ものづくりを通じて、
わたしたちが手塩にかけて、つくりあげた製品は、
『わが子のようにかわいいもの』です。
かわいいわが子のような『製品』に対して、
子供を見守る親のように愛情をもって接し、
何をすべきか考えることが良い製品を
うみだすことにつながるのではないでしょうか。

ときに、こどもは、風邪をひいてしまいます

わが子(製品)が風邪を引いた場合(不良が発生した場合)
常日頃、わたしたちは、どのようなことをしているか、ふりかえることで、
品質改善のために何をすればよいか類推してみましょう。
常日頃、おとうさん、おかあさん、おじいちゃん、おばあちゃん、家族は、
こども達の健康状態を気にかけています。
せきをしはじめたり、具合がわるそうな気配をみて、
熱がありそうなときは、こどものおでこに手をあてて、発熱の状態をみます。
比較するために、親が、健康な自身のおでこに手をあてて、体温を比較します。
正確な体温をはかるためには、体温計を使い、測定し、
〇〇℃というように健康時の体温と比較して、現状の健康状態を把握します。

安静休養し、睡眠をとって、必要に応じて、
薬をのんだり、お医者さんにかけこんだりすることもあるでしょう。
かぜがなおったかを確認するためには、体調をみて、体温をはかって確認します。
かぜがなおっても、またぶり返すおそれがあるため、
できるだけ安静をとって、いつも以上に注意しますね。
外へでたときは、手洗い、うがいをより念入りにするようになります。
兄弟がいれば、症状が直接おこっていない弟や妹などにも注意をうながして
より気をつけるようになります。
以上の行動は、私達が常日頃当たり前にとっている行動ですね

同じように、このような日常行動は、ものづくりにもあてはめて考えることができます。
製品の品質改善においても、このような行動があたり前のようにできているでしょうか。
製造工程においては、
わが子である製品の健康状態を日頃から自分の目でみて、
異常な気配がないかを気にかけます。
直感的に、おでこに手をあてるように、
現場の異常に体感的にきがつくことが
症状を悪化させないためにも大切なことです。
その直感をうらづけるためにも、現場で、現物をみて、
現実をさらに詳しく診ることも必要です。
体温計のような検査機器を使い、検査を行い、
製品の品質状態を定量的に確認することも必要です。
問題となった症状があきらかになれば、その原因をすぐに追究します。
おなかが痛いという症状であれば、
・かぜでおなかが緩くなる。
・食あたりによりお腹をこわす。
・盲腸でお腹の特定部分がいたむ。
など、さまざまな要因の中から、
本質的な原因を推測していく必要があります。
症状によっては、盲腸のようにすぐに直さなければ、
手遅れになってしまうものもあります。
赤ちゃんのように小さい頃(初期製品)であれば、
より症状も悪化しやすくなるので、より注意が必要です。
製品を注意観察して、迅速に対応することが求められます。
特に、製造現場では、4M1Eの視点から現場をみることがポインとです。
・適切な教育をうけた人材(Man)が、
・適切な環境(Environment)で
・適切に管理された機械(Machine)で
・適切な状態の原材料や部品(Material)を使い、
・適切な製造方法(Method)で生産していたかを確認します。
原因が特定できない場合は、
お医者さんのような社内の知見のあるベテランや
社外コンサルタントなどの専門化の力を借りたりして、
早急に改善をはかることも必要になります。
そして、いったん症状が回復したとしても、また、すぐに
再発するおそれがあるので、製品の状態を初期流動期間として、
一定期間しっかりと診ることが必要になります。
その後は、予防のため、手洗い、うがいなど、
常日頃の日常管理を厳しくして、注意をうながします。
兄弟がいる場合のように、
複数の製造ラインや類似機種を生産している場合には、
同じ症状が発生しなように同様の対策の水平展開を行い、予防処置を徹底します。
このように、品質改善で困ったときは、
わたしたちの身近な生活に置き換えて、考えてみれば、
自然と何をすればよいのか見つかるのではないでしょうか。
悩んだときこそ、むずかしく考えず、
シンプルな方法で対応してみてるのもよいのではないでしょうか

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ご無沙汰してます。
かおるさんの仰る通り「製品は我が子」です。
とてもこの言葉に共感出来ます。
この意識を持って生産に携わることが非常に大事ですね。
いつもコメント頂き、ありがとうございます。
QA係長さまが共感してくださったとおり、
製品に対する『わが子』の意識は、大切にしたいですね。
他の企業へ工場監査へいった際にも、
『この子は〜なんです』とうれしそうに
言ってくださる設計者、生産責任者の方がたまにおられます。
そんな方々がおられる工場での
製品の設計の作りこみや品質管理は、
やはりしっかりされておられます。
外からは変えにくい製品に対する
意識(思い入れ)の差は、製品の品質の差にも、
あらわれてくるのかもしれませんね。
品質管理研究所 かおる