2011年09月03日

外観検査の役割 5つの「みる」とは?

外観検査の役割 5つの「みる」とは? - 品質管理研究所 -

外観検査(visual inspection)とは、
製品の品質を維持、保証するために外観をチェックする検査です。

外観検査は、人間の五感にたよる官能検査の代表で、
製造工程の検査として導入が容易であることから、
世界中の製造現場で日々実施されている優れた検査方法です。

検査は、低コストで、よりばらつきをなくすように
自動検査機による機械検査を導入する企業も増えていますが、

高い品質が要求される製品においては、自動検査機で明らかな不良を除去しつつも
機械では判定しにくい合否のグレーゾーンを人間の視覚に頼る目視外観検査との
併用を行う企業が多いことも、また事実ではないでしょうか。


人間は、わずかな変化を目で認識し、
判断することができる優れた能力をそなえています。

教育をうけた熟練した検査員がいれば、
外観目視検査が、大変優れた検査方法になることは、
世界の工場の過去の実績が裏付けているといってよいのではないでしょうか。

では、人間の目視による外観検査を通じて、
効果的に品質向上に結びつけるためには、どんな役割がもとめられているか考えてみましょう。


■ 外観検査 5つの「みる」とは?

外観検査は、製品の外観をみて、品質をチェックする検査であることは当然の役割です。
さらに、外観検査を通じて、その検査情報を工程へフィードバックし、
製品品質を維持・向上させる改善サイクルをまわすことにこそ、大きな役割があるといえます。

外観検査にもとめられる役割として、5つの「みる」についてご紹介します。



<5つの「見る」の改善サイクル>

外観検査の役割

@見る(製品の出来栄え確認)
現場にある製品の外観形状、色、状態を人間の目(視覚)で見て、
良品と不良品の判断基準をもとに、合否を客観的に判断します。
製品の外観不良情報は、迅速なフィードバックを行うために識別して、収集・蓄積します。

A観る(製造工程の現場確認)
不良の発生要因となる製造工程の流れ(動き)を観察します。
製品の製造上のばらつき要因となる5M1Eの変化点と不良の因果関係をみつけだします。

B視る(不良の発生・流出要因の調査)
不良となった製品現物と製造現場、さらに定量的に収集・集計された
不良発生情報(製品別/時系列/工程別)をじっくり視て、不良の発生要因を調査します。

C診る(製造工程・組織の問題点の診断)
不良の発生・流出要因となる製造工程での問題点、
さらに組織にかかわる課題点を総合的に診て、
不良の根本原因を改善するための実践的方法を検討し、選択します。

D看る(製造工程・設計の改善)
すぐに改善対応できる製造工程での応急処置を行い、問題の拡大を最小限に抑え、
あわせて、不良原因の根本対策となる是正処置を早急に図ります。

不良の要因が、設計に起因する場合は、
設計の抜本的な見直し、次の機種への改善反映をはかります。

改善した後は、改善対策の妥当性と有効性を判定するために、
その対策の改善効果を継続して確認していき、きちんとした歯止めを行います。



この5つの「みる」の改善サイクルをまわし、
外観検査によって得られた情報を効果的に活用し、
製品品質の維持・向上を継続的に図ることが求められます。



多くの企業では、外観検査で得られた情報を記録しているものの、
十分に活かしきれていない場合がよくあります。

これは、製造業の多くの工場でみられる共通の課題といってもよいでしょう。

一歩進んだ外観検査になるように、
貴重な外観検査の情報もフルに活用し、継続的に品質を改善していきたいものですね。



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posted by かおる at 21:22| Comment(2) | TrackBack(1) | 品質検査
この記事へのコメント
かおるさん、こんばんは。

台風12号が自転車並みのスピードで
猛威をふるっていますが大丈夫でしょうか?

うちはコース外になったので思ったよりは
被害がない状態です。


日本語ってスゴイですね。
「みる」って一言で言っても
こんなにいろんな意味を持つのですね。


検査記録が確かにありますが
そこまでで終わってしまっていて
分析ができていません。

私の会社は9月から新しい期が始まったので
今期の課題で「不良内容の分析」を行ってみようかと集計方法や分析方法の勉強中です。

で、本日QC検定(4級)を受けてきましたよ。

台風の影響で開始時刻が30分遅れで始まりました。受けてみて、90分の試験時間が短く感じました。

当たり前のことを設問されているのに何故か悩んでしまったり。結局時間いっぱい使っての受験となりました。

意外と、若い人や女性も多く、品質にかかわる人が沢山いるんだなぁとびっくりでした。

新しい期も「品質」について勉強して充実させていきたいと思います。
Posted by みず at 2011年09月04日 18:29
みずさん

こんばんは
品質管理研究所 かおるです。

台風の影響、こちらも幸い
おおきな影響なくほっとしています。

QC検定うけてこられて、
次は、合格発表が、楽しみですね。

合格発表は、2011年10月中旬
ということでまちどおしい感じですね。

同じように品質について、興味のある方が
こんなにもいるのかと試験会場へいくとおどろかされますね。

2011年度の下期もはじまり、

見えない問題を見えるように
見えた問題をみえないように
前向きな品質改善をしていきたいところですね。

Posted by 品質管理研究所 かおる at 2011年09月04日 21:43
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