2011年06月19日

品質確保にかかせない「引き継ぎ」とは?

品質確保にかかせない「引き継ぎ」とは?
(2011年6月21日) 品質管理研究所 


品質を確保するためには、
現場でつくられた製品の品質をみるだけでなく、
モノを生み出す工程の品質を見ることが必要です。

安定した工程品質を維持するためには、変化点をおさえ
現場での生きた情報をしっかりと仲間で共有することが欠かせませんね。

少種大量生産の交代制で、24h絶え間ない生産を行うような事業所の場合は、
業務引継ぎ時の変化点を「引き継ぎ」により管理することが重要です。

患者さんの命を預かる病院でも、おなじように
「申し送り」という呼び名で、引き継ぎが行われていて、
大切な業務のひとつになっていますね。

今回は、「引き継ぎ」のポイントについて考えてみましょう。

_______________________________


@引継ぎの重要性とは?
A引き継ぎ内容とは?
B引き継ぎ報告の仕方とは?
C引き継ぎ書の運用ポイントとは?

_______________________________



@引継ぎの重要性とは?

引継ぎの目的は、業務の引継ぎの変化点でしっかりと情報共有することです。

業務の引継ぎは、直接、顔と顔をあわせ、
Face to Face の情報共有を行うのが基本ですね。

引き継ぎによる品質確保

そのためには、業務勤務時間を前半グループと後半グループで
オーバーラップさせて、共有の勤務時間を確保することが大切です。

前に生産していた前半グループからの一方向の情報発信だけでなく、

その内容に対して、次の後半グループからの疑問点や不安点を明確にできる
双方向のコミュニケーションの時間を明確に確保することが重要となります。

「情報の送信量の最大化ではなく、受信量の最大化」を目指すことがなにより重要です。
次の考動にうつせる質の高い情報をしっかり伝えましょう。



A引き継ぎ内容とは?

製造現場は、日々、現場でドラマが起きています。
(品質を安定させるためには、ドラマがおきてはいけないのですが…。)

では、どんなことを引き継ぎすればよいでしょうか。


業界によっても重要とする内容はちがいますが、一般に

生産実績となる結果系の工程の生産進捗状況と
生産に影響を与えるばらつき要因 4M1E

の観点から、下記のように考えるのがおすすめです。

・生産進捗状況(生産歩留まりや直行率、生産数量目標の達成状況など)
・現場で発生した特異的な製品の不良問題や課題の状況(Material)
・製造工程の継続的改善や変更状況(Method)
・製品の設備故障やメンテナンス状況(Machine)
・現場での生産工程の欠員や新人教育への対応状況(Man)
・現場の安全に関わる事故などの状況 (Environment)  など

引き継ぎによる品質確保



B引き継ぎ報告の仕方とは?

引き継ぎ報告をする場合は、5W1Hに基づき、

When いつ
Who だれが 
Where どこの工程で 
What なにを 確認して
Why どんな理由で
How どのような 状態 になっているか


という視点で、大切なことを短時間でもれなく伝える必要があります。

発生した重要な問題や課題に対して、
どんな対応を図り、どんな効果があったのか、
また、改善していない場合は、追加でどんなことをする必要があるか、
どんなことに注意を払って、フォローすればよいか、

その現場にいなかった仲間が注意すべきことがわかるように、
引き継ぎ伝達をおこなう必要があります。




C引き継ぎ書の運用ポイントとは?

引継ぎを行う場合、伝えるべき重要事項を限られた時間で伝えきれずに
対応のもれが発生しないように「引き継ぎ書」を用意することも有効です。

引き継ぎによる品質確保


後の勤務者に向けて、傾向的不良の問題や、設備故障・メンテナンスなど
4M1Eの変動状況やトラブル状況を記載して、注意喚起を行います。

伝えるべき情報が工程で明確になっているのであれば、
専用のフォーマットを作成して、だれでももれなく記入しやすくすることも大切ですね。



工場監査では、現場のありのままの状況をみるために、
現場の引継ぎ書をよく確認させていただきますが、

現場の生産者のみなさんが、必要に迫られ、
自主的に作られたノートを活用されている場合が多く、

引継ぎ書の運用方法まで明確になっていない場合が多いように思います。


特に、過去に現場できた出来事を記録しているものの、
発生した問題に対して、どんなアクションをとって是正したかまでは、
記載されていない場合があり、異なるシフトの担当者が迅速な改善を
はかる仕組みになっているか、不明確になっている場合があります。

せっかく記録したトラブル情報なども、仲間と共有して、
改善対応に結びつかなければ、ただの記録になります。

特に、業務分掌されている場合には、、

設備故障にかかわる対応は、生産技術部門、
検査設備の校正や補正を行う対応は、品質保証部門、

といった具合に、他の部門に依頼改善する必要のときは、特に注意が必要ですね。
改善対応がうまくつたっていなかったり、フォローが先送りされないように注意しましょう。

また、引継ぎ書に改善内容まできちんと記録ができていれば、

今後、同様の問題が発生したときの改善策の指針ともなり、
生産ノウハウの蓄積にもなりますので、対策内容を記録するとともに、
定期的にグループリーダーや責任者もチェックし、フォローしておくことも大切ですね。


さらに、工場監査では、現場の引継ぎ書をみると、
読めない字で記載されているものに出会うこともあります。

引き継ぎによる品質確保


だれに読んでもらうのか、
読んでもらうためにはどんな字で書けばよいか、
なんのために記録しているのか、

引き継ぎ書の目的をきちんと理解すれば、そんな字でかくことは、ありえませんね。

そのような企業の引継ぎ書は、うまく機能しておらず、
運用方法について、見直すことが必要になります。




今回は、製造現場での「引き継ぎ」のポイントについてご紹介しましたが、

引き継ぎは、業務上のコミュニケーション手段のひとつです。

引継ぎのためにむだな業務が発生してしまい、
業務の効率がおちたりしないよう、うまく活用してみてくださいね。



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posted by かおる at 20:06| Comment(4) | TrackBack(0) | 変化点管理
この記事へのコメント
こんばんは、かおるさん。
久しぶりの更新ですね。
体調でも崩してましたか?
それとも監査にずっと行ってたのですか?

毎日、更新まだかなぁ・・・と思っていました。
昨日は子供を連れて水族館に行って、あまりの人ごみに疲れ果ててしまって、更新されているのだけ確認して寝てしまいました(笑)。

さて、引き継ぎの件、重要ですね。
大切な内容が引き継がれずに不良品を作り続けていた・・・、今は流石に無いですけど、大昔はたまにありました。
その度に「お前たちは一体どんな引き継ぎをしてるんだー!!」と製造に怒ったこともあります。
かおるさんはこんな経験ありますか?
今回のかおるさんの記事を見て、「あるあるそんな話」と思いました。
私の会社でももう一度、引き継ぎについて見直してみます。

話は変わりますが、今週末から中国に出張に行きます。
初中国です。
しかも顧客の監査対応のためにです。
連日、チェックシートとにらめっこしながら、この項目にはこの資料という具合に振り分ける毎日です。
以前、かおるさんの記事に「監査は健康診断みたいなもの」と書かれていたと記憶しています。
出来ていないことが大切じゃなくて、出来ていないことを改善する姿勢が大切だと。
すごく印象に残っています。
その姿勢で監査に臨みたいと思います。
但し、中国に行くのは不安です。
監査が不安じゃなくて中国での宴会が不安なんです。
聞くところによると中国では乾杯をすると必ずグラスを空けないといけなくて、それをテーブルごとに回って相当な人数としなければいけない。
しかも、バイチュウと呼ばれるアルコール度数40%以上の酒で。
という話を中国出張に行ったメンバーから聞いています。
当然、中国人は強いので日本人は大体撃沈して、会場とトイレの往復をしなければならないという話です。
私は酒に強くないので不安で不安で仕方が無いです。
だから、中国出張を今まで拒み続けて来たのですが、遂に逃れられなくなりました。
どうしたもんですかねぇ・・・。
Posted by QA課代 at 2011年06月20日 23:40
QA課代さん

いつも読んでいただきありがとうございます
品質管理研究所 かおるです。

不良品とのたたかいが始まり、
なかなかタイムリーに更新できておらず、
期待におこたえできるようにがんばります!

中国に監査いかれるということで、
食べ物と飲料水には、気をつけてくださいね。

アルコールは、お口の消毒だとおもって、
ほどほどにして、たのしみたいですね!

Posted by 品質管理研究所 かおる at 2011年06月23日 07:50
こんばんは、かおるさん。

かおるさん程のプロフェッショナルがこれだけ更新出来ない程とは、余程のビックトラブルのようですね。
状況理解しました。
落ち着かれたら、また色々と教えて下さい。

明後日から中国です。
工場勤務なので「あれ持って行って、これ持って行って」と言われ、すでに荷物の1/3が会社の荷物です。
気分は輸入業者です。
Posted by QA課代 at 2011年06月24日 21:37
QA課代さん

こんにちは、品質管理研究所かおるです。

いつも品質管理研究所をみていただき、
ありがとうございます。

みなさんの温かい声に応えられるように
がんばります!

中国への訪問は、荷物をたくさんもたれて、
まさに、輸入業者さんのようですが、
現地の仲間にとっては、サンタさんかもしれませんね。

QA課代さんの今回の監査自体は、
心配なさそうな感じですので、

監査後に、
うまくお客さまと飲みニケーションできるかが
まさにポイントですね!


Posted by 品質管理研究所 かおる at 2011年06月27日 18:34
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