2012年05月12日

品質対症療法の弊害とは?

品質対症療法の弊害とは? − 品質管理研究所 −


品質の問題がおきたときは、どのような改善をすればよいでしょうか。
問題の原因を調査し、根本的な対策を図ることが大切ですが、

実務では、根本原因の調査と対策までに時間がかかる場合もあり、
納期と品質を守るために、流出防止を図り、
お客様に良品のみをタイムリーに出荷することが求められます。


流出防止とお客様


しかし、流出防止対策は、いったん問題を解決させたように
見せてしまう対処療法(Symptomatic treatment)であり、
応急処置的な改善であることを認識する必要があります。

お腹が痛くなった時に痛み止めをのみ、
痛みを遮断し、一時的に感じる痛みを和らげることは、

根本原因を見極め、本質的に
痛みを取り除く改善を行うこととは異なります。

目先の一時的な改善は、お客様からのクレームという形では
表面上現れなくなるかもしれませんが、

実態としての問題は、残ったままで、
品質問題を改善したことにはなりません。

対処療法による改善では、いったん顕在化された問題が、
見えにくくなってしまい、改善が進みにくくなる可能性をはらんでいます。


品質対処療法と改善

一時的に症状を和らげる効果のある薬(改善)では、

継続的に服用することで、その効果が弱まってしまい、
使用量を増やしたり、より強い効き目の強いものに変化させなければ
効き目がなくなってしまうこともあるでしょう。


製造現場では、まさに、流出防止対策として、
検査をどんどん強化していくような場合が対症療法にあてはまるでしょう。


検査の頻度や手間を増やすことで、検査費用が膨らめば、
収益性も低下し、お客様に納入する製品のコストも段階的に下げられず、
生産者とお客様の両者にとってのメリットも損なわれます。

企業内部での慢性的な検査体質ができてしまえば、

製造工程での多少のミスは最後で取り除けるという思想で
『品質は工程で作りこむ』本来のものづくりの姿勢が欠如しかねません。

このような過剰な検査体質は、生産品質向上にもつながりにくい
副作用を引き起こすことでしょう。


対症療法では、問題の症状や痛みを理解し、
症状を一時的に抑えることが優先される反面、

長期的にみて、根本的な改善を行う上での足かせとも
なることがあることも認識しなければなりません。

改善は、改善でも、根本的な改善を阻害するような

悪い改善にならないように、
対症療法のメリット、デメリットも認識して、

本質的な根本対策である原因療法を講じていきたいものです。

このような問題に対する対症療法の弊害は、
品質問題に限らず、多くの企業での問題に適用できる考え方です。


解決しない問題が続く場合、このような対症療法にとどまっていないか、
いったん考えてみてみるのもよいのではないでしょうか。


【関連記事】
原因不明の不良問題を解決するには?
不良品をわざとつくるとは?
品質不良改善シートとは?
納入品質改善計画・実績報告書とは?
検査で品質は上がらない!?
虫歯と品質不良の関係?
posted by かおる at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質改善
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.sakura.ne.jp/tb/55810329

この記事へのトラックバック