2011年08月17日

外観検査の限度見本と承認ラベルとは?

限度見本の承認ラベルの作り方とは? -品質管理研究所-


『限度見本』は、製品の良品と不良品の判断基準となる見本です。

外観検査が検査員による官能検査の場合に、欠くことのできない大切な判定基準になります。


外観検査における限度見本の作り方と活用方法については、
下記の記事でご紹介していますので、ご参考まで!

■ 限度見本は、官能検査のかなめ?(品質管理研究所)


今回は、限度見本の取引先との取り交わしの際に必要となる限度見本承認ラベルの一例をご紹介し、
無料でダウンロードできるようにしましたので、ぜひ、アレンジしてご活用ください!


限度見本は、不良品のサンプルを活用したNG見本と、
品質基準を満たす程度のぎりぎりのOK見本の2つがありますので、

下記の2パターンをきちんと識別しておくことが大切です。
特に現場では色別管理による色わけで視認性を高めておくことが欠かせないポイントです。



■ 限度見本ラベル(不良)

限度見本承認ラベル


■ 限度見本ラベル(良品)

限度見本承認ラベル


■ Excelフォーマットの限度見本ラベルのダウンロード(無料)は、こちらをどうぞ!

ひらめき限度見本ラベルフォーマット


限度見本は、良品か、不良品か、判断がむずかしいレベルの見本を準備し、
お客様へ訪問して、限度見本として、承認を頂くことが必要になります。

最終的に、このような限度見本ラベルを作成し、現場で活用します。

お互い納得した基準を事前に確認し、承認し、
生産開始直後からお客様が望む品質の製品を提供できるようにする対話の手段ともいえるでしょう。



この限度見本ラベルをうまく活用するためのポイントを以下にご紹介します。


<限度見本ラベルの5つの活用ポイント>

____________________


@限度見本ラベル記載事項
A限度見本の確認者
B良品限度見本の作成
C限度見本の承認とラベルの添付
D限度見本ラベル以外に張っておきたいもの

____________________


@限度見本ラベル記載事項

ラベルに記載する事項としては、
仕様書名、製品名、不良モード、承認日、管理Noなどを記載します。

ほかに、限度見本のラベルに記載する内容としては、お客様の要望に沿って、
校正対象機器と同様に、限度見本の「有効期限」を設定して、記載する場合もあります。

社内のルールにもとづき、有効期限を別途設定して、
ラベルに記載したり、別途添付する場合もありますので、
お客様の要望と社内の管理ルールとうまくあわせ、具体的な管理方法を明確にしておきましょう。


A限度見本の確認者

限度見本をチェックするのは、お客様の技術部門や品質部門の場合が多いでしょう。

部品の外観検査基準が、最終出荷製品の外観品質より低くなることがないように、
基本的な確認も当然おろそかにはできません。

実際に製品を受入して、製造する立場の生産部門の確認と承認もあわせて、
チェックして見てもらうのがおすすめです。


そのため、今回紹介した限度見本ラベルの例としては、
技術、品質部門だけでなく、生産部門のチェック欄をはじめから
テンプレートとして記載しています。

さらに、その他確認が必要と思われる部門を含めて記載することで
多くの方々と限度見本でコミュニケーションを図り、活用していくのがおすすめですね。

限度見本をつくることももちろん大切ですが、その見本を承認頂く過程で、
多くの関係者のご意見を頂き、事前にしっかりコミュニケーションをとることに
大きなメリットがあります。



B良品限度見本の作成

限度見本としては、「不良品の限度見本」が作成されやすい傾向にありますが、
「良品の限度見本」もつくるようにしましょう。

実際に仕様書上に記載された基準値が
現物となると大きく見えたり、目だってしまったりすることがあり、
仕様書そのものの基準を見直す可能性があることも認識しておく必要があります。


また、不良品の限度見本は、検査員教育において、不良モードの定着のために、
非常に役に立ちますが、きわどい合否の判断が要求される場合においては、
良品の限度見本と比較の上、判断が必要なことも多いでしょう。

良品の限度見本をつくり、専用の青色の限度見本ラベルを使用して、現場で活用します。


C限度見本の承認とラベルの添付

限度見本の確認が済めば、自社と取引先の各部門の承認印やサイン(海外)をいただき、
限度見本(現物)からはがれないようにしっかり貼り付けます。

限度見本は、実際に製造現場で手に取り、活用されるものですので、
承認ラベル自体の表面をラミネートして、汚れないように工夫することもおすすめですね。


D限度見本ラベル以外に張っておきたいもの

限度見本に張るものは、限度見本ラベルだけではありません。

限度見本の本体に、特定の不良モードがありますが、
判定がむずかしいようなきわどい不良のため、非常にみにくく、
限度見本をいざ確認するときに探すのも大変ですので、

不良箇所に丸いシール●や矢印シール⇒をはり、
不良モードやサイズとともにすぐに確認できるようにしておくことも大切です。


また、有効期限を設定する場合には、社内の規定に沿って、
有効期限管理シールを貼ることもあるので、ぜひ、お忘れなく!


以上、限度見本の承認ラベルの活用について紹介いたしました。

限度見本の承認ラベルをうまく活用して、
社内外でのコミュニケーションにお役立ていただければ、幸いです。




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posted by かおる at 23:35| Comment(2) | TrackBack(0) | 限度見本
この記事へのコメント
こんばんは、かおるさん。

限度見本で良品限度と不良限度がありますが、その間はどうしたら良いのですか?
私の会社ではグレーゾーンと呼んでいます。
そもそも何故、良品限度と不良限度が必要なのですか?
良品限度から外れたものは不良品という定義付けの方がシンプルで良いと思います。
ですので、最近、私の会社では1現象につき、良品限度、もしくは不良限度しか顧客と設定していません。
どうなんでしょう?
1つの現象に対して良品限度と不良限度の2つのスタンダードがあるのはややこしくないですか?
Posted by QA課代 at 2011年08月19日 21:43
QA課代さん

こんばんは、
品質管理研究所 かおるです。

限度見本については、
合否の判定がしにくいひとつの(特定の)不良モードに対して、

もし、良品の限度見本を作ることができれば、
さらに不良の限度見本をつくると、管理も増えますので
判定基準として限度見本を活用する上で、
2種類作る必要性はありません。

ですから、QA課代さんのコメントのとおり、
ひとつの不良モードに対して、一つの限度見本が基本ですね。

ただし、不良モードを現物で理解してもらうための
教育サンプルとして活用する場合は、
不良モードの例として、不良限度見本で準備しておくことは、大いに役立ちます。

言葉や図だけでの説明ではわかりにくい不良の情報を
3次元の現物を直接、まとめて確認することで、理解を深め、不良モードとその基準を肌で感じ取ることは大切です。

また、今回、良品の限度見本と不良の限度見本の
承認ラベルを2つご紹介した理由としては、

実際の製品での複数の不良モードを想定し、

良品の限度見本となる現物サンプルができないような場合、たとえば、

製品Xの不良モードAの基準の限度は、良品の限度見本aで作製する、
製品Xの不良モードBの基準の限度は、不良の限度見本 b で作製する、

という具合に、
柔軟に活用いただけるようにしたためです。

ですから、一つの不良現象に対して、
2つのスタンダードがあるというわけではありません。

限度見本は、一つの不良モードに対して、
良品の限度見本、または、不良の限度見本をつくるということで
ご理解いただければ幸いです。

もちろん、どちらかの限度見本で統一して作製することができればよいのですが、

実務上、良品見本としてお客様に提示した見本サンプルが、
良品と不良品の限度見本に分けられて、そのまま運用されていく場合もありますので
お客様とのやりとり次第というところでしょうね。




Posted by 品質管理研究所 かおる at 2011年08月20日 00:54
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