(2013年12月10日)品質管理研究所
ものづくりやサービスにおいて、
品質を維持する上での大切な変化点のひとつに、
新人さんのはじめての仕事があります。
しごとの基本は、ひとを育てることです。
新人さんに質の高い仕事をしていただいて、すぐに力になってもらうために、
どのような仕組みが構築できているでしょうか。
自動車の運転免許を取得する流れを考えてみると、
教育と訓練の仕組みがわかりやすく理解できます。
ものづくりやサービスでの新人さんを教育をすることを思い浮かべながら、
以下の自動車の運転免許に関わる仕組みを通じて、考えてみましょう。
運転免許をとるときには、道路に出る前に交通ルールを学びます。
ルールを学ぶことは、しごとの基本になります。
やってよいこと、いけないことを明確にして、
しらないことをわかりやすく教えてあげることが必要ですね。

頭で理解しているだけでなく、
実際にふれて、自動車を運転する体験を通じて、技能を訓練することも必要になります。
最初は、一人で運転すると危険です。
そのため、先生にとなりについてもらいます。
公道ではなく、安全な教習コースで運転の練習をします。
一定の訓練経験をへて、個々の理解度と技能を確認し、試験をうけます。
合格すると、仮免許をもらい、はじめて実際の公道にでて、運転の練習ができるようになります。
公道での訓練もまた、先生がしっかりととなりでサポートしつづけることが大切です。
そして、実際の運転での技能検定と学科試験をへて、はれて、免許をもらうことができます。
新人さんは、特に、事故を起こしやすいので、品質を維持するためには、
仕組みの中で、一定の教育を繰り返し、力量を管理することがもとめられます。
一度免許をとってもまた、時間がたてば、基礎に立ち返り、更新することが必要です。
また、過去に、実際にどのような事故がおきたか、
どのようなことに注意しなければならないかを知ることも大切です。
大きな事故や問題を起こせば、免許停止になり、運転ができなくなります。
取締りをするおまわりさんの役割が、必要になる場合もあるでしょう。
初心者さんには、周りのひとが一目でわかるように
初心者マークをつけることも大切なことです。
目のわるいひとは、視力を確保するために、めがねの着用が必要になります。
普通の自動車、大型車、タクシーなど乗り物によって、
さらに要求される試験や資格の種類や試験もことなります。
工場で、新人さんに、新しいしごとをしてもらうときも、
このような車の運転免許の制度とおなじことを実施することができるでしょう。
仕組みを通じて、基礎教育を行い、
実務経験もふまえて、人の力量を継続的に高め、維持していくことが求められます。
ものづくりでは、作業者の力量に左右されるはんだづけ作業など、
特殊な重要品質工程として、作業者認定が必要とされる工程もあるでしょう。
そのような認定作業者を訓練し、認定していくための制度としても、
自動車の免許制度は、たくさんのヒントをあたえてくれます。
わたしたちの身近なところには、
品質を高めるためのヒントがたくさんひそんでいるのではないでしょうか。
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