ひとや企業が成長するためには、変化が必要です。
変化は、チャンス。
変化は、リスクではなく、機会。
リスクとおもうか、
チャンスとおもうか、
心が決めることです。
事前に心の準備があれば、チャンスとなるでしょう。
目の前の小さな変化をとらえて、仕事ができているでしょうか。
そして、自分自身から、周りに変化をうみだせているでしょうか。
毎日さまざまな仕事にながされて、
あっという間に時が過ぎていないでしょうか。
変化もすくなく、あまりに居心地がよいと、
気がつかないうちに、『ゆでがえる』になっているかもしれません。

■ 大企業病ともいえる『ゆでがえる現象』とは?
ゆでがえる(茹で蛙)とは、
かえるを熱いお湯に急にいれると、
かえるは、あまりの熱さに驚き、熱い湯から飛び出して、助かるのに、
かえるを水の中にいれて、じわじわと水を温めて、お湯にしていくと、
かえるは、そのわずかな水の温度変化に気づかず、
茹で上がって命をおとしてしまうというたとえ話です。

ヒトや組織も、この『ゆでがえる』と同じように、
企業の社内というぬるま湯につかっていると、
めまぐるしく変化する外界の環境変化にきづかず、問題を見過ごしてしまい、
気がついたときには、とりかえしがつかないほどの厳しい状況に
追い込まれてしまうということです。
■ ゆでがえるを防ぐためには?
仕事がマンネリ化して、変化に鈍くなっていないでしょうか。
このような『ゆでがえる』に、ならないようにするためには、どうすればよいでしょうか。
ぬるま湯の中でも、わずかな変化は、確実にあるのです。
小さな変化に気づくためには、
日頃から、現場で、お客様や現物にふれ、
現実を把握して、生きた情報に触れることが必要です。
鮮度のよい情報は、2つの『もの(物と者)』から感じとるものです。

周りには、湯の温度の変化を教えてくれる様々な「かえる」さんがいるものです。
お湯の温度変化の違いにも敏感な全く外のかえるさん(取引先・協力会社さん)、
小さな変化にも敏感な異なる世界のかえるさん(中途社員・新入社員さん)、
刺激の強い熱いお湯に自ら飛び込みなかえるさん(チャレンジ旺盛な仲間)、
ぬるま湯にのぼせて、気を失いかけているゆでがえるさん(反面教師)、
さまざまなかえるさんが、気づきのきっかけを提供してくれます。
企業の規模が大きくなるにつれ、たくさんの社員で仕事を分担します。
伝言ゲームのように、情報の鮮度も落ちていることもあるでしょう。
はいるお湯の温度を測定すれば、客観的に状態を把握することができます。
小さな変化を客観的な指標と数値で、『見える化』しているでしょうか。
実態を数値でつかみ、変化をとらえなおすことは大切なことです。
以上、今回は、ゆでがえる現象について、紹介しました。
時代を華々しくかざった産業も、数十年で大きく変化しています。
安定した企業は、ゆでがえる社員をうみだす温床となり、
企業を衰退させているのかもしれません。
みなさんが『ゆでがえる』にならないように、
かえる(≒ かおる)から、実務で役立つ品質の考え方を
これからも楽しくお届けできれば、うれしく思います。
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