2011年10月10日

失敗16事例で学ぶ!梱包不良

16事例で学ぶ!梱包不良 -品質管理研究所-


製品は、出荷前の最終検査をうけて、合格したあとも、

梱包・保管・輸送における
4M1E(Man、Machine、Material、Method、Environment)
のばらつきにより、製品品質が劣化したり、破損したりする要因が、数多く潜んでいます。

品質の高い製品を最高の状態でお客様に使用していただくために
工程管理と同様に、しっかりとした後工程の管理を行うことが求められます。

今回は、出荷のための梱包・保管・輸送での品質管理の中で、
特に「梱包における品質管理」に焦点をあてて、考えてみましょう。

意外と多い梱包不良について、16の不良事例を例にとって
どのような点に注意すればよいのか考えてみましょう。


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【梱包不良16事例】

@梱包手順間違い
Aパレットからの釘の飛び出しによる梱包の破損
B木のパレットからの樹液のもれや木屑による梱包・製品への付着不良
C梱包物(合紙など)の付着不良
D梱包作業時の静電気による製品破壊
E梱包容器の天地逆転による破損
F梱包担当者の所持品の混入
G梱包作業ツールの梱包への混入
H梱包員数間違い
I製品以外の書類・付属品の同梱忘れ
J虫の混入
K固定バンド締め付け管理不足不良
L梱包の強度不足による破損
M梱包保護材の不足による製品破損
N通い箱(梱包容器)の清掃不足による異物混入
O通い箱(梱包容器)の連続使用による梱包破損

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このような梱包不良は、工場監査でもチェックするべきポイントです。
ぜひ未然に改善しておきたいところです。


@梱包手順間違い
梱包仕様と違った作業を梱包員が行うと、われやすい製品の場合は、破損してしまいます。

出荷梱包というそれほどむずかしくない作業であっても、
梱包に作業者自身のサインをすることで、責任をもって梱包作業を実施し、
梱包作業者の注意を促す方法をとる企業もあります。

問題が発生した際は、お客様からのクレームとして、
すぐに梱包者の当時の作業状況を確認することもできます。

梱包不良の未然防止

梱包担当者の責任というよりも組織として、そのミスを再発させないために
どのような点に注意する必要があるかを共有することが、なにより大切です。

個人のミスを非難して、人の問題として片付けることは簡単ですが、
組織としての問題として捉える姿勢が、組織としての品質改善、成長の鍵ではないでしょうか。



Aパレットからの釘の飛び出しによる梱包の破損
新規に購入したパレットは、新しくて、表面が綺麗な反面、
釘が飛び出しているような加工不良があることがあります。

大切な製品を破壊する可能性がある場合もあり、
パレットの購入時の受入検査はもちろん、
使用前に問題がないかチェックして、製品品質に影響をあたえない状態か、
お客様に納入してよい状態のパレットであるか、確認する必要があります。

梱包もまた製品の一部であることを認識しておくことが意識が大切です。
フォークリフトによる搬送で、釘が浮き上がって出てしまっていないか注意が必要ですね。


B木のパレットからの樹液のもれや木屑による梱包・製品への付着不良
パレットに使用される木から樹液がでている場合があります。
樹液は、粘着性があり、さまざまなところに付着するため、
梱包や工場内が汚れないようにしなければなりません。

また、木パレットの加工が荒く、木屑がたくさんでたり、表面が荒れていたり、
木の節目がとれてかけていたりする場合などもあり、注意が必要です。
木のパレットを使用する場合は、やはり納品時にチェックすることが必要ですね。

クリーンな製造工程への木パレットの持込禁止などのルールづくりもかかせませんね。


C梱包物(合紙など)の付着不良
製品の品質を維持するために必要な梱包内部の緩衝材や合紙などが、
逆に異物不良となる可能性があることを認識することが大切です。

人間の飲み薬にも、副作用があるように、
ある問題を改善するために努力した結果が、
逆に新たな他の問題を引き起こすことのないように、
特に、合紙などの副資材の品質管理には、見落としが発生しやすく注意が必要です。

合紙に含まれる成分によって、製品への付着しやすさがかわり、
合紙が製品の汚れや付着物にならないように、
梱包に使用する材料の仕様も事前に評価し、
納入仕様書に取り決めておくことがかかせません。


D梱包作業時の静電気による製品破壊
多くの場合、梱包は、人手で作業しますので、冬場など乾燥した帯電しやすい時期に、
電子部品などの製品を触ると、静電気による破壊がおきかねませんので、
耐静電気専用手袋をつけるなど、静電気による破壊の未然防止がかかせません。

【関連記事】 
冬はご注意!大敵、静電気!(品質管理研究所)
動画で学べる『静電気』!(品質管理研究所) 


E梱包容器の天地逆転による破損
梱包容器の上と下の置き方の管理が必要な場合、
天地が逆転しないような保管管理がわかる表示が必要です。

人間が、長時間、鉄棒でさかさまになれば、頭に血がのぼってしまうように
製品でも、上下反対の状態で保管されると大きな負荷がかるものもありますし、
反対にした際の落下衝撃が加わることがあることも理解しなければなりません。

日本の梱包箱の多くには、反対にしてはいけない製品の梱包外側に
「天地無用」「逆積厳禁」という言葉が記載され、ケアマークが図示されていて、
上下逆さまで保管してはいけないことを喚起している場合がよくあります。


※ケアマークの参考事例 
おおさかの箱屋 FutabaさんのHPより下記、転載。 

梱包不良の未然防止
     
海外の工場では、日本製品の梱包にかかれている「天地無用」などという漢字を
理解することはむずかしいので、図示されたケアマークの意味をきちんと伝え、
適切に製品を保管することを教育することが求められます。



F梱包担当者の所持品の混入
梱包時の作業者が携帯するものが、気がつかないうちに、
胸ポケットなどから落下して、梱包に入る場合があります。
特に、服装が明確に定められて工場では、要注意です。

作業場にもちこんでよいもの、悪いものを明確にして、
定められた服装で安定した作業を行えるような基準を
写真や図などではりだしておくこともポイントですね。


G梱包作業ツールの梱包への混入
梱包時に使用するテープやカッターなどの梱包に使用するツールが
梱包に入らないような管理が必要です。

きちんと置き場をきめて、作業後に使用したモノが整頓する基本動作はものづくりの基本ですね。

複数の作業者が交代交代で生産する場合は、後のシフト作業者が気持ちよく仕事に取り組み、
その後に自分が気持ちよく仕事ができるような心遣いが大切ですね。


H梱包員数間違い
製品の数がすくなくても、多くても問題です。

指定された期日に、指定数量納めることが、取引の約束ごとです。

梱包数をまちがいないように、重量管理したり、容器で確認したり、
ヒューマンエラーを防止し、員数間違いを防止する取り組みが求められます。

【関連記事】
員数管理とは?(品質管理研究所)


I製品以外の書類・付属品の同梱忘れ
製品をすべていれて満足していたら、取り扱い説明書や付属品の同梱忘れが発生します。

梱包する決められた数量に必要な説明書や付属品を事前に必要な数だけ
梱包場所にもっていき、説明書や付属品の残数管理を行い、ミスを防止することが求められます。


J虫の混入
海外工場の場合は、窓に網戸をつける習慣がないところもあり、虫が工場内に自由に
入ってくる環境が多くあるので注意が必要です。

梱包内に現地の虫達がはいっていて、
製品不良になるときほどがっかりすることはありません。


■ 虫を工場内にいれないためには?

・窓を閉める
・網戸をつける
・夜間の扉の開閉ルールをつくる
・防虫ライトをつける
・二重扉にする
・扉の前に風圧をかけて侵入防止する
・屋外周囲の環境を改善する
・梱包物への付着による持ち込み防止(保管方法改善、ブロアで吹き飛ばすなど) など

虫をしめだすために窓をしめると、夏場は暑くて作業性がわるくなり、
別の作業不良がふえないように、エアコンの完備されていない工場では、
スポットクーラーをおいて、作業者への配慮も欠かさず行うこともポイントですね。


■ 虫を捕獲するためには?

・虫取り粘着テープをつける
・補虫器をつける         など

工場の5S管理ができていない場合は、工場内に、くもの巣があり、
残念ながら、そこで、虫が捕獲されている場合もあります。

虫を捕獲するために自然の蜘蛛を飼っている工場なのか・・・、
と前向きに考えたい衝動を抑え、基本にのっとり改善をすすめていくことが大切です。


■ 虫の進入改善効果を確認するためには?

・梱包部屋や工程内での虫の捕獲数や種類を時間別に記録をとる
・虫の大きさを確認する(網戸のメッシュの大きさが適切かを確認する)
・市場での不良再発の情報を入手する
                      など
   
K固定バンド締め付け管理不足不良

梱包時に占めるバンドがある場合、締め付け力なども、大切な管理項目です。

締め付け圧力がよわすぎれば、梱包がほどけてしまい、
強すぎれば、製品に転写したり、キズをつけてしまう製品もあります。

適切なツールで、梱包での作業管理値を明確にして作業することも大切です。


L梱包の強度不足による破損
梱包は、輸送するお客様に応じて、輸送場所・距離・時間・環境により変化するため、
過去に問題なかった梱包でも、問題が起こりえることを認識する必要があります。

梱包不良の未然防止


十分な輸送保管環境に耐えられる梱包設計になっているかを輸送試験によって、
事前に確認することが求められます。
(トラック内でのつむ位置などによる違いなども注意が必要です。)

梱包不良の未然防止

輸送試験としては、試験室で模擬的に行う振動試験落下試験に加え、
実輸送試験などを事前が行われ、輸送による品質低下がないことを確認します。
実輸送試験では、通常の搬送距離の2倍や3倍の走行距離を往復させて確認したり、
想定される負荷以上の耐久性を確認し、梱包仕様の妥当性を検証します。

製品によっては、輸送中にどのような振動や衝撃、保管温度・湿度になるか、
センサーをつけて、出荷から納品までを実測データで連続記録することもあります。

製品が、実際にどのような環境で保管・輸送されているかを理解することは
製品品質、梱包品質を確保するために、大切なことです。

梱包不良の未然防止

こんな風に製品がかじられることはないにしろ、第三者に輸送をゆだねる以上、
想定される過酷な条件であっても耐えられる梱包にしておくことが最低限必要です。

もちろん、保険によって、リスク回避すると考えることもできますが、
せっかく製造した製品が、輸送途上の問題で使用できなくなれば、
お客さんの生産にも支障をきたし、お金の問題より、信用の問題にかかわる
ことになりますので、梱包には細心の注意をはらいたいものですね。


M梱包保護材の不足による製品破損
製品同様に、梱包もまた寸法公差があります。

内箱の中で製品がうごくこともありますし、
さらに外側の大きな梱包と小さな梱包の間にも隙間が生じることがあります。

梱包したときに、壊れやすい製品の場合は、梱包容器を振って、
がさがさ動くようでは、梱包が十分ではないと判断できます。

製品の梱包を確認する際は、五感を活用して、梱包を持ち上げてふってみてください。
音がきこえてきたら、「もう少し見直しが、必要だよ」、と知らせてくれるサインです

そんな音がきこえたときは、梱包の見直しをかける必要があるか、
隙間に養生材をきちんと入れる作業手順で改善できるのか、

きちんと梱包の弱点と改善案を確認しなければなりません。


N通い箱(梱包容器)の清掃不足による異物混入
梱包のコスト削減、環境配慮のために、大量生産して定期便などで輸送されるような
製品の場合は、梱包を廃棄せずに、使いまわすことができる通い箱がよく使用されます。

通い箱の大きなメリットは、梱包・廃棄費用を削減できることですが、
逆に、デメリットとして、使用し続ける中で汚れが、付着する点が上げられます。

製造工程内の清掃はきちんと実施されているものの、通い箱の梱包容器の清掃が
おろそかになっている場合が、以外と多くあります。

顧客個別の梱包で、通い箱になるような場合は、通い箱の汚れについては、
梱包作業員の気づきと配慮によって、清掃されている場合がありますが、
清掃する手順を梱包プロセスとして、落とし込むことが大切です。


O通い箱(梱包容器)の連続使用による梱包破損
通い箱に梱包容器は、連続して、お客様と自社の工場を行き来するなかで、
梱包容器の磨耗や破損も発生します。使用する前の確認とともに、梱包容器のナンバリングに
よる識別管理で、使用回数をチェックするなど、どれくらいの使用回数で破損するのかといった
データ蓄積を行うことも、不良の未然防止のために大切なことです。

ほかにも製品によって、さまざまな梱包不良があるでしょうが、
このような梱包による不良は、未然に防ぐことのできるものがほとんどではないでしょうか。

想定される不良に対して、きちんと対応できていることを
現場の梱包作業員と共に確認することが大切です。

そして、「検査後の梱包工程は、未検査工程である」ということを再認識しておくことが重要です。

製品の最終出荷検査で、品質部門が、一度梱包されたモノを開梱して、
第三者的な立場から検査を実施して、定期的に梱包品質を含めた出荷検査をすることもできます。

製品が納入されたときの第一の顔となる梱包により、
製品の品位や品質が疑われてしまうことのないよう、
しっかりと梱包にも気を配って、お客さまに喜んでもらいたいものですね。



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posted by かおる at 15:04| Comment(2) | TrackBack(0) | 梱包品質
この記事へのコメント
こんばんは、かおるさん。

梱包箱の破損については昨年、大分悩まされましたよ。
とあるお客さんの荷物で破損が多数発生しました。
梱包仕様はこれまで数年間、問題が無いとされている仕様です。
結局は輸送会社の取扱いが雑ということで、輸送会社を変更して対処しました。
会社を変更したらピタっとトラブルが無くなりました。
しかし、変更するまでに何回も現物確認のため、お客さんの物流拠点に足を運んだことか。
今でもその輸送会社のCMを見るとイラッときます(笑)
Posted by QA課代 at 2011年10月11日 22:34
QA課代さま

こんばんは
品質管理研究所 かおるです。

輸送会社さんの手荒い取扱いで
製品が破損したり、梱包が破損することほど、
悲しいことはありませんよね。

製品をつくるまでに
どれだけの思いがこめられて、出荷されていることか。

輸送会社さんの現場への教育や少しの気遣いが、
このような取扱いに大きな差として、現れるのでしょうね。

製造業にかかわらず、
輸送などのサービスもまた、
大切な品質のポイントですね。






Posted by 品質管理研究所 かおる at 2011年10月11日 23:21
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