高い品質を生み出すのは、人財です。
そんな人財が、安心して仕事をするためには、
安全な製造環境を整備することがかかせません。
製造現場では、生産効率や収益性が高いことも大切ですが、
何より社員の安全を確保し、安心してはたらける現場づくりを最優先させなければなりません。

今回は、工場での事故を未然に防ぐための大切な考え方である
『ハインリッヒの法則』をご紹介します。

『ハインリッヒの法則』とは、アメリカの損害保険会社に勤めていた
ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒさんが、工場で発生した労働災害をもとに、
統計的に分析した結果から導き出した労働災害に関する有名な法則です。
ハインリッヒの法則は、
1件の重大事故の背景には、
29件の軽微な事故と
300件の「ひやり、はっと」するようなことがおきていることから、
その比率をとって、1:29:300の法則としても知られています。
この300件に相当する『ひやり、はっと』する危ない経験を『ヒヤリハット』とよび、
小さなヒヤリハットにきちんと目をむけ、
29件の軽微の事故や1件の重大な事故に至る前に、
小さな『ひやり、はっと』するポイントの改善を行うことが、
災害の未然防止をはかる上で重要であるということです。
安全でない状況をいかに排除するか、
安全を確保できる作業ルールをいかに遵守するか、
どのようにすれば、大切な社員の命を守れるか、
ものづくりの基本として考えておきたいことです。

わが子を車にのせるとき、安全を確保するために
どのようなことに注意するでしょうか。
大切な命を守るため、子を守る親のような気持ちが、
工場の生産現場に浸透しているでしょうか。
安全を確保するのも、経営者の大切なしごとです。
経営者自らが、安全の工程パトロールを実施して、
定期的なチェックを率先して行い、日頃から改善を続けている企業も多く存在します。
現場に足を運び、自社の工程と他社の工程を比較すれば、
すぐにこたえが、見えてくるのではないでしょうか。
品質を考える上での前提として、
安全なものづくりの環境が整っているか、
あらためて、考えるきっかけになれば、うれしく思います。
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