2011年01月31日

やってはいけない『3S』とは?

やってはいけない『3S』とは? - 品質管理研究所 -


みなさんも良くご存知の通常の『3S』は、

@S Seiri:整理
AS Seiton:整頓
BS Seisou:清掃

ですね。

この3Sは、製造業でどこの企業も基本活動として、
推進されているので良く知られています。

しかし、製造業で、やってはいけない『3S』もあるということです。

今回は、ある製造メーカーの経営者さんに教えて頂いたキーワードをご紹介します。


『やってはいけない3S』

@ S Sakiokuri:先送り
A S Shison:仕損
B S Shikakari:仕掛り

経営上、大切なキーワードです。

先送りと仕事品質


@Sakiokuri:先送り

 現場では、日々さまざまな問題が発生しています。
問題の対策の先送りするなど、意思決定をせずに問題を放置しておくことは、
問題を肥大化させ、問題の根本的な解決を遅らせてしまいます。

製品の品質を高める上で、企業経営者としての意思決定はもちろんのこと、
意思決定にもとづき、現場で適切な行動をすばやくとることがやはり大切ですね。


AShison:仕損

 現場で発生する仕損は、工程不良品です。

 工程不良品(Quality)の発生は、製品の原価(Cost)を押し上げ、
工程内の生産効率を低下させ、より多くの稼働時間がむだに消費されることになります。

購入した不良部品をくみこむことで発生する部材起因不良や
自社の加工で発生した加工起因不良など、

仕損が発生しないような事前の部材メーカーへの品質管理や
自社の工程品質のつくりこみが大切ですね。


仕損の発生ポイントとして、三ム(ムリ、ムダ、ムラ)に着目して、
改善することがおすすめです。

例)ムリ: ムリな作業、ムリな置き場 など
例)ムダ: ムダなうごき、ムダな仕掛品 など
例)ムラ: ムラのある動き、ムラのある教育、ムラのあるデータ など


BShikakari:仕掛り

 仕掛りは、加工工程途中のつくりかけの製品のことです。

 製造業での製品でも、新鮮な『生もの』だとおもって、
途中で仕掛品として、滞留させずに、鮮度を保てるように生産できるように
生産バランスを管理することが大切です。

工程中で仕掛品が発生しているということは、
全体の工程の生産速度のバランスが崩れていて、
生産速度が速い工程でムダに多く作って、遅い工程の前でたまっていることになります。

工程内では仕掛品がたまることで、保管場所も膨らみ、
一部のボトルネック工程ではフル生産対応をせざるをえない、
人間でいえば、いわば、メタボリックな状態に陥ってしまっています。


このような場合は、製造工程では、下記のような取り組みが必要ですね。

・ボトルネック工程に合わせて、他工程の生産を調整する
・ボトルネック工程自身の生産効率をUPさせて、生産性を向上させる
・仕掛品の色別管理、識別管理、置き場管理を明確にしてムダを削減する


さらに、類似の製品を厚みの違いなどでお客様の要望にあわせて、
多種類生産するなどの対応が求められる場合など、

お客様からの発注情報にもとづく綿密な生産計画の立案で、
ムリな生産にならないような事前の調整が必要ですので、

・営業部門と製造部門との製販会議、変更に関わる連絡などの密な連携が必要ですね。

ある企業さんでは、営業と工場側の連携を強化させるために、定期的に担当する製品を扱う
営業さんが一緒に生産現場を清掃して、コミュニケーションを図るようにして、
日頃から密な関係を築けるようにするなど、その重要性を認識された活動を推進されています。


今回は、製造業ではやってはいけない『3S』について、ご紹介しました。

経営的な視点から『工場での問題点を見つける切り口』として、
ご参考になれば幸いですひらめき


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posted by かおる at 00:03| Comment(2) | TrackBack(0) | 品質改善
この記事へのコメント
初めまして。
初書き込みします。
「やってはいけない3S」は聞けば当り前の話ですが、自分の会社で出来ているかと言われれば、出来てないです。
この考え方はまさにトヨタ生産方式の考え方ですよね?
ところで過去の記事も見させてもらいましたが、「なるほどね」と思う点が多くて勉強になります。
私事にはなりますが、私の務める会社は品質に精通した人が基本的にいません。
やっと1年程前に航空宇宙業界で品質管理業務に就かれていた方が会社に入ってこられました。
特にISOの考え方に精通された方でした。
その方は定年されて私の会社に入ってこられましたので、元々、長く私の会社にはいられません。
そういう事情がありましたが、その少ない時間の中でも色々と吸収しようと思っていました。
しかし、先月、経営陣との考え方が合わず、突然退職されることになりました。
私にとってはショッキングな出来事でした。
やっと教えを請える方が見つかったと思っていたのに。
そんな状況でこれからどうやって品質について勉強しようかと考えていたときに、たまたまインターネットで検索をかけたら「品質管理研究所」を見つけました。
この出会いに運命を感じました(大げさですが)。
これからも色々と品質について教えて下さい。
Posted by QA係長 at 2011年02月08日 22:18
QA係長様

はじめまして
品質管理研究所のかおるです。

コメントいただき、ありがとうございます。

やってはいけない3Sは、
カイゼンの思想にあてはまり、

どの企業においても
大切な視点になるのではないかと思い、
今回ご紹介させていただきました。

QA係長さまの会社では、
ベテランの品質のプロフェッショナルが
会社をさられて、

勉強の機会がへったなかで

QA係長様自身、
これから自主的に勉強される意欲を持っておられ、

品質管理研究所も、
よりお役に立てる現場の生きた情報を
お届けできればとあらためて感じた次第です。

今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。


品質管理研究所 かおる

Posted by 品質管理研究所 かおる at 2011年02月10日 19:55
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