(2014年1月3日) 品質管理研究所
品質の違いは、何によってうまれるのでしょうか。
お鍋をするときを想像してください。
野菜やお肉と一緒に煮立っただしの上には、たくさんの「アク」がたまります。
おいしく食べていただくためには、
アクをこまめにとって、澄んだ状態に仕上げることでしょう。
お鍋では、アクとりのわずかなひと手間が、おいしさの差につながるのではないでしょうか。
現場には、はたして、どのような「アク」がひそんでいるでしょうか。
製造工程の品質改善のため、わずかなアクをすくいあげることができているでしょうか。

ほうれん草のように、いったんゆでて、前処理することで取り除くことができる材料のアク、
そして、なべでいっしょに煮立てたときに、取り除くことができる製造加工中のアクもあるでしょう。
加工する材料や加工工程によって、そのアク(悪)の処理方法もかわってきます。
日頃、工程品質の改善をするときに、
何か大きな改善をしなければいけない錯覚にとらわれてしまうことがあるかもしれません。
しかし、現場で効果のある改善の多くは、このような小さな改善の積み重ねではないでしょうか。
ものづくり品質の底力は、このようなアクを小まめにとる実直な姿勢にあらわれます。
どろくさい仕事かもしれませんが、
このようなわずかな差異の蓄積が、品質の違いを生み出すのです。
工程品質の改善は、終りのない「あくなき」挑戦です。
品質管理研究所は、日夜、品質向上のため励まれているみなさんを応援しています!
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