2012年10月27日

リンゲルマン効果と品質管理

リンゲルマン効果と品質管理 -品質管理研究所-


ひとつの製品をつくる上で、世界中のさまざまな部材が使われます。

さまざまな部材が、世界中から長旅をしてきて、製品に組み込まれていきます。

部材品質管理とリンゲルマン効果


どこの国で、どんなひとが、どのようにしてつくった部材でしょうか。

ひとつの部材が出来上がるまでに、
どれだけの企業やヒトといっしょにものづくりしているでしょうか。

ものを設計する、ものをつくる、販売する、輸出入を支援するなど、
下記のようにさまざまな関わり方が存在します。

・複数の加工先を経由する場合
・複数の部材が組み合わされている場合
・ひとつの同じ部材に複数の購買先が設定されている場合
・設計だけを行い、協力会社に生産を委託している場合
・製品の販売に特化した企業が窓口になっている場合
・商社が取引を仲介している場合
・工場の中に協力会社さんが常駐して、社員と一緒に生産している場合
・パートさんやアルバイトさんが生産を支援している場合
・さまざまな国の社員が生産をしている場合

納入される製品がどのようなひとや企業のつながりで出来上がっていくか、
どれくらい把握できているでしょうか。

品質管理というと、お客さんに提供する『ものの品質』に目がいきますが、
だれとつくっているか、だれが関わっているかという『組織間の関係』にも注目することが大切です。


その部材をつくるひとと組織間の関係は、どこまで見えているでしょうか。
どんなヒトと組織がモノを作るかによって、製品の品質を管理するポイントも変わります。

社内で品質不良を調査していくと、取引される部材起因の不良が、
全体の品質不良の多くを占めていることもあるものです。

製品の品質は、自社内で完結するものではなく、
取引する関係者を含めた品質マインドや品質管理に大きく影響をうけるものです。

そのため、取引先を確認する工場監査では、このような『組織の関係性』を明確にし、
関係者のつながりや相互の品質管理体制をチェックすることがおすすめです。



■ リンゲルマン効果

ドイツの心理学者リンゲルマンさんは、およそ100年前にこんな実験をしました。

リンゲルマン効果(社会的手抜き)と品質管理

綱を引っぱるときに、一人でひっぱるとき、二人でひっぱるとき、・・・
人数をふやしていくと、発揮される力がどのように増えていくか。

参加する人数を一人から二人、二人から三人、八人までふやしていくと、

人数が増えていくほど、期待される力は十分に発揮されず、
ひとりあたりの貢献度が低下する現象(リンゲルマン効果)がおきてしまったというのです。


誰かがやってくれるはずと感じるような環境では、
気づかないうちに気を緩めてしまいやすいものです。

組織をかたちづくるのも、ヒトです。

取引する部材の品質管理上、かかわる組織やヒトがふえればふえるほど、
お互いにどのようなサポートをするのが効果的か、
どんな役割をはたすべきか不明確になりやすいものです。

各組織の品質向上へのサポートや事後のフォローの仕方は、
目に見える具体的な活動項目になっているでしょうか。


単に管理する側と管理される側のような関係ではなく、

サポートする側と期待にこたえる側といった
相互発展できる良い関係性を構築する機会を生み出せているでしょうか。



目先の品質にとらわれるばかりでなく、
モノを作る組織と人の関係性に着目して、
品質を良くする関係や場を創造してきたいものです。



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posted by かおる at 11:00| Comment(2) | TrackBack(0) | 部材品質
この記事へのコメント
かおるさん おはようございます

リンゲルマン効果・・まさに大きな組織になればなるほど、効果絶大成るようです。

自分で自分の仕事にラインを引いてしまい、「ここから先は、あいつの仕事」と引き継ぎや連絡もせず、自分で勝手に線を引いてしまう・・そんな場面に良く出くわします。

しかし一方で、「誰に許可を取ったの?」と部下に問い詰める上司も居て、リンゲルマン効果を自ら増大させている事もしばしばです。これは、品質管理だけに言える事ではでは、有りませんね。

私も、十分に気を付ける様にしたいです。
Posted by 政之助 at 2012年10月27日 11:10
政之助さん

いつもコメントありがとうございます
品質管理研究所 かおるです。

政之助さんが気をつけられているように、

企業の規模が大きくなると、
分割された業務の関係者が増えて、
なにかと確認が必要な場面も増えてきやすくなります。

この業務は、自分の仕事やミッションではない、
あれは、あの人の仕事、あの部門の仕事という感覚がつよくなると、
他人事のようになってしまいやすく、
仕事もミスが多くなるので注意が必要ですよね。


業務の責任と権限をいかにコントロールするか、
社内のルール上で明確しておくこともできますが、

新しく創造的な仕事では、
既存の決まりごとの範囲を越えている場合もでてきます。

そんな場合でもうまく対応できるような
日頃からのコミュニケーションはかかせませんね。

問題がおきたときだけ、報告連絡相談のほうれんそう(報・連・相)をしたり、
その内容に耳を傾けるだけでなく、

常日頃の業務での対話から、
良い方向に修正していけるように仲間と一緒に考えたいものですね。

品質管理研究所 かおる
Posted by 品質管理研究所 かおる at 2012年10月27日 13:11
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