2013年06月24日

不良の連鎖、2次不良とは?

不良の連鎖、2次不良とは?
(2013年6月24日) 品質管理研究所


納入した部品で、品質不良が起きた際には、
不良対象範囲となる部品を納入先から全数回収して、再検査を実施することもあるでしょう。


品質不良と再検査

お客様の生産に支障をきたすような、納期が切迫した状態では、
お客様の工場の倉庫などの場所をお借りして、
その場で検査させていただき、良品のみをご使用していただくような、
臨時の対応をせざるを得ない場合もあるのではないでしょうか。


本来、再検査では、除去すべき不良品は見逃しにくいものですが、
このような臨時の対応での再検査・再梱包をおこなう場合には、

他の不良を併発させてしまわないように注意が必要になります。

この併発不良が、再検査・再梱包などの実務の現場で
特に注意しなければならない不良の連鎖、『2次不良』です。


「2次不良」は、不良発生時に再度検査する場合や再度梱包するときに、
悪い条件が重なるため、通常の製品検査や梱包作業よりも
不良が発生するリスクが高まっているため、特に注意をしなければなりません。

「2次不良」は、一度発生した不良に対して、新たな不良を引き起こすことで、
お客様からの信頼を損ねることにつながりやすいため、
影響力も大きく、発生頻度も高いリスクの高い品質不良といえるでしょう。


納入した部品に不良があり、現場で再検査が必要になった場合、
もし、あなたが、現場の監督責任者ならば、

負の連鎖である「2次不良」を防止するために
どのようなことをすればよいかを考えてみましょう。



(1)作業環境への配慮
お客様の生産に支障をきたさないように供給するために、
自社に持ち帰って、検査ができない場合もあります。

その場合、社外の取引先工場内での検査、倉庫での検査の必要性が生じます。

もちろん、冷房がきいた整った作業環境ばかりではありません。
温湿度の管理されていない暑い夏場の倉庫での検査・梱包作業などの場合は、
汗の付着や作業疲れによる注意不足も生じます。

また、倉庫などのライトが少ない暗い場所での作業は、不良の見逃しはもちろん、
取り扱いによるキズなどの不良も発生しやすいものです


さらに夜、明るくライトを照らすことで、逆に、もよってきます。
虫の付着不良などが発生してしまえば、さらに大変なことになりかねません。

倉庫では、汚れの付着や異物の混入などもあるでしょう。

そこで、あらかじめ、どのような不良がさらに発生するリスクがあるかを
しっかり見極めて、対処することが求められます。



(2) 識別管理の徹底
再検査と再梱包では、再検査した製品、まだ検査できていない製品、
不良となった製品を現場で識別管理することも必要になります。

不良として、確認された製品は不良として、専用の容器に保管して、
その記録をとり、良品と不良品を識別管理しておくことも欠かせません。

臨時の場所であっても、良品/不良品(検査品)/未検査品の識別管理を徹底しましょう。

梱包した製品で検査済み品には、
梱包段ボールの特定位置に検査識別マークをつけるなどして、
第三者が見ても、明らかに区別が付くようにすることも大切なことです。

品質不良と識別管理

また、納入した製品を持ち帰って検査する場合では、
追加で検査した製品のみを納入することが必要になり、
再検査したものがいつから、どのような識別管理状態で納入されるのかを
お客さんにきちんと伝え、もともと発生した不良に対する
流出防止の改善効果を確認していくことも大切なことです。


複数の工場拠点で生産された製品の場合には、対策の水平展開はもちろんのこと、
お客さんの複数の工場へ納入された在庫が保管されている場合など、
すでに生産された製品に対する影響と迅速な対応が求められます。



(3)作業監督者の確保
再検査・梱包作業をする上で、作業をよく理解した作業監督者を選定することが大切です。
現場で作業する作業者に指示徹底できる力量のある監督者が必要になります。


特に臨時の検査・梱包の対応が必要な場合、製品のことを理解していない外部の会社さんから、
検査者・梱包作業者として、応援に来てもらうこともあるでしょう。

外部のメンバーに協力いただく場合には、
特に製品の特徴や取り扱いの注意事項を理解した監督者が、
作業前に作業メンバーにきちんと説明して、教育することがかかせません。


ただ単にこれからおこなう作業内容だけを伝えるのではなく、
どのようなお客さんに納入している製品でどんな取り扱いが必要であるか、
そのためにどのような点に注意しなければならないか、
いま、なぜ再検査をしているのか、単なる作業を説明するのではなく、
その背景や品質の重要性をきちんと認識いただくことが欠かせません。

もし、だれかが、『今、何をしていますか』という質問を現場の作業者になげかけたときに、
あなたが指導した作業者は何とこたえるかを想像してみてください。


単純な労働作業内容だけをこたえるようでは、本質的な説明が不足しているはずです。

どのような仕事をしているか同じ作業でもその意味付け次第で、
作業者の意識や作業への丁寧さは変わってくるものです。



(4)要点をおさえた作業手順書
作業の要点や注意事項をまとめた手順書もあらかじめ作成して、
作業のもれやミスが生じないようにしなければなりません。


いざ現場での作業であたふたしないように、
再検査や梱包の作業手順をあらかじめ検証し、
作業者の作業理解不足による新たな不良が発生しないように
定めた作業方法を指導徹底することが求められます。

急な作業とはいえ、きめられた作業手順を設定しておかなければ、
異なる不良を併発して、再検査、再々検査・・・ということにもなりかねません。

品質不良と再検査


(5)作業への慣れ防止と監督
再検査・梱包作業は、作業に慣れてくると、作業者独自の楽なやり方になりがちですので、
きめられた作業手順を遵守することを仕事の始め、
休憩のあとなどに繰り返し徹底することが求められます。

また、現場での作業の安全を確保するためにも、下記のような点を注意することも大切です。

・どのような不安全事象があるかを作業の前に、注意喚起し、理解されていますか。
・取引先の工場で作業する場合の責任者や現場作業者への確認は、徹底できていますか。
・事前に取引先の工場に入るための申請やルールの確認ができていますか。
・安全を確保するための用具(ヘルメットや安全靴や安全帯や手袋等)はもっていますか。
・フォークリフトの動線と作業場の分離を図って、安全を確保できていますか。
・重い荷物の持ち運びを制限していますか。
・転倒防止のため梱包高さを制限していますか。
・近くに危険な設備や温度の高い設備などがありませんか。
・仮に事故が発生したときに備えた準備ができていますか。

ほかにも作業現場に応じた注意事項があるはずです。


(6)併発不良への注意の喚起
再検査が必要になった要因の特定不良には注意がいくものの、
新たな作業に伴う他の併発不良への認識は、うすれてしまいがちです。


検査で不良品を見つけだし、取り除こうとするあまり、
気づかぬうちに自らが新たな2次不良の原因を作る危険性があることも、
作業者に認識してもらうことが大切です。


・作業者の服から、ペンやカッターなどが落下して、製品に傷をつけたり、混入しませんか。
・時計や腕輪などをはずして、手袋を着用して、製品へのキズの防止を図っていますか。
・休憩後の手洗い、手袋や防止の着用など適切に維持されていますか。
・衣服からの繊維が付着して、製品への異物となりませんか。
・ちょっとした落下や衝撃などで、製品にキズがつきませんか。
・梱包に付着したテープの端や段ボールのくずや繊維などが製品に付着しませんか。
・ゴム手袋の切れ端が、製品に混入しませんか。

取り扱う製品によって、さまざまなリスクが生じるのであらかじめ、
過去発生した不良リストを見返しておき、知見のある監督者が注意喚起しましょう。


(7)組織的な作業対応
特に臨時の特別対応のためにあつまったメンバーでは、
検査や梱包といった作業に習熟しておらず、力量が不足しがちです。

そのため、一人単独での作業をさせず、
複数のメンバーで作業と確認ができる検査体制にして、
お互いに気を引き締めあう体制作りも大切です。


逆に、複数のヒトが同時に検査する場合では、
検査の見逃しも発生しやすく、検査箇所にあいまいさを残さないことにも注意が必要です。

また、長時間のなれない連続作業の場合は、疲れも生じやすくなるため、
疲労をためないように適宜休憩時間をとることや、水分補給をおこなうなどの管理も大切です。

監督者は、明らかに作業が遅れている場合には、
応援者の追加要請も含め人員を確保するようにしなければなりません。

そこで、監督者は、検査梱包が完了する作業時間を計測して、
どれくらいの人数と時間があれば、全ての製品を再検査・梱包できるかを把握して、
応援者をよぶなど、現状の検査進捗状況から、次の対応を考えることが必要になります。


品質不良と再検査


今回は、不良の連鎖、『2次不良』を防ぐポイントについてご紹介しました。

ときには、品質不良が、次の品質不良をよび、不良のスパイラルに陥ってしまい、
お客様の信用を一気に失いかねない2次不良に悩むことがあるかもしれません。

2次不良の品質問題がおきた過去を振り返って、反省することも必要ですが、

品質問題が発生したあとにすべきことは、
その問題を真摯にうけとめ、どれだけ迅速に対処できるかということでです。


『2次不良を発生させない慎重さ』とともに、
『お客様の声に迅速に対応するスピード』が、
不良の連鎖、2次不良からの脱却のヒントとなるのではないでしょうか。


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posted by かおる at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質不良
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