2013年06月16日

工場監査員とは?

工場監査員とは?
(2013年6月15日) 品質管理研究所


ものづくりにおいて、新規に取引を開始する場合、
新規取引先の工場へ訪問して、工場監査を実施します。


工場監査員の役割

品質部門を中心とした工場監査員は、
作り手の視点からではなく、顧客の視点から、
工場の品質状況や管理体制を確認して、
取引開始前に課題事項を明確にして、改善を実施します。

工場監査は、品質を工場するための『向上監査』です。
品質問題を未然に防ぐための貴重な改善の場となります。


監査時に、工場監査員は、いったいどのような項目チェックしているでしょうか。

<工場監査員が知りたい情報>
・企業概要や沿革
・組織管理体制
・品質マネジメントシステム
・製造現場の品質管理状況 (5Sや4M1Eの管理状況)
・製品設計や工程設備の妥当性
・製品の信頼性検証結果
・品質検査体制
・問題発生時/変更時の連絡体制
・トレーサビリティシステム
・環境・安全管理体制

工場監査員は、最終製品の品質を確保するために、
このような項目を盛り込んだ監査チェックシートにもとづき、
あれもこれも確認したくなり、ついつい、一方的に質問してしまいがちです。

さらに、金魚鉢の中にいる金魚を捕らえる猫のごとく訪問した工場を見定めていないでしょうか。

工場監査員とは

工場監査では、いつもの製造現場のありのままの姿がみられるように
リラックスした雰囲気づくりも大切ですね。


工場監査員のはたすべき役割とはなんでしょうか。

工場監査員として、監査のチェック項目を質問して、
問題点を改善することは、もちろん最低限必要なことですが、
もっと大切にすべきことはないでしょうか?

ものづくりにおいて、技術や品質も大切ですが、
その前提として、お互いの信頼関係性を構築することを大切にしなければなりません。

工場監査員は、品質をチェックするプロフェッショナルであると同時に、

取引先の企業の経営者、管理責任者、現場のメンバーと対話する
『会社の代表』であることをわすれてはいけません。

たとえ、役職が、会社の経営職やリーダーではなくても、
相手先の会社に訪問する以上、ひとりの監査員である前に、
『会社の代表者』としての責任と自覚をもちたいものです。

工場を訪問した工場監査員の考え方や姿勢は、
監査員が所属する企業の印象とむすびついて認識されやすいものです。

そして、はじめてお会いする取引先の現場のメンバーは、
いそがしく生産現場で仕事をしているため、
自社で生産した部材の納入先に直接行く機会はほとんどなく、
納入先の企業について、良く理解されていないことが多いものです。


そのため、工場監査員は、工場監査時に、相手のことをより理解するだけでなく、
自分の会社のことをより多く相手にしっかりと伝えることを意識することがもとめられます。

ヒトとヒトがはじめて会って、自己紹介をするときはどうでしょう。
相手のことをきいて、自分のことをつたえないひとがいるでしょうか。

会社と会社との出会いと交流もまた、
人間関係と同様に、自分のことを伝え、相手のことを理解することが基本です。
工場監査は、お互いの関係を深めるための場でもあるのです。


工場監査員とは

そのため、工場監査では、自社のことを伝えるため、
監査時に、下記のような内容をプレゼンをして、自社のことや考えを紹介するのがおすすめです。

<工場監査員が伝えたい情報>
・企業の概要、沿革、取引製品、生産拠点などの企業情報
・最終製品の概要(製品、性能、価格など)
・目指すべき品質レベル(品質方針やスローガン、目標とする品質不良率 〇ppmなど)
・最終顧客からの最新の要求事例と市場での不具合事例 
・最新の市場の動向(各国の市場の成長動向、法律の変更、補助金、政策の変更など)
・今後、会社や製品が目指すべき方向性

このように、お互いのことを良く理解するための時間をつくり、
お互いの信頼関係を構築する機会をつくることができれば、
工場監査もスムーズにすすみ、監査後の取引関係も良好なものになります。

ものづくりにおいて、大切なことは、
だれのためにつくっているかということを
ものづくりをしている現場の人たちがしっかりと認識して、
製品ひとつひとつを大切に生産することではないでしょうか。


工場監査員として、製造技術や部材や品質管理の知識はもちろん大切ですが、
ものづくりをおこなう取引先の仲間といっしょになって、
よい関係を構築していくことは、品質の高い製品を継続して生み出すことにつながります。

工場監査では、工場をみて、改善ポイントを指摘することができますが、

実際には、監査員がいないときにこそ、
工場の本当の実力が発揮されることを忘れてはなりません。
監視をするのは、工場監査員ではなく、
現場ではたらくひとりひとりのメンバーの心の目なのです。


製造している製品で品質問題が工程で発生したときには、
取引開始時に監査で訪問した工場監査員の顔が浮かぶはずです。

工場監査は、製品の品質をチェックするだけではなく、
ヒトとヒトとのつながりをつくるための大切な場にしていきたいものです。


このような、工場監査員のわずかな心構えひとつで、
工場監査の一体感と達成感が格段にかわることをきっと実感いただけるはずです。



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posted by かおる at 20:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 工場監査
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