2011年07月10日

実務で使える抜取検査とは?

実務で使える抜取検査とは? 〜品質管理研究所


今回は、実務で活用できる抜取検査についてご紹介します。

_____________________


(1)全数検査と抜取検査について
(2)抜取検査とは?
(3)AQLによる抜き取り検査
(4)AQL指標型抜取検査方式
(5)AQL指標型抜取検査方式の限界
(6)変化点管理型抜取検査方式
(7)抜取検査後の対応

_____________________



(1)全数検査と抜取検査について

製品品質を検査する方法は、抜取頻度から
抜取検査全数検査の2つに分けることができます。

工程で品質を作りこんで、不良をゼロにすることができれば、
理想的な無検査出荷も可能ですが、
実務上は、やはり検査を実施して品質チェックし、
お客様への品質を保証しなければなりません。

特に、ヒトの命にかかわるような重要保安部品やクリティカルパーツといわれるような
高品質が要求される製品の場合は、全数検査を実施し、
品質、信頼性、安全性を確保するのが、ものづくりの基本ですね。

AQLと抜き取り検査


また、全数検査を可能にするインライン自動検査技術の向上とお客さまの高い品質要求により
品質上特に重要な特性を全数検査で保証する体制を構築している企業も多いように思います。

もちろん、自動検査を導入できない場合もありますので、

検査員による全数検査を導入すると、検査人員の確保、検査時間の増大、
製品に占める検査費用の増加につながるため、

品質の安定性と経済性を考慮し、抜取検査を活用して、
製品品質をチェックしている場合も多くあります。

また、破壊検査の場合は、全数検査することはできませんので、
抜取検査を実施せざるをえない場合もありますので、

全数検査と抜取検査を、
目的と手段に応じて、適切に使い分けていくことが求められます。

全数検査は読んで字のごとく、全数を検査する手法ですので、
抜き取り基準の設定がむずかしい抜取検査について、ご紹介します。



(2)抜取検査とは?

抜取検査とは、部材の受入、工程中、最終製品での検査において、
検査対象となる製品群を代表する一部の製品を抜取って検査し、
製品の品質状態をチェックし、品質を確保するひとつの手段です。


お客様への品質責任をはたすためには、
検査の妥当性が、客観的にお客様に説明できなければなりませんので、
製品群からの抜き取り数や合否判定基準を設定します。

また、抜き取り方法に加え、

不合格の場合の出荷停止の対応や不合格ロットの全数検査対応など、
検査後の対応も含めて、社内基準へとおとしこみ、抜き取り検査を
制度として、運用することがかかせません。


(3)AQLによる抜取検査

AQL(合格品質水準)とは、Acceptable Quality Level または、Acceptance Quality Limit (JIS)の略称で、製品の抜き取り検査時の合格品質水準です。

AQLは、アメリカの国防総省が、武器などに関わる部品の調達時に品質確保を図るために
設定した MIL-STD-105 が基本となり、日本では、戦後、電子部品などの取引を通じて、
海外大手メーカーとの取引時に導入されたといわれています。

AQLと抜き取り検査

抜取検査は、AQLをベースにして、各製品品質レベルに応じた抜き取り基準を個々に設定し、
独自の社内基準で運用している企業などもありますし、
抜取基準を経験的に設定している企業もあり、

その運用形態は、さまざまですが、
基本となるAQLを理解しておくことは、非常に大切です。

AQLによる抜き取り検査の特徴は、生産者と消費者(お客様)の2つの立場を
考慮して設定した品質基準を明確にしていることです。

未検査の製品があることを認識した上で、
統計的にその検査のリスクを説明することができます。


本来、品質上問題があるにもかかわらず合格としてしまう危険「消費者危険」と、生産して品質上問題がないにもかかわらず、不合格とされる危険「生産者危険」を考慮していますが、品質不良が、未検査品に含まれてよいという指標ではないことは、特に注意すべきポイントですね。

AQLにもとづいて出荷検査しているので不良品が、含まれても仕方ないなどと
誤って解釈をされている企業さんには、びしばし指導が必要ですね。

不良品を納入しても、ひらきなおっている場合など、言語道断ですね。


(4)AQL指標型抜取検査方式

抜取検査の基本となるAQL指標型抜取検査方式について、ご紹介します。

日本工業規格(JIS)で規定されている抜き取り検査で活用しやすいのは、

■ JISZ9015計数値検査に対する抜取検査手順
−第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式(1回抜取方式)


です。JISZ9015 AQL指標型抜取検査方式は、下記のISOの国際規格をベースにしています。
 ISO2859-1:1999 Sampling procedures for inspection by attributes
Part 1:Sampling schemes indexed by acceptance quality limit (AQL) for lot-by-lot inspection

JISZ9015のAQL指標型抜取検査方式は、

抜き取り検査の検査コストと品質の確保のバランスを考慮し、
直近の品質状態に応じて、適切な抜き取り数を選択する可変的な検査手法
です。

AQLと抜き取り検査


品質が低下した時にお客さまへの品質確保優先し、「きつい検査」に移行して検査を厳しくし、
原因が改善されるまで、合否の判定を行う検査を停止して、責任者が是正処置の効果を判断し、
了解するまで徹底的に改善を行う仕組みをとりいれています。
(連続5ロット以内の初検査で2ロットが不合格になった場合、きつい検査に移行)

逆に、製品の品質がよく、安定している場合は、
検査費用を削減するために、「ゆるい検査」に移行するという柔軟性を持っている検査です。
(きつい検査のときに、連続5ロットが発検査で合格になった場合、なみ検査に復帰)

※AQLを活用した抜取り検査についての詳細な運用手順については、
JISZ9015に詳細が記載されていますので、ぜひ一度、読んでみることをおすすめします!

JISのHPへアクセスしていただければ、閲覧無料で確認できます。

http://www.jisc.go.jp/app/JPS/JPSO0020.html

「JIS規格番号から検索」のところに、 「Z9015」と入力していただくと、

下記の4項目が抽出されてきますので、詳細な内容が、説明されていますので、
ご参考にしていただければ幸いです!

■JISZ9015-0
計数値検査に対する抜取検査手順−第0部:JIS Z 9015抜取検査システム序論

■JISZ9015-1
計数値検査に対する抜取検査手順−第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式

■JISZ9015-2
計数値検査に対する抜取検査手順−第2部:孤立ロットの検査に対するLQ指標型抜取検査方式

■JISZ9015-3
計数値検査に対する抜取検査手順−第3部:スキップロット抜取検査手順



(5)AQL指標型抜取検査方式の限界

JISZ9015AQL指標型抜取検査方式では、抜取検査によるサンプリング数と合否基準を
目標とする品質レベルに基づき、自動的に設定することができます。

・合格品質限界 AQL
・品質水準(通常検査水準/特別検査水準)
・ロットサイズ

を設定すれば、サンプルを母集団からどれだけの数をぬきとればよいか、
さらに、どれだけの抜き取り品が合格であれば、検査合格とするのかを設定することができます。

JISZ9015 AQL指標型抜取検査方式では、不良発生数がすくなければ、
検査合格となるゆるい品質基準も含んでいる検査方式といえます。


不良が含まれていても、許容されるような基準の品質レベルは、
検査で不良品を選別していたような品質が低いレベルの時代のはなしであり、
全数良品納入を前提とするような現在の高い品質要求には、
このシステムで対応することは、難しいといわざるをえません。

実務の抜取検査では、ひとつの不良がでれば、その他の製品の状況が心配になるため、
不良がひとつでも検出された場合、ロット不合格と判定する企業が多いように思います。
出荷検査であれば、当然の対応ですね。


そこで、JISZ9015の抜取り検査表の中でも、不良品がゼロで合格となるようにすると、
なみ抜取り検査のAQL0.010という最も厳しいパーセント不適合率を選択することになります。

それだけの不良率を検出するためには、ロットサイズに応じて設定される
抜取サンプリング数が多くなければならず、

結果として、全数検査になる場合が発生してしまいます。


例)AQL0.010 なみ検査 検査水準Uの場合

・1ロットが1,250ヶ以下の場合
 →全数検査

・1ロットが1,251ヶ以上の場合
 →ロットサイズに依存せず、1,250ヶだけ抜き取る。

※合否判定は、Ac(合格判定数)=0 Re(不合格判定数)=1 なので、
抜き取ったものに不良品がひとつでも含まれていれば、不合格になります。

ロットサイズが、小さい場合(1,250以下)には、抜取検査したいにもかかわらず、
全数検査をしなければ、十分なチェックにならないことになってしまいます。

つまり、抜取検査では、全数良品や品質不良ppmレベルの製品対しては、
全数検査でしか保証できなくなるという結論にいたります。


これでは、全数検査にはない、抜取検査としてのメリットである経済性が
いかされませんので、他の抜き取り方法により品質も経済性も満たすようなことを
考えなければなりません。


(6)変化点管理型抜取検査方式

JISZ9015 AQL指標型抜取検査方式は、
全数抜取と抜取検査を併用した統計的立場にたった優れた検査方式ですが、
実務上運用できている企業は、少ないのではないでしょうか。

品質は、工程でつくりこみ、検査は選定ではなく、チェックする手段であることを認識し、
品質と同時にコスト競争力も高めていく必要性が高いことが、浸透しているあらわれかもしれません。

AQL指標型抜取検査方式では、
一定以上のサンプル数をランダムにサンプリングすることが、統計的な観点から重要であり、
それが検査の抜取数を増加させているポイントであることを認識する必要があります。

一方、不良の発生リスクの高いポイントを特定し、
局所的に抜取を行うことで品質不良を抑制するという逆転の発想をすることもできますので、
新たに、実務で活用されている変化点を抑えた抜き取り検査の方法について、ご紹介します。


AQLと抜き取り検査


大切なポインとは、製造工程の「変化点」です。
では、製造工程で、不良が発生しやすい変化点とはどこでしょうか。

それは、「4M1E」の変化点です。


Man (新人作業員、応援人員対応時、欠員時、シフト交代時、
       休憩時、食事休憩時、始業時、終了時、連休時)
Machine(始業時、設備修理時、設備点検時、緊急停止時、終了時)
Material (他製品切り替え時、不良発生時、リワーク時、材料補給時)
Method (緊急停止復帰時、不良品処理時、合否識別判定時)
Environment (地震時、停電時)
など

このような不良の発生リスクの高い製造工程中の変化点前後をチェックすることが、
実務上有効な抜き取りタイミングとなります。


検査で不良が発生した場合の工程への適切なフィードバックを迅速に行うために、生産したものからすぐに検査を実施していくことが前提です。

そして、その変化点の前後だけではなく、変化点の間の安定性を保証するために

一定頻度(100サンプル毎など)、一定時間(1h毎など)

での抜取チェックを組み合わせて行うことが、おすすめです。


AQLと抜き取り検査


抜取頻度は、製品の特徴、類似製品の実績、工程の安定性を示す各種のデータ、
出荷検査の頻度、取得データの測定ばらつきも考慮して、総合的に判定されて、
各社任意に設定しています。

この抜取頻度は、実際に最終検査時で不良が確認されれば、
抜取検査頻度を増加させ、検査強化も必要になりますので、前工程の検査へと適宜フィードバックし、補正していくことが必要な抜取検査方法といえます。


また、特に、リスクの高いポイントとして、特に注意しておきたいタイミングがあります。
それは、不良が発生しやすい初期生産立ち上げ時です。

AQLと抜き取り検査

不良品発生のリスクが高い生産時期において、
このような抜取検査にたよって品質を確保することは難しいのが現実です。

そこで、製品の立ち上げ時には、初期流動確認として、
抜取検査せずに全数検査をし、統計的ばらつきを把握して、
初期品質を向上させて、安定生産を確立した上で、
変化点を抑えた抜取検査に移行して行くのがのぞましいといえるでしょう。


また、海外の一部の工場では、長期連休後に地元に帰り、
より雇用条件のよい企業へ出入りするため、品質教育が十分にできていないまま、
生産されてしまい、品質が低下することが発生しがちです。

このような個別の生産背景も十分理解し、

品質を維持できるようにリスクの高いポイントを明確にして、
抜取検査の頻度を一時的に高めるなどの指導をすることも重要
ですね。


(7)抜取検査後の対応

抜取検査の抜取方法に加え、
検査後の不合格の製品ロットのリカバリーも忘れてはならない大切な対応です。

不合格になったロットに対しては、
どの程度の製品が不合格になっているかを確認し、
不良品が、良品とまざらないように識別管理し、
生産工程へ迅速に改善のフィードバックをかけます。

通常、その不合格ロットの前後のロットにも不良が
波及している可能性がある場合は、不良状況により、
自社の出荷前在庫品やお客様に既に出荷された客先在庫品
の波及状況などを調査し、再度全数チェックするなど対応を明確にしましょう。


ロットの単位は、生産している中で、同一の条件で同一の時期に生産された
グループをひとまとめのロットとして設定します。

ロットごとに品質検査を実施して、製品保証している場合は、
そのロット数に応じた抜取頻度が設定されるだけでなく、
お客様のところで問題が発生したときの管理単位にもなるため、

問題ロットの返却、全数交換、代納といった一連のクレームに対する処理も
ロット単位になるので、適切なロットサイズの設定も、
このような製品のクレームに対する範囲の限定化のためにも、
事前によく検討しておくことが大切です。

また、不良品の手直しが可能な場合は修正されることもありますが、
そのような製品の再出荷の場合は、手直しに伴う品質劣化がないことを
検証することが必要であり、部品単体では、確認できない製品上の品質を
確保するために、お客様の承認を得た上での手直しや特別採用品
としての識別出荷をするような対応も注意が必要です


検品後の再出荷品の場合は、
出荷ラベルなどに「再検査品」などと識別表示して、
受入れ側での対応が明確にできるように配慮する必要があります。

再出荷されたものでも、さらに同様の不良が発生していた場合には、
不良の応急処置の有効性がなく、さらなる改善が必要になります。




今回は、抜取検査についてご紹介しましたが、

AQLを活用した抜取検査手法は、昔から活用されている手法ですが、

市場での品質要求も変化している中、その検査手法もより時流にあった手法で、
より経済的で、高い品質を適切にチェックできるよう進化させることも、
今後の課題かもしれませんね。

AQLと抜き取り検査


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posted by かおる at 22:45| Comment(10) | TrackBack(0) | 品質検査
この記事へのコメント
こんばんは、かおるさん。
今回の記事は大作ですね。
読み応えがありました。

しかし、AQLって奥が深そうですね。
自分の道具にするには時間がかかりそうです。
分からないことだらけでかおるさんに何を聞いて良いのかも分かりません(笑)。
何回か、かおるさんの記事を読んでから質問します。
すいません。
時間下さい・・・。
ただ、今の段階で質問すると
@ゆるい、なみ、きついの使い分け方について。多分、製品立上はきつい抜取り検査の表を使うと思いますが、そこから一般的に何ロット合格状態が続くとなみになり、そしてゆるいになるのか。
AAQL指標の決め方は計算によって求めるものでは無い←この理解で良いですか?
Posted by QA課代 at 2011年07月11日 23:08
QA課代さん

こんばんは、
品質管理研究所 かおるです。

>@ゆるい、なみ、きついの使い分け方について。
>多分、製品立上はきつい抜取り検査の表を使うと思いますが、
>そこから一般的に何ロット合格状態が続くとなみになり、
>そしてゆるいになるのか。

はじめからきつい抜き取り検査を使うのも、
企業方針としては大切ですね。

JISで紹介されているAQL指標型抜取検査は、
なみ検査から始まり、

製品の品質状況が悪い場合は、
検査をきびしくします。

ここでの悪いとは、
連続5ロット中2ロット不合格になった場合です。

また、なみ検査の状態で、
製品の品質状況が、良い場合は検査がゆるめることが可能です。

ただし、生産が安定していることや
所轄権限者の承認が必要な定性的な基準が
判断基準にふくまれていることから、
企業の判断にゆだねられるということですね。

また、検査の厳しさを指定する場合は、
一般に3つの検査水準から選択します。

通常検査水準T
通常検査水準U
通常検査水準V

という検査水準が用意されており、
企業の方針やお客様の要望にあわせて
検査の厳しさを設定することが可能です。

通常検査水準Tがゆるく、
通常検査水準Vが厳しい設定となります。

さらに、AQLという指標では、

0%に近いAQL0.010などを設定すると、
不良率が少ない基準、厳しい検査基準となります。

複数の指標で、検査の厳しさを設定できることが
使いやすさにもつながっているかもしれませんね。

>AAQL指標の決め方は計算によって
>求めるものでは無い←この理解で良いですか?

AQLは、統計的に算出された指標をベースに
選択するため計算は必要なく、
JISZ9015の抜取表を確認することで
抜取数を決定することができます。

抜取数の背景にある考え方と
その考えを反映した抜取表の使い方を理解することが大切ですね。


Posted by 品質管理研究所 かおる at 2011年07月14日 23:37
AQL(合格品質水準)とは、Acceptable Quality
Level

または、

Acceptance Quality Limit (JIS)の略称で、
製品の抜き取り検査時の合格品質水準です。
↑リミットの場合は、合格品質限界です


もともとは水準でレベルだったと思ってました。

最近、限界でリミットとしてる文があり、
疑問でした。

そしたら、JISでは2006年に改訂されて
リミットの合格品質限界

ISOが1999年に改訂されたから?
Posted by ばねマニア at 2014年08月30日 07:37
ばねマニアさん

こんにちは
品質管理研究所 かおるです。

JISZ9015-0:1999は、1995年に第1版として発行されたISO2859-0を基礎として作成された日本工業規格であることが明記されており、2009/10/01が最新確認年月日となっています。最新改正年月日に記載はありませんので改定はされていないようで、
JISZ9015-0 2.合格判定抜取検査の全般的序論 には、
「2.6 AQL(合格品質水準)」という表現が使用されています。

いっぽうで、JISZ9015-1:2006 では、2006年に改定されていますが、AQLの定義が改定後に修正されている記載はなく、詳細までは確認できませんが、ISO2859-1 の表現と同じ、AQL :acceptance quality limitが使用され、「3.定義及び記号」の項目では、「3.1.26合格品質限界,AQL(acceptance quality limit) 継続して連続のロットが抜取検査に提出されるときに、許容される工程平均の上限の品質水準。」という定義がなされています。

規格名称の英文表記でも、下記の通り、AQL :acceptance quality limitとして使用されています。

規格名称
計数値検査に対する抜取検査手順−第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式

英文名称 Sampling procedures for inspection by attributes-Part 1:Sampling schemes indexed by acceptance quality limit (AQL) for lot-by-lot inspection


AQLは、ばねマニアさんが、おしえてくださったように、Limit「水準」という表現が、ISOやJISの表現に近く、AQLの検査上の意味としても理解しやすい表現になっているのではないかと改めて理解できました。

教えてくださり、ありがとうございました。
Posted by 品質管理研究所 かおる at 2014年09月16日 21:22
http://www.iso.org/iso/iso_catalogue/catalogue_ics/catalogue_detail_ics.htm?csnumber=7866

ISO 2859-1:1989
Sampling procedures for inspection by attributes -- Part 1: Sampling plans indexed by
acceptable quality level (AQL) for lot-by-lot inspection

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

http://www.iso.org/iso/catalogue_detail.htm?csnumber=1141

ISO 2859-1:1999
Sampling procedures for inspection by attributes -- Part 1: Sampling schemes indexed by acceptance quality limit (AQL) for lot-by-lot inspection
Posted by _ at 2014年09月17日 07:58
品質管理研究所 かおるです。

AQLは、ISO2859の規格の更新にあわせて、
AQLの表記も変更されていますね。

わかりやすくご紹介いただき
ありがとうございます。

現在は、ISOとJISの表記は一致し、
AQLは、acceptance quality limit となり、
グローバルで通じる言葉ということになりますね。

Posted by 品質管理研究所 かおる at 2014年09月17日 20:37
品質管理研究所 かおる様

抜き取り検査に関して、ほとんど知識がないのですが、とても興味の持てるお話で勉強になります。
そこで、抜き取り検査に関して、質問があります。

現状、初めて取り扱う商品の検査を行う際、商品が安定しているか否かを確認するために全ての商品に対して全数検査をしております。また、取り扱っている商品は、海外メーカーの商品で、基本的に通常検査水準U、AQL=1.0を取り扱っており、商品によっては、通常検査水準T、AQL=1.0を取り扱っております。

そこで質問ですが、
@初めて取り扱う商品の検査を行う際、必ず全数検査をしなければならないのでしょうか。

A初めて取り扱う商品を全数検査したとして、必ず連続5ロットを全数検査すべきなのでしょうか。

B初めて取り扱う商品を全数検査したとして、2ロットないしは3ロット問題なければ、抜き取り検査に移行とするというように、社内で取り決めすること等できないのでしょうか。

C私自身の考えなのですが、
全数検査(問題なしと判断)→抜き取り検査(通常検査水準U)(問題なしと判断)→抜き取り検査(通常検査水準T)というように、抜き取り検査(通常検査水準V)を飛ばして移行することもできるのでしょうか。

D社内では、「ロット1」(1ロットで1つ検査する)を使用しているのですが、JIS規格的には問題ないのでしょうか。

お手隙の際に、ご回答して頂きますよう、よろしくお願い致します。
Posted by QA勉強中 at 2014年09月28日 22:11
QA勉強中さん

こんにちは、品質管理研究所 かおるです。

5つのご質問ありがとうございます。
下記、順番にお答えいたします。

@初めて取り扱う商品の検査を行う際、必ず全数検査をしなければならないのでしょうか。

→はじめて取り扱う製品の場合には、必ず全数検査しなければならないという制約はありませんが、購入側で要求した品質が守られているかを客観的に確認するためにも多くの製品をみて、早い段階で問題を検出することがおすすめですね。もちろん、着荷時ではなく、生産立会い時にきちんと確認しておくことも大切です。初期に生産される製品は、工程内の不良率も高くなり、不良品の製造数も増えますので、検査はしているとはいえ、不良品が流出する可能性も高くなります。製造者に対しても、お客さんが全数検査するという品質に対する取り組み姿勢を表明するだけでも、作り手はより気が引き締まるかと思います。
特に初めての取引先、初めての製造ライン、初めての製品など、はじめてづくしの時には注意が必要ですね。


A初めて取り扱う商品を全数検査したとして、必ず連続5ロットを全数検査すべきなのでしょうか。

→初めて扱う商品に対して、必ずしも連続5ロットを全数検査する必要性はありませんが、
おそらく、抜取検査の「きつい検査」からスタートしているのではないでしょうか。JISZ9015-1では、検査のきびしさに、「ゆるい検査」、「なみ検査」、「きつい検査」という設定があり、通常、真ん中のきびしさである「なみ検査」からスタートしますが、検査権限者が、実際の製品が、納入実績や市場情報などを加味して、「なみ検査」では十分でないと判断したときは「きつい検査」からスタートすることもできます。
おそらく、最初に設定された連続5ロットという表現から、JISZ9015-1の切り替えルールを適用しているのではないでしょうか。この場合、連続5ロットで全数検査し、合格したときには、「なみ検査」に移行することになり、検査が緩和されます。


B初めて取り扱う商品を全数検査したとして、2ロットないしは3ロット問題なければ、抜き取り検査に移行とするというように、社内で取り決めすること等できないのでしょうか。

→どのような製品を取り扱っているかにもよるかと思いますが、法や規制による要求事項、業界の要求事項、お客様の要求事項などで、JISでの抜取検査の要求が必要ないと判断できるのであれば、自社の検査基準を設定して、検査することは可能かと思います。ただし、JISZ9015-1に沿わない場合にはその根拠となる考えを自社で構築して、お客様に胸を張ってお答えできるようにしておくことが大切です。おそらく、社内規定においても、先輩が苦心されて抜取検査の規定を策定されているのではないでしょうか。


C私自身の考えなのですが、
全数検査(問題なしと判断)→抜き取り検査(通常検査水準U)(問題なしと判断)→抜き取り検査(通常検査水準T)というように、抜き取り検査(通常検査水準V)を飛ばして移行することもできるのでしょうか。

→検査水準は、初期に設定し、検査回数にかかわらず、一定のままで、抜取検査のきびしさを変化させます。検査で合格が連続し、生産が安定することで、きびしい検査、なみ検査、ゆるい検査と移行していくことになり、検査で抜き取る製品の数も緩和されていくことになります。詳細な移行ルールもJISに規定されていますのでご注意ください。


D社内では、「ロット1」(1ロットで1つ検査する)を使用しているのですが、JIS規格的には問題ないのでしょうか。

→JISZ9015-1の主抜取表を確認しますと、きびしい検査、なみ検査、ゆるい検査、いずれも、ロットサイズがもっとも小さい場合でも、抜取数は2となっていますので、JIS上では、1ロットで1つ検査するというような形にはなりません。JISZ9015-1においては、1ロットのサンプル数に応じて、検査するサンプル数が決定される方式をとっています。

JISZ9015-1 AQLによる抜取検査については、こちらの記事で、抜取検査のEXCELシートなども紹介していますので、ヒントになれば、幸いです。

■ AQLに基づく抜取検査のやり方とは?
http://quality-labo.sblo.jp/article/75753949.html

かおる
Posted by 品質管理研究所 かおる at 2014年09月29日 18:36
品質管理研究所 かおる様

お疲れ様です。
ご丁寧に返答して頂き、ありがとうございます。

現状、社内での規定が作れておりませんが、何点かの案を上司に取り仕切ってもらい、作ってもらえることになりました。

私自身、JIS9015を読んだことがない為、今後は、JIS9015を読んでいかないといけないなと実感致しました。

また、気になる点がございましたら、ご質問させて頂くことがあるかもしれませんので、その際は改めてよろしくお願い致します。

QA勉強中

P.S かおるさんのメールにお礼の返事をしようと思い、送信しましたが、メーラーデーモンがでました。容量制限等掛かっているかもしれませんね。
Posted by QA勉強中 at 2014年10月04日 06:14
QA勉強中さん

おつかれさまです
品質管理研究所 かおるです。

会社の規定に、検査規格をうまく導入できそうですね、よかったですね!

10月は、多くの日本企業が、下期スタートですね。あらたに品質UPのために何を達成していくか考えるよい時期ですね!

また、お仕事の息抜きに、品質管理研究所HPにあそびにきてくださいね。

かおる
Posted by 品質管理研究所 かおる at 2014年10月04日 09:28
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