2012年06月02日

不良品の原因調査の基本とは?

不良品の原因調査の基本とは? -品質管理研究所-


製造業の多くの組織には、
品質保証部門、品質管理部門、CS部門など、
品質の維持向上や顧客サポートをする部門があります。

日頃、取引先さんから納入される部材の不良改善や、
逆に納入先の工場へ納入した部品で、ご迷惑をかけした品質問題の改善のために、
試行錯誤されている方も、多いのではないでしょうか。


今回は、品質問題が発生したときの原因調査の基本である、
「不良品の生産履歴調査」について、ご紹介します。

品質問題と原因調査



(1)品質問題発生時の基本
品質問題が発生した時は、
現地で、現物を確認して、現実を直視する「三現主義」で調査します。

どんな問題がおきているか、
現物をじっくりと観察し、現場の声に耳をかたむければ、
多くの問題の原因は、明らかになる場合が多いでしょう。

品質不良の調査

しかし、現物をみても、原因をすぐに明確にできない不良も、やはり存在するものです。
このような、原因の核心にまで至らないような不良がおきた場合はどうすればよいでしょうか。


(2)不良品の生産履歴調査

不良品の原因として疑うのは、
製造上の4M1E(Man Material Method Machine Environment)のばらつきですが、
そのばらつきを把握するために、「不良品の生産履歴調査」を行うのが基本です。

問題が発生した不良品について、なんらかの『傾向性』がないかを
製造したロットから、明らかにすることが大切です。

いつ、どこの工場で、だれが、どのように生産し、
どれくらい保管され、どのような輸送で、納入されたもので不良品が発生したのか。
さまざまな履歴をひもといていきます。


問題が発生した製品の最初の手がかりは、ロットNoです。

そのロットNoから紐付けされた各種の情報を
まさに、探偵のように、探っていくことになります。

・生産日
・検査日
・出荷日
・保管日数
・生産場所
・生産ライン
・生産設備号機
・生産者
・生産部材
・配送・保管業者
・配送・保管方法
・配送・保管環境

などを明らかにしていきます。

さらに、下記の2つの視点から、問題の要因を探っていきます

@変化点探し 〜良品と不良品では、どんな違いがあるのか。
A共通点探し 〜複数の不良品の中で、どんな共通点があるのか。


通常の良品と不良品との変化点、
不良品の中での共通点を調査すれば、
不良原因の手がかりをみつけだすことができます。

・1月のLOTXXXXY-Zの製品のみから不良が発生していた
・海外のA工場生産品から不良が発生していた
・新ラインだけから、不良品が発生していた
・設備CのX号機だけから不良品が発生していた
・倉庫でY日間以上、長期保管していたものから発生していた

など、

不良の背景にある様々な要因、
さらに異なる大きな問題が見えてくるはずです。


製造ロットを調査することで、不良発生範囲を特定すれば、
詳細な原因調査へと発展させることができます。

詳細な不良問題の解決のためには、下記の記事をご参考にどうぞ!

■ 不良品をわざとつくるとは?
■ 原因不明の不良問題を解決するには?
■ ディズニーランドに学ぶ変化点管理


(2)生産履歴調査の前提
このような不良品の追跡調査と改善を図るためには、
事前に、製品のトレーサビリティを確保しておくことが、不可欠です。

製品固有の識別を行うための製品ロットナンバーの定義、
製品への記載を具体的にどのようにするかを製品の仕様書に定め、
問題発生時に、すぐに情報を取り出せるように
情報管理する体制を構築することがかかせません。

問題が起きないように品質管理することはもちろんのこと、
問題がおきたときのために、どのような生産履歴管理をおこなえばよいのか
あらかじめ考えておく未然の取り組みがポイントとなります。


特に、実務上では、購入する部品で問題がおきたときに迅速に調査できるように、
メーカーさんまかせではなく、自社でも、問題の原因を追究ができるように、
製造ロット番号の定義を、仕様書にもれなく記載し、チェックすることが大切です。

また、品質の問題は、納入直後にすぐわかるものばかりではありませんので、

長期間、製造履歴を確認できるように、
保管文書の保管管理期限を製品要求にあった形で
保管管理しておくことも大切な製造者の責任といえます。

いざというときのために、適切なトレーサビリティ体制を確保することは、
品質保証のためには、かかせないことですね。


(3)被害の最小化

問題となる不良のロットや原因を追跡できれば、

想定される不良の発生ロットと不良発生数量を見極めて、
被害を最小限に押さえることにもつながります。

お客様や後工程での生産に遅れがでないように、

・品質が確保された製品を代納する、
・すでに納入された倉庫にある製品で、不良の可能性がある製品を回収、検査する、
・代納が間に合わない場合、お客様の工場で、全数検査させていただく、

など、さまざまな応急処置を検討することが求められます。

生産に支障をきたさないようにするために、
このような生産履歴の調査をふまえた迅速な対策を講じ、

品質問題のリカバリーを行い、

長期にわたる取引を通じてきづいたお客様との良好な信頼関係を
失うことがないようにしなければなりませんね。


品質と信頼関係


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posted by かおる at 17:24| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質不良
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