品質の高い製品をつくるためには、
どんな環境で製品をつくるかがたいへん重要ですね。
倉庫や製造環境の温度と湿度の変動は、
製品を構成する部品、仕掛品、最終製品の劣化や
作業者への労働状態に影響を与え、
ばらつきの要因となる重要管理項目です。
その温度・湿度管理のためのお役立ちツールが、
『温度・湿度管理チェックシート』です。
今回、皆さんのご理解の助けとなるよう、百聞は一見にしかず、
温度・湿度管理チェックシート(サンプル)について下記をまずはご参考に!
■ 温湿度管理チェックシート

※Excel版のチェックシートフォーマットは、末尾で無料ダウンロードできますのでご参考に!
チェックシートは、QC7つ道具の中でもおすすめのツールで、
今回は、その実践例といってもよいでしょう。
『温度・湿度管理チェックシート』は、
どこの工場でも、現場に張られて使用されてはいますが、
その重要性について、十分理解されないまま現場の担当者さんが、記録されており、
工場監査時に不備が多くみられる確認記録のひとつといってもよいかもしれません。
そこで、『温度・湿度管理チェックシート』の本質的な役割について考えてみましょう。
【温度・湿度を記録する目的】
@Material:
材料、仕掛品、製品が、基準温度・基準湿度の環境に適合していることを管理し、
品質劣化を防ぐため。
(例) 水分に弱い特殊な液体では、窒素などで劣化防止用のガスで封入されていて、
開封後、大気とふれて水分を吸収し、劣化することで機能が損なわれることがあります。
AMethod:
材料、製品の受入れ不良、工程内不良、市場不良が発生した際のひとつの要因として、
原因追求できるようにしておくため。
(例)シート状の製品の場合、冬場で湿度が下がり、静電気が発生することで、
製品自体は劣化しなくても、異物が吸着されやすくなったりします。
また、シート状の製品同士がくっつく問題も発生することがあります。
BMachine:
機械の劣化による製造ばらつき、機械の故障を防止するため。
(例)温度を管理する設備では、外気温度の影響により冷却状態が変化して、
製品特性のばらつき要因となります。
(例)内温と外温の差により水滴が付着して、設備故障の要因となることもあります。
CMan:
作業者の作業性の向上、体調維持管理のため。
(例)作業者が、夏場の高温高湿環境で作業すると汗が飛び散り、梱包材や
取り扱い説明書に汗の跡が残ったりします。作業性も悪くなるため注意が必要です。
(例)高温の金属やガラスを溶かす炉などを持つ企業では、
工場内の温度を下げることが難しい場合もあり、
そのような場合は休憩頻度を定め、水分の補給、塩分の補給など徹底した
作業者への体調管理を行うことが求められます。
今回は、この温度・湿度管理チェックシートを、
無料でダウンロード(Excel)できるようにいたしましたので、
ご参考にしていただければと思います。
ぜひ、皆様の会社にあった形で、アレンジして活用いただければ幸いです。
■ 無料のダウンロードはこちらからです!
【温度・湿度管理チェックシート(無料ダウンロード)】
上記の温度・湿度管理チェックシートのフォーマットをExcel版で
ダウンロードできるようにしましたので、下記をクリックして、
ご自由にアレンジして活用してくださいね!


【ワンポイントレッスン】
@使いたい年月に修正してください。自動で日付、曜日が変わります。
A測定対象となる工場と測定場所を記載してくださいね。
B社内の温度と湿度の基準を記載してくださいね。
C温度と湿度のチャートに基準となるラインを実線で修正してください。
【使い方】
@温度と湿度の記録
毎日定められた時間に校正された温湿度計で測定し、温度と湿度の数値を記録します。
※ポイント 1日の測定時間、測定頻度など管理すべき対象により設定することが大切です。
Aチャート打点とチェック
記録した値をチャートに打点し、前日打点した点とむすび、範囲内に入っていること、ならびに変動を確認します。
※ポイント 傾向値管理を行うことで未然に以上を防ぐことが大切です。
Bサインと確認 確認した人が名前を記入し、異常があればリーダーにすぐ連絡をとるなど対応をとります。
※ポイント 毎日同じ作業をしていると、記録をすること自体が目的になりやすいので注意が必要です。
C承認と保管
毎月、管理状況を、リーダーへ報告、承認をとり、社内の文書保管期間に沿って保管を行います。
※ポイント 記録していることが目的化しないように、管理者が責任をもってみることが必要ですね。
今回は、温度・湿度環境を管理するチェックシートをご紹介しましたが、
日々の品質管理のため、ご参考になるところがすこしでもあれば、うれしい限りです

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