2011年06月03日

逆転発想の輸送梱包とは?

逆転発想の輸送梱包とは? -品質管理研究所-


製品の品質は、設計品質と製造品質にとどまらず、輸送品質も大切な管理項目です。

製品が合格して出荷されれば、ほっとしてしまいがちですが、
製品を輸送する際にも、たくさんの品質問題が潜んでいることを忘れてはなりません。

輸送品質と過剰梱包


製品を適切に運ぶためには、設計や製造プロセスの検証と同時に
梱包仕様(ストレングス)と輸送手段・輸送経路(ストレス)を両面からチェックします。

一般に、お客様に量産品を納入する前には、振動試験、実輸送試験などを通じて、
どんな梱包であれば、お客様や工場まで、問題ない状態で納品できるかを検証します。

特に、こわれやすい製品の場合は、心配になるあまり、これでもかといわんばかりに、
製品がこわれないように、過剰なほど包んで梱包してしまいがちです

実務では、このような検証された強い梱包の場合でも、
輸送不良がおきてしまうことがあるのは、いったいなぜでしょうか。

輸送品質と過剰梱包


そんな輸送不良の多くでは、通常の振動などの運搬上の不良ではなく、

搬送工程での人為的な不良による問題によって、
品質問題が引き起こされていることが多いものです。

荷物の運び方やおき方、フォークリフトでの取り扱いなど、
当前ともいえる基本動作のなかでの人為的なミスです。


なぜ、大切な製品への取り扱いが、荒くなってしまうのでしょうか。

製品を覆い隠す過剰な梱包荷姿は、
少しくらいの手荒な取り扱いは大丈夫という過信をうむもとです。

運搬物が、どんなものかは認識できますが、
中に入っている製品を現物として見ることができず、
製品ごとに、どれだけ丁寧にとりあつかわなければならないかも、
区別して理解することはむずかしいでしょう。

輸送品質と過剰梱包

そこで、外から一部でも目視確認できるような簡易な梱包構造にし、
モノを扱う人間のこころに影響を与える工夫をもたせるような梱包に工夫することもできます。

こわれないように、こわれないようにと、梱包を過剰にする気持ちを少しだけ抑え、
「見える化梱包」も、ひとつの方法といえます。

あえて、梱包を簡易にして、梱包内部の製品外観を見えるようにすることで、
運搬者へのの気づきの機会をつくることが、輸送品質向上につながることもあります。


「注意しなければこわれてしまうかもしれない!!」

という思いを自発的に起こさせる、
そんな梱包が、輸送不良の低減のヒントになるのではないでしょうか。

輸送試験に合格するための適切な強度をもった梱包仕様になるように、
厳しくチェックすることは、最低限必要なことですが、

モノを運んでくれるのは、「ヒト」、

そんな運ぶ「ヒト」の心にも響く、梱包にすることが、輸送品質の向上につながるのではないでしょうかひらめき


【関連記事】
16事例で学ぶ!梱包不良
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何をする?SCM!
posted by かおる at 22:05| Comment(4) | TrackBack(0) | 輸送品質
この記事へのコメント
こんにちは、かおるさん。
輸送品質は大事ですよね。
自社での検査はパスしたのに、顧客に届いたら製品が破損していた・・・経験あります。
輸送業者さんによってクレーム発生時の対応はすごく違いますね。

私の経験では
@FW社
ASK社
BKY社
の順で対応が良かったです。

対応の良さと輸送品質は比例関係な気がします。
トラブルの少ないのも上記の順です。
昔はKY社が一番輸送品質良かったんですけど、時代の流れと共に悪化していきましたね。
今では私の会社はどんどんKY社を閉め出しています。
輸送トラブルは大体お金で解決出来るんですけど、自分が検査製品が潰されて複雑な心境になります。
Posted by QA課代 at 2011年06月05日 14:19
QA課代さま

こんにちは、
品質管理研究所 かおるです。

輸送品質で、
やっぱり各社差がありますよね。

なまなましい情報ですね(汗)。


企業別の輸送品質の違いはもちろん、

昔と今での輸送品質の差、
地域の事業所での差もあるように感じます。

わたしも、多くの取引先さんから
どこの輸送業者さんの輸送品質がわるいか、
よく教えていただいています。

大切につくりあげた製品が、
輸送上で破損してしまい、
お客さんにご迷惑をかけるようなことがあっては、
ものづくりの努力が、水の泡になってしまうため
工場監査でもチェックするポイントになっています。

QA課代さんのおっしゃるとおり、
実務上、多くの場合、お金で解決されますが、

お客さんの信用は、
お金にはかえがたいものなので、
輸送問題が発生しないように未然に対処したいところですね。

まして、自分が検査して
自信をもって送り出した製品が
こわされてしまうとなれば、
悲しくてしかたありませんね・・・。

輸送も、
ものづくりの重要工程のひとつとして、
品質管理の対象からもれないようにしたいですね。








Posted by 品質管理研究所 かおる at 2011年06月05日 16:00
かおるさん。始めまして。
いつもすごく関心しながら拝見しております。また、非常に参考になるため、利用させて頂いております。

早速ですが、現在弊社でも輸送問題が後を絶たず、非常に困っております。輸送業者を異常報告の度に呼び出しても全く効果がありません。それはなぜかというと、輸送には中継というものがあり、ドライバーが変更になってしまうため、必ず同じドライバーではないためです。弊社の製品は全てパレット輸送で、上部に他のものを載せられないような工夫をしていても、載せられて変形してしまいますし、イタチごっこが続いております。輸送業者もあまりに厳しく言っていると、当社の荷物は運びません。といわれるし・・・困りますね。

色々検討した結果、変形の発生させないような梱包等にするというように予防を昨日より実施するようにしました。費用は大きくかかっていますが、客先に良品を届けるまでが、当社の仕事で有るということを1年半言い続け、上層部がやっと許可してくれました。

これからも、負けない製品、梱包方法を模索しながら、日々勉強であると思い、頑張ります。

素晴らしいこちらのサイトもずっと利用させて頂きますので、これからも宜しくお願い致します。

中小企業 品証課長でした。
Posted by AYU課長 at 2012年06月13日 19:19
AYU課長さま

はじめまして、
品質管理研究所 かおるです。

品質管理研究所をご覧頂きありがとうございます。

AYU課長さんは、輸送問題を通じて、改善された梱包がデビューし、
今後の改善結果の確認が、楽しみですね。

輸送も含めた上での製品品質を考えておくことは、大切ですね。

せっかく品質の高い製品をつくっても、

輸送で変形や破損してしまえば、
高い品質の製品をつくるためにそそいだ努力も水の泡になってしまうので、
検査後の輸送工程も、製造者のひとつの責任ある工程と考える姿勢がすばらしいですね。

改善を要望していると運送業者さんが、
荷物を運んでくれなくなる状況が現実になると、さすがに困りますが・・・、

梱包問題は、輸送業者さんの取扱い方や運搬方法によっても差がでるので、
良い梱包にしても、なお、改善が見られない場合は、
他の輸送業者さんの力をかりることも含め、検討するとよいかもしれませんね。

長年お付き合いしている地域の輸送業者さんとの信頼関係もありますが、

新たな輸送業者さんに相見積もりをとると、
品質面で向上することはもちろん、低価格でコストダウンにつながることもあります。

『災い転じて福となす』ではありませんが、
さまざまな問題をきっかけに、
小さな気づきや幸せもみつけられるとうれしいですね。

わたしも日々失敗を通じて学んだことを少しでも、
みなさんにご紹介できればと思っておりますので、
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


品質管理研究所 かおる
Posted by 品質管理研究所 かおる at 2012年06月14日 00:39
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