2013年12月28日

流出防止!検査の検証とは?

流出防止!検査の検証とは?
(2013年12月28日)品質管理研究所


検査は、製品が良品であることをチェックします。

同じように、検査作業そのものも、正しく実施できているか、
「検査そのもの」を検証できているでしょうか。

検査の検証

ただ単に測定して、検査された結果だけをみていると、数字に惑わされてしまいます。
検査の結果、現れる数値はあたかも正しいようにみえますが、
その数値だけが、一人歩きしていないでしょうか。

平均です?最大ですか?最小ですか?何の値ですか?

検査数値が示すものは、一体、なんでしょうか。
検査が、検査として、正しくおこなえるために
どのようなことを確認すればよいか、いっしょに考えてみましょう。


__________________________

<検査の検証>
(1)検査基準のチェック 
(2)検査手順のチェック 
(3)検査項目もれのチェック 
(4)検査限界のチェック
(5)検査測定範囲のチェック 
(6)検査環境のチェック
(7)検査工程位置のチェック
(8)検査機器のチェック
(9)検査頻度のチェック
(10)検査合間のチェック
(11)検査時間のチェック
(12)検査記録のチェック
(13)検査不良時の対応チェック
(14)管理値のチェック
(15)簡易検査項目のチェック
(16)検査教育制度のチェック
(17)検査力量のチェック 
(18)検査作業者のチェック
(19)検査効率のチェック
(20)検査破壊のチェック
(21)検査実務運用のチェック
__________________________

検査の検証のために何を確認すればよいでしょうか。


(1)検査基準のチェック 
検査の判定基準そのものの妥当性は、検証されているでしょうか。品質管理基準の背景にある測定判定基準がどのような信頼性試験や評価に基づいて設定された値か、明確になっているでしょうか。

基準値の背後には、品質保証の上で大切な設計思想が隠れています。なぜ、その値でなければいけないのか、その数値の意味を理解すると、企業のものづくりの姿勢がみえてきます。数値ひとつひとつには、目に見えない重みが隠れています。どれだけ重みのある数値か、また、本当に根拠のある数値か理解することが求められます。

意味のある数値を管理するためには、その数値の平均か、最小値か、最大値か、なにをみればよいでしょう。どのような状態で測定された結果であれば、有効な値となるでしょうか。

検査基準のチェック

もちろん、品質基準は、数値ばかりではありません。実際に実物をみないと判定しにくい外観検査もあります。そんなときは、文字だけの基準書ではなく、外観限度見本を作製して、現場で見て比較できるようにしておくこと、具体的な写真を基準書にいれてわかりやすく理解できるように工夫することも大切です。初めて検査する作業者でも見て、判断にまよわないような基準書になっているでしょうか。


(2)検査手順のチェック 
検査のために必要な作業手順は明確になっているでしょうか。作業しやすいような検査治具は、整っているでしょうか。検査者が手間取るような検査手順になっていないでしょうか。
1人の検査員が、複数の項目を同時にチェックする場合、検査もれが生じやすいので注意が必要です。検査者は、日頃、いくつの項目をチェックしているか、はたしてこたえられるでしょうか?

人材の流動性が高く、離職率が高い生産ラインでの工程外観検査や電気特性検査では、ひとりひとつの検査項目で、確実に検査もれを防ぐようにしている場合もあります。ひとりで複数の項目をチェックする場合、検査の負担が大きくなることを認識したうえで、どのような方法であれば、見逃しを防げるかを考えることが必要です。お客様での品質問題が起きる場合、この検査での見逃しが加わることで、不良の流出が発生してしまいます。

外観検査では、目視の検査だけに頼ることなく、検査時に検査箇所を「指差し確認」や「声だし確認」のチェックを併用し、外部からも検査状況がみえる方法で検査の実施もれを防ぐこともおすすめです。

製品バーコードによる検査実施後の合格記録をシステム上に記録していくことや、製品ランカードに記載された各工程検査のチェックと記録の活用も実務ではよく利用されている方法です。検査もれを防ぐために、ダブルチェック、トリプルチェック・・・という作業で不良流出を防ぐことは、本来のあるべき姿ではありませんので、検査の手順を見直すことが大切です。


(3)検査項目もれのチェック 
本来実施すべき検査項目のもれは、ないでしょうか。検査されている内容や基準ばかりでなく、検査しなければならない検査項目そのものが、検査基準からもれていないかを検証できているでしょうか。

例えば、製造工程の監査では、実態としてすでにある工程や検査が適切かどうかをチェックすることにとらわれてしまいがちです。本来、必要な検査が、何かもれていないかを見つける意識を持って、全体の工程をみながらチェックしましょう。日頃からさまざまな測定機器とふれあっていることで必要な検査項目のヒントがあります。他の取引先さんの工場さんの監査にいたっり、自社に見学にきていただき、お互いに高めあうことも大切です。


(4)検査限界のチェック
検査は、ひとと機械の共同作業で、それぞれよい特徴があります。検査機器とひとの検査をうまく使い分けて活用できているでしょうか。自動検査機器の限界はなんでしょうか。ひとによる検査の限界はなんでしょうか。限界を知り、できないことを把握することが、改善につながります。
例えば、機械による自動外観検査では、背景の色に左右されたり、振動によって正しく検出できなかったり、照度によって、検出できる大きさが低下したり、合否の結果がずれてしまうこともあり、人間が見抜けるような異物などの検出が十分にできない場合があります。しかし、検査速度が速く、つかれないため、ヒトが検査するよりも効率的です。そこで、明らかに不良と良品を判定できる製品は外観自動検査機ですばやく合否判定して、判定に迷うグレーゾーンの製品だけを、人間の目視検査で追加検査して、判定を補完するなど、実務では、ひとと機械の検査を併用した方法が工夫され、実施されています。

自動検査機器の限界とひとの限界を理解して、うまく検査に活用していくことが大切ではないでしょうか。


(5)検査測定範囲のチェック 
検査をする場合、どこを測定するのが正しいでしょうか。たとえば、検査測定箇所が広く、分布がある場合は、悪い結果が現れる特定点がどこにあるかを明らかにして、測定ができているでしょうか。

検査範囲

例えば、シート状の長いものや、面積が広いものなど、設備の加工プロセス上、熱や風の流れのばらつきが生じて、製品にも違いが生じる場合、加工位置別の分布、製品の面内の分布を事前に測定検証した上で、悪い結果がでる測定場所を品質保証できる位置として、検査部位として設定する考え方もできるでしょう。もちろん、部分的な悪い結果が、製品品質に直接的な影響をあたえない場合は、他の適切な部位を測定して、平均値で緩和することもできます。

製品に求められる品質を表現できる検査範囲とは、いったいどこになるでしょうか。

(6)検査環境のチェック
検査を正しく行うために、検査環境を整えることにどれだけ注意が払われているでしょうか。品質問題が起こるたびに検査者に原因を求めることは簡単ですが、検査の環境が悪影響を与えることがないのかを考えることが求められます。

検査照度、ライトの向き、ライトの種類、検査背景色、机の高さ、キズ防止の養生、イスの高さ、作業机、不良品置き場、検査前後の識別場所、清掃用具、手袋、ゴミ箱など、検査を行う上で必要なものが整備されているでしょうか。


(7)検査工程位置のチェック
どこの製造工程間で、どの検査を実施すべきでしょうか。検査の工程内の位置によって、不良品がどこで発見されるかが変わります。遅い段階で不良が確認されれば、追加の加工ロスが生じてしまうことになり、損失が大きくなるため、不良は基本的には、早期段階で見つけて取り除くことが必要になります。

まさに病気と同じで、早期発見、早期治療ができれば、治療もスムーズに進むでしょう。できるだけ早い段階で不良を検出して、製造プロセスを補正して、よい工程管理状態を維持することが求められます。不良を生みだす要因は、製造工程だけではなく、企画・設計の段階にまでさかのぼり、作る前に検査して、問題を取り除きたいものですね。


(8)検査機器のチェック
検査機器が正しく動作するためには、定期校正を実施することが基本です。さらに、始業時に標準による測定点検を実施して、正しく動作できていることを確認します。もし、壊れた時のためにも、簡易測定機器は2台以上用意して、バックアップできるようにしておくことも大切ですね。

どのようにして、検査機器を正しく扱うことができるかを教育することも大切ですが、どうすれば測定機器をこわれてしまうのか、やってはいけない作業を現場の作業者に理解いただくことも必要です。例えば、引っ張り強度測定限界を超えた引っ張り、金属の長尺が変形する置き場での保管、重量測定のための基準分銅の素手による接触さびなど・・・。


(9)検査頻度のチェック
検査頻度が適切でない場合、品質問題を見過ごして、どんどん不良品をつくってしまいかねません。製品の基本であるQC工程図に、どのような検査頻度が記載されているでしょうか

一般に、抜取検査基準が、客観的な国際基準であるAQLによる基準や社内で独自設定された抜取基準を適用している場合が多いものです。注意しなければならないのは、1ロットの数量です。1ロットの単位の設定が明確で、対象範囲が広くなりすぎていないでしょうか。1ロットの単位は、定められたきりのいい生産数量単位、生産交代するシフト単位、1日単位などさまざまあります。ロットで不合格になった場合、その範囲が全てNGとなることも考慮しなければなりません。あくまで、同一の品質が維持されているロットで、検査抜取頻度を設定することが実務では求められます。


(10)検査合間のチェック
検査では、どのタイミングで抜取るかというサンプリングのタイミングも重要なポイントです。問題が置きやすいタイミング(始業時、就業時、シフト交代時、不良発生時、設備停止・稼動時、製品機種切り替え時、設備調整時、停電時)や中間抜き取りなど、サンプリングのタイミングもあらかじめ明確にしておくことが大切です。

また、不良発生時、設備調整時、停電時など、イレギュラーな作業が生じる場合の検査品の識別管理方法が教育されているでしょうか。場所や時間をはなれて検査をする場合、検査中の製品の検査実施の識別管理ルールを明確にすることが大切です。検査工程では、検査前、検査中、検査済みの区別が明確につくように置き場の区分、容器の区分を明確して、識別管理手順を検査者に教育することがかかせません。

また、出荷抜取検査では、ロットの中から一部の製品を抜き取るため、どの箱から抜き取って、検査後、どこにもどすのかなど明確にわかるように識別札をつけて、管理する手順や仕組みを構築することも求められるでしょう。


(11)検査時間のチェック
検査を行うために必要な時間は、確保されているでしょうか。生産工程のタクトタイムにおされると検査の作業時間が短くなってしまいます。適正な検査時間が確保できなければ、検査を正しく行えません。検査のために、必要な人数は何人でしょうか。

検査作業の改善で検査時間を短縮できていることと、生産におわれて検査時間が確保できないのは大きな違いです。特に、新規に垂直立上げを実施した生産ラインでは、検査への負担が大きくなるため、検査時間と検査現場の実態については、特に注意することが求められます。

検査時間


(12)検査記録のチェック
測定結果と比較判定する合否判定基準の記載があるでしょうか。測定結果欄だけがある検査記録シートは、判定する際に困るため、基準をわかりやすく記載しておくことが基本中の基本です。判定基準の記載がない検査記録シートは、多くの企業でよく見落としやすく、忘れがちな大切なポイントのひとつです。

また、検査の合否判定の確認欄が、検査記録シートにあるでしょうか。検査は何のために実施するものでしょう。数値を書くためのものではなく、合否を判定するためのものです。だから、全てのデータが合格範囲にあることを確認した後に、合否を作業者自身が判定することをくせづけることが大切です。


(13)検査不良時の対応チェック
いくつ同一の傾向的な不良が発生したら、工程異常連絡書を活用して、異常対応するのか、不良数での明確な基準はあるでしょうか。ISO9001-品質マネジメントシステムで社内規定として、異常連絡書のフォーマットが用意されていても、実務で活用されなければ、意味がありません。

傾向的に発生する不良に対しては、根本的な不良の原因を迅速に見つけて、改善していくことが求められます。いつ、連絡書を発行するのかその発動基準が明確ではない場合には、なかなか活用されないのが現実ではないでしょうか。工程異常連絡書の発動基準を設定し、自主的に品質を改善する仕組を構築・運用することがおすすめです。

また、どのラインのどの設備でどの不良項目がどれだけ発生したか、記録して、把握する方法が明確になっているでしょうか。品質問題を改善するためには、層別された細かな情報を仕分けして、あとで分析できるように段取りしておくことがかかせません。原因を追究するために必要な情報が集約できるように検査での不良の情報を工程別/設備別に取得できるように不良記録シートやシステム上の不良項目管理により、分類していくことが大切です。


(14)管理値のチェック
工程検査では、検査の合否判定基準とは別に、工程管理図の管理限界をこえたときに未然に改善する仕組みを導入することができているでしょうか。

不良品が発生してからではなく、不良品が発生しそうなときに、未然に改善をおこなうことが理想的です。ひとつでも不良をつくりださないために、管理範囲を設定し、管理幅を超えたときに、不合格になる前に迅速な対応をおこなうことで、不良品を未然に防ぎ、常に良い状態を保つように管理することがおすすめです。


(15)簡易検査項目のチェック
検査では、品質はあがりません。検査は、製品そのものの価値をあげるものではありませんので、簡易的に検出できる検査を活用することもあります。

例えば、梱包後の数量管理のために、重量を測定して、梱包物の数量間違いを検出する員数管理手法など、手間や費用のかかる検査手法にとらわれず、現場で活用しやすい検査手法を導入して、検査をよりスムーズにおこなえるように工夫することも大切です。実際に現物から測定した値と相関のある簡易的に測定できる数値の相関関係の基礎データをとって、簡易的な測定数値で代用することで、実際の現物を測定するよりも、手間を減らしたり、測定頻度をふやしたり、うまく品質管理に活用することがおすすめです。このように測定機器の特性値の品質を代替の特性で置き換える場合、実測された結果と代替の特性の相関関係がきちんと確認され、副作用が生じないようにすることが大切です。


(16)検査教育制度のチェック
検査員を認定するための座学、適性試験、筆記試験、実地試験、再試験、定期試験などの認定制度があるでしょうか。検査員を教育するための先生自身の育成・認定制度も含まれます。

検査は、だれにでも簡単にできる作業ではありません。単に目の前にあるものを検査すればよいわけではありません。検査の目的、製品(プロダクト)、製造工程(プロセス)を理解し、検査対象となる製品がどのようにお客さんに使用されているかが理解されるような教育プログラムはあるでしょうか。

検査をすること自体が作業目的化して、品質を保証する意識が薄くなることが、もっとも危険な状態です。品質検査データの改ざんなどが話題になることがあるように、組織と検査者の品質モラルや検査体制づくりも重要になります。検査している製品が自分の家族に届けられることを想像して、大切な検査をしていることを検査員にできるだけわかりやすく伝えられているでしょうか。製品の検査箇所が、どこが重要な測定ポイントか、なぜ重要かを理解されているでしょうか。特に品質上大切な箇所、過去問題が発生した場所、品位がとわれる箇所など重要になるポイントは、製品やお客さんの要望によって異なります。どのようなポイントが大切かをしっかりと理解して、検査として機能するような検査教育を実施していきましょう。


(17)検査力量のチェック 
検査者の力量を見える化できているでしょうか。自動車の運転初心者さんは、若葉マークをつけて、まわりの運転手さんにわかるようにしています。工場でも、新人作業者の特別の識別マーク(帽子の色や腕章やパッジ)で新人作業者が外からみて一目でわかるようにできているでしょうか。新人作業者が独り立ちするまでの作業教育期間や訓練方法を明確にして、先輩社員が隣についてサポートする制度や検査作業時間を長く取って、教育と同時に生産検査実務でのミス防止を図ることが大切です。

また、ひとり立ちした検査作業員の力量も確認できているでしょうか。検査員の検出力を確認して、検査レベルを定量的にフィードバックできているでしょうか。検出力は、不良が含まれるサンプルの中から、不良がいくつ検出できているかをチェックすることで確認できます。

実務上では、同じ生産ロットで検査者別の比較によって、不良率がどれだけ変化しているか比較してみると、検査者別の大きな違いがあることで確認できます。どれだけ検出できているか、検査者にフィードバックする機会は少ないので、数値で客観的に伝えて、検査者の力量を把握して、向上させていくことが大切です。検査レベルの向上のためには、現在のレベルがどれだけかを客観的に理解することが、改善の足がかりとなります。

このような検査教育を通じて、だれがどれだけの検査スキルがあるのかを一覧表で管理するのがスキルマップです。検査現場に写真入りのスキルマップ表を作成し、掲示して力量管理とともに、さらに高いスキルアップを目指すように検査者の意識を高めていくことが求められます。


(18)検査作業者のチェック
検査では、検査作業者の身なりを整えることは、検査の前の基本です。交換が必要な検査手袋の交換頻度や基準は明確になっているでしょうか。

検査者によって、手の大きさも異なります。現場にいけば、検査作業者の手袋の種類とサイズが、不適切で作業がしにくいこともあるでしょう。指の先端につけるゴムサックがきれていることもあるでしょう。つめが伸びていれば、ゴムサックがやぶれてしまいます。時計や腕輪などが、製品に傷をつけるものを着用していてよいでしょうか。携帯電話があれば、検査中にでなくても、電話の着信の振動があれば、気になってしまいますので、携帯電話の管理方法も明確にしておくことが求められます。どのような服装や所持品で作業するルールがあるのか、検査場所にいく扉の前や検査場所に掲示して、注意喚起できているでしょうか。

また、検査作業者は連続作業によって、疲れていないでしょうか。疲れて、検査に影響がでない休憩時間の確保や検査項目の定期交代など、検査精度が落ちないような配慮もできているでしょうか。検査作業者が検査をする前にどのような状態であるべきか、身なりのルールをきちんと設定することが大切です。


(19)検査効率のチェック
測定するために寸法を計測するのではなく、ゲージにいれて全数確認をしたり、作業を通じて、簡易的に確認する方法を活用し、効率化することができます。定期的に、実際に寸法を記録することも大切ですが、製品の品質を効率よく、全数チェックするための手段として、ゲージを活用して、検査することは、多くの企業で実施されています。

検査効率

また、製品が進化しているように、検査機器も進化しています。大規模な業界の展示会に足をはこぶと、さまざまなヒンみえてきます、最新の検査機器情報もチェックしてうまく活用しましょう。
最近では、3Dプリンターも市場にたくさんでてきましたので、工程検査で製品をセットする固定治具の検証、固定治具そのものに活用できることもあるでしょう。検査作業がより楽になる方法について、新しい方法を検証していくこともこれからのものづくりの改善のヒントになるのではないでしょうか。


(20)検査破壊のチェック
検査によって、良品をはかしてしまうリスクは常に潜んでいます。検査作業によって、新たな不良を生みだす恐れが生じていないでしょうか。

電子部品の静電気による破壊、検査容器に付着した汚れの製品への付着、温湿度環境による露の発生による破壊、通電検査による破壊、落下による破壊などさまざまなところに、検査が品質不良の要因になる恐れがあることに注意をはらわなければなりませんね。


(21)検査実務運用のチェック
検査は、リーダーが、検査実施状況を定期チェックしているでしょうか。第三者による検査員の作業実態と検査状況の把握により、検査作業そのものが適切に実施されているかを検証します。品質メンバーだけでなく、管理責任者や工場長や経営者が検査現場を巡回し、ものづくりの現場にふれて、感じることがなにより大切ではないでしょうか。

数値として現れた検査結果や紙に記載された合否の判定結果だけでなく、モノを自らの目でみて、品質を確認していきたいものです。品質に合格しているなかでも、さらに高い管理状態を維持できるようにたゆまぬ改善をひとつひとつおこなうことが、継続的品質改善です。

優秀な工場では、工場長が、先頭に立ち、現状の合格品質を満足させることは当然のこと、妥協することなく、さらなる改善を目指して、実直にとりくんでいるものです。


以上、今回は、検査の検証ポイントをご紹介しました。

品質問題が生じたときや工場監査のときには、製造工程だけでなく、品質検査のあり方についても検証することが求めれられますので、検査を検証するときのヒントになれば、幸いです。


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posted by かおる at 13:22| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質検査
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