎・基本事項を習得することが大切ですので、すでに品質マインドを教育されているということが前提で、

現実的に活用頻度の高い品質の基本教育をまずは徹底し、段階的に、初級、中級、上級などの段階別教育制度をつくっていくのがおすすめですね。

検定・推定のような使用頻度が比較的少なく難しい統計処理などについて、時間をかけて説明するよりも、QC検定4級、3級ぐらいで、実務で活用しやすい基礎的内容を徹底するのがおすすめです。

<品質管理の基本>
数字の見方: 平均・ばらつきの数値の扱い方、ヒストグラム
分析の方法: パレート図、管理図、チェックシート
仕事の基本: 3S(整理、整頓、清掃)、3現主義(現地、現物、現実)、3定(定位、定品、定量)

【ご参考】 QC検定4級 テキスト 品質管理検定センター PDF
http://www.jsa.or.jp/kentei/qc/pdf/grade4text_ver2.2.pdf
※大変わかりやすい内容で、おすすめです。


教育の基本は、教育を通じて、もっと詳しく知りたいと思うメンバーを一人でも多く増やして、自分での学びのきっかけをつくることですね。
そのため、単に一般的な教科書にかいてあるような方法を教えるだけでなく、実際の事例や失敗事例などを盛り込んでおくのが、おすすめです。

学習効果の確認として、E-learningのおわりにはテストやアンケートもいれて、理解度を確認し、教育内容に問題がないかを確認フォローして、さらによい教材をつくっていくことも大切ですね。

■工場監査員の教育
工場監査員の教育は、力量ある監査員と一緒に現場に行き、OJTで体感するのが、理解への近道です。現実の監査を体験した上で、監査のプログラムを理解していくと、理解と吸収も早まります。

特定の監査員といっしょに監査をし続けると、監査のやり方の良い点、悪い点も気づきにくいので、複数の主任監査員のやり方を勉強できるように、何度か別の主任監査員と工場監査を経験できる機会をつくることも大切です。

最終的に監査員として、独り立ちするためには、主任監査員がサポートした状態で、新人監査員が主導で工場監査をおこない、不足する部分を主任監査員が補うような形で実践を通じて教育するのがおすすめですね。

特に海外工場監査よりも国内工場監査、新規工場監査より定期工場監査といった具合に、難易度が高くない工場監査で実務経験をつみ、独り立ちを応援していくのがおすすめです。

■工場監査の教育内容

工場監査員の教育内容としては、各企業での個別の監査内容にもよりますが、企業として、基準化された監査プログラムを規定にして、標準化した監査内容を教育していきます。

また、一般的な監査手法は、習得しやすいものですが、個別製品や部材への知識は、都度、特別に補っていく必要があります。

監査員は、どのような部材や製品でどのような視点で、何を注意してみればよいかということを事前に理解しておく必要があります。

そのため、監査員は、監査へ行く前に管理ポイントを学習するとともに、監査へ行くたびに、部材別、製品別の監査チェックシートを作成し、監査での注意点をまとめておき、次の監査で活用できるように確認ポイントを標準化しておくのがおすすめです。

また、過去納入された部材や製品において、どのような納入不良があったか、さらに、市場不良で部材起因の不良で、どのような問題があったかを一覧表にまとめること、また、その内容を更新することを新人監査員さんに実施してもらい、理解をふかめてもらうこともおすすめです。社内の過去の不良情報をその他の監査メンバーにも共有していくことができます。

わたしも、監査員になる前には、過去の材料納入不良と対策を全てまとめて、一覧表にした経験が、工場監査員として、しごとをする上での大切な財産になっています。

工場によって、部材や製品の造り方は違う場合もありますが、多くの工場で類似工程があり、共通したチェックポイントがありますので、新人監査員さんが、見るべき観点をあらかじめチェックシートで共有化しておくことが、工場監査の質を高めるポイントです。

湿度に弱い材料の保管管理、静電気による破壊防止、異物の検査精度の妥当性、ネジ締め忘れ防止・・・などなど、

製品や部品によって、さまざまな監査の注意点があらかじめわかっていると安心ですね。

さまざまな工場をみて、知識が豊富になってくると、QC工程図に記載された各工程でどんな対策が施されているか、不足している管理項目がないかをチェックすることができるようにもなりますね。

麟電空の助さんのようなベテラン監査員さんと一緒に監査できる機会があると、新人監査員さんにとって、きっと多くの気づきがあるはずです。

監査員としての礼儀やマナー、会社の代表者としての振る舞いなど、ひととして、大切なことがたくさんあります。

新人監査員にとって、自分が足りないものに気づき、勉強のきっかけになる先生が身近にいることがなによりのお手本となるのではないでしょうか。

品質管理研究所 かおる
Posted by 品質管理研究所 かおる at 2014年04月19日 21:22
かおるさん、お忙しいところ、丁寧にご回答くださってありがとうございます。大変参考になります。頑張って立ち上げていこうと思いますので、このHPもどんどん参考にしたいと思います。ありがとうございました。
Posted by 麟電空の助 at 2014年04月23日 14:04
麟電空の助さん

ヒントになることがすこしでもあればうれしいかぎりです。

組織を強くするための教育は、多くの企業にとっての課題なので、これからも、品質管理研究所で紹介していければ幸いです。

品質にかかわるみなさんを応援しております、
かおる
Posted by 品質管理研究所 かおる at 2014年04月24日 06:49
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