2012年06月19日

海外品質の向上!社員の定着率管理とは?

海外品質の向上!社員の定着率管理とは? -品質管理研究所-


多くの日本企業が、海外現地の部材を調達し、
現地で生産を行い、世界中に製品を送り出しています。

海外の現地工場のあふれるパワーを活かしつつ、
高い品質とコスト競争力を兼ね備えた製品をうみだすためには、
何をすればよいでしょうか。


海外品質向上と定着率・離職率管理

もちろん、「安かろう、悪かろう」という製品品質では、お客様からの信頼を失います。

そこで、工場運営において、品質を維持、向上させるために、
製品歩留り、直行率、工程別不良率、クレーム件数、Fコストなどの品質管理指標を活用し、
経営会議や品質会議などを通じて、品質状況をウォッチし、改善していくことが求められます。

今回は、特に中国をはじめとする海外での品質を向上させるために、
さらに、どんな指標に注目して、管理すればよいか違った視点から考えてみましょう。


自社の海外生産、海外の協力会社での委託生産では、
安定した品質をいかに『継続的』に作りこめるかがポイントになります。

高い品質を安定して実現するために、
製品品質のばらつきに影響を与える『4M1E』を考えることは基本ですね。

Man (ひと)
Machine (機械)
Method (作業方法)
Material (部材)
Environment (環境)


特に海外工場で、不良の原因を突き詰めていくと多いのが、『ヒト』に関わる問題です。

なぜ、『ヒト』に関わる品質不良が多いのでしょうか。

海外の現地生産においては、
人件費削減が期待される半面、

労働者の流動も激しく、労働賃金の要求や、
より雇用条件のよい企業への転職などもあり、雇用が安定しないこともしばしば、
経営者の大きな悩みの種のひとつにもなっています。



(株)野村総合研究所「グローバル化における経営環境の実態に関するアンケート」結果では、

__________________________________

中小企業が直面している経営上の問題点のトップ3は、

@現地マネージャー層の不足 30.8%
A現地労働者の賃金コストが上昇 30.4%
B品質管理が困難 29.6%  (※特に中小企業での大きな課題)

※【参考文献】 中小企業庁 2008年度版 中小企業白書
          第2部 第4章 中小企業のグローバル化への対応

__________________________________

となっていることからも、

海外進出をしている企業では、
「ヒト」と「品質」に関わる共通の課題が見えてきます。


社員としての規律・しつけ、会社の理念という基本の理解不足や、
作業目的の理解不足、実務での習熟度が不足している作業員が
増えてしまえば、製造品質は、低下してしまいます。

組織としての考えや失敗経験も十分に伝承されない状態で
製品をつくり続ければ、製品の設計品質の改善の機会を損ねてしまいす。

ヒトこそが、製品やサービスの品質、そして、経営の品質を担っています。


こんな質問をしてみましょう。
『あなたの工場は何をつくっていますか?』


あなたなら、どのようにこたえるでしょうか。

『製品の名前』

それとも、

『製品のカテゴリー』

をこたえるでしょうか。

人材育成と品質向上

『工場では、ひとをつくっている』
と自信をもって、こたえられるでしょうか。

はたらく社員のことを考え、

製品をつくることを通じて、
人を育成する工場でありたいものです。

海外品質を管理するうえでは、この大切なヒトが
いかに会社に安定して定着できるかがポイントになります。


日本企業では、大学生が、
就職後「3年で3割やめる」などと数字があるように、

どれくらいの人員を毎月雇用し、
どれくらい離職したのかという『離職率』『定着率』を把握し、
分析することが、企業の品質管理においても、大切です。

■ 『離職率』『定着率』は、以下の式により、算出します。

・離職率 =1ヶ月間の退職者数/前月の月末時点の社員数×100 [%]
・定着率 =Yヶ月間以上働いている社員数/月末時点での全社員数×100 [%]


ひらめき社員数、退職者数、入社数をベースにして、離職率と定着率を測定します。


新入社員や中途入社の社員の動向に限定すれば、さらに詳細な分析もできます。

入社して、3ヶ月、半年、1年以内にどれくらいのヒトがやめているか、
中途入社のヒトは、どのような傾向があるのか、
社員は、毎年いつごろやめやすいか、

どんな社員が会社をすぐにやめる傾向にあるのか、
雇用する時に、どのようなことに注意すべきか、
どのような改善をすれば、退職者を減らし、長く働いてもらえるのか、

数値を把握することで、品質に影響を与えるヒトへの意識が変わります。


品質に与える人材の影響を重要視している企業では、

社員の面談を毎月行って、会社に対する意見や要望に
積極的に耳をかたむけ、働きやすい環境に可能な限り改善し、退職者をへらす努力をしています。


また、仕事の後に、民族楽器の先生を呼んで、継続的な講習をすることで、
仕事とはことなる社員同士の交流も図り、趣味を活用して、
定着率を上げる工夫をしている企業
もあります。

社員教育と品質管理


ひとを雇うために必要な経費をかけるのであれば、

人を育て、安定して働いてもらえるよう、
どのような投資ができるかを先手で考えたいものです。


ヒトこそが、企業を成長させる推進力ではないでしょうか。


今回は、海外での製品品質を管理するために重要な
社員の『離職率』『定着率』という管理指標をご紹介しました。

『離職率』『定着率』を算出するための、
入社数、退職者数の人数を把握すれば、自然と大切なポイントが見えてくるはずです。


まずは、実態を数値で把握してみることからはじめてみるのが、おすすめですね!


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posted by かおる at 00:01| Comment(0) | TrackBack(0) | グローバル品質
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