中国現存最古の東洋医学(中医学)の原典といわれる
『黄帝内経(こうていだいけい)』には、
『未病(みびょう)』ということばが使われています。

東洋医学では、病気になってから、病気を治すのではなく、
病気ではないものの、バランスが崩れた状態『未病』を治すという考え方があります。
病気の症状が、からだの表にあらわれる前に、
からだを整え、不調を治す「予防」の考え方です。
紀元前、はるか2000年以上も前の時代から、
東洋医学では、このような「予防」の思想が、受け継がれているのです。
製造現場で、大きな品質問題がおこる前には、
さまざまな症状が現場のいたるところにでてきます。
製品はもちろん、現場の担当者、設備の状態、作業などが微妙に変化してきます。
大きな変化とともに問題に発展する前の予兆は、
全体の動きの中で、小さな変化として、見えにくく、認識されにくいものです。
製造現場の品質管理でも、東洋医学のように、
病気とはいえないような未病にこそ目を向ける必要があるのではないでしょうか。
問題が表出してから、問題として気づくのではなく、
問題になる未病の段階で手を施し、改善対応することを
時代を越えて、製造業の現場にいる私たちに、
東洋医学を伝承してきた先人が教えてくれているのではないでしょうか。
問題をひきおこす小さな芽に気づき、体質的な治療(品質改善)を施し、
日頃から、健康な品質状態を維持することが
企業や工場の健康を維持する秘訣といえるでしょう。
見えていない問題の重要性を認識して、目に見える問題を防ぐことが、
安定した品質管理に結び付ていくのではないでしょうか。
※製造現場の未然予防を具体的に実現する現代のツールDRBFMやFMEAは、下記をご参考にどうぞ!
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