2011年01月15日

何をかく?QC工程表!

何をかく?QC工程表!
(2011年1月15日)品質管理研究所


今回は、品質管理の業務でよく相談をうける
QC工程表の書き方、内容について、ご紹介したいと思います。

まずは、QC工程表(QC工程図)の例をご紹介します!

■QC工程表のフォーマット

QC工程表(見本図)


■QC工程図のフォーマット(Excel)

上記のQC工程図のフォーマットをExcel版でダウンロードできるようにしましたので、下記をクリックして、ご自由にアレンジして活用してくださいね! 

ひらめき QC工程表(例)



わたしたちがつくりこむ品質は、大きく分けて、

@製品の設計品質 と、A製品をつくりこむ工程品質
にわけることができます。


品質の高い製品をつくるためには、

まず、お客様の望む製品の要求仕様を明確にして、

後工程の製造工程を考慮したうえで、

@製品設計とその設計を実現するためのA工程の作りこみが必要です。

@設計品質を上げるためには、

お客様の要求事項、製品コンセプトに基づき、
社内の設計基準や類似品種の過去の市場不良データをもとに、
品質問題がおきないような設計に落とし込んでいく必要があります。

また、A工程品質を上げるためには、

前工程での設計思想を理解し、
お客様が望む品位を考慮した、製造工程を作り上げていく必要があります。


今回は、このAの工程品質を確保するための手段として、
『QC工程表の作り方』について、具体的にご紹介していきます。



上記に示したExcelダウンロードフォーマットに記載している
QC工程図に記載されている項目について下記で順番に確認していきましょう。



(1) 製品名(仕向け先)
QC工程図は、それぞれのお客様の製品ごとに作成しますので、
特定の製品名、仕向け先となる製品名を記載しましょう。

(2)製品No
製品工程を管理するための識別のため、
社内管理製品Noや顧客製品の仕様書のNoを記載しましょう。

(3)対象工場
生産する工場名を記載しましょう。

途中の工程を外注生産して、自社以外の工場で生産されている場合は、
お客様にわかるように記載、説明することが必要です。

(4)対象ライン
生産ラインの概要(生産ライン名称、特徴)も明記しましょう。

たとえば、

RoHS規制に伴い、無鉛半田の製品を要望されるような家電製品の場合などは、
製品に鉛Pbが含まれないようにするために、

鉛Pbを含まない無鉛はんだを使用する工程設備と
鉛Pbを含有した有鉛はんだを使用する工程設備を明確にわける必要があり、

ラインの特徴として、無鉛工程であることを明記することも必要でしょう。

実務上では、無鉛ラインで使用する生産設備、はんだをいれる容器や攪拌ベらなど
を色別管理することはもちろん、生産する階をわけて、

有鉛、無鉛を識別している場合もあります。
それだけ、しっかり管理しなければ混同してしまう恐れがあるということです。

ですから、QC工程表にもきちんと対象ライン、特徴を明記し、
社内の生産管理上、そして、お客様を安心させることができるように表記することが大切ですね。

(5)文書番号
文書番号は、社内管理番号をつけて、どのお客様のどの製品をつくるとき、
どのQC工程表にしたがうのかきちんと紐付けできるように番号をつけましょう。

(6)作成日
QC工程表を作成した日を明記しましょう。

(7)改定日
QC工程表を改定するということは、品質に影響のある4M1Eの重要な工程変更であり、
きちんと管理するために改定日の記録をきちんと残しましょう。

(8)版数
工程をどれだけ変更して、版をかさねたかを管理しましょう。

(9)改定履歴
改定した版数に基づき、改定年月日、改定内容、改定した部門、氏名を記載して、
改定履歴を管理しましょう。

(10)備考欄
特別な顧客要求事項など、特別に管理しなければならなければならないことなど、
備考欄に記載しましょう。

もちろん本当に大切なことは、別途工程でも管理することが大切ですが、
生産現場にしっかりと伝えるためにもQC工程表に記載しておくことは大切です。

たとえば、文書管理の保管期間は、顧客の製品の保証期間に依存している側面があります。

核エネルギーを活用する原子力発電所など厳密な管理を必要とするお客様であれば、
既存の製品と違い、長期間の品質関連文書の保管が必要という話もきいたことがあります。

そんな注意事項を記録しておき、担当がかわった際も組織として引き継がれるようにしましょう。

(11)作成・確認・承認 捺印
QC工程図が作成できたら、作成者、確認者、承認者の捺印をして
正式な文書として、関連部門に通達しましょう。

(12)工程番号
部材の受け入れから、製品の加工、出荷梱包にいたるまでの一連の製造工程を
通し番号をつけて確認するために、順に番号をふって管理しましょう。

(13)工程記号
日本工業規格であるJIS Z8206(Japanese Industrial Standard)に
工程記号が紹介されていますのでこちらをご参考にして、記入してみてください。

■ QC工程図記号について

QC工程表図記号(図)

実務上では、社外の方に簡略化して説明するために、
工程中の『運搬記号о』や『滞留記号D』は、記載しない傾向があり、
特に、加工○、数量検査□、品質検査◇、貯蔵▽の記号を記入することが多いように思います。


(14)工程名
部材受入、保管、〜加工、〜加工、・・、中間検査、〜加工、・・出荷検査、梱包、出荷
とった一連の工程名をもれなく、だぶりなく記載しましょう。

特に加工設備が異なる場合は、異なる工程として分離して記載することが大切です。

実務上では、実際の工程で、どこからどこまでが、QC工程図のどの工程にあてはまるのか
区分けすることが大切ですので、工程中には、それぞれの工程の天井から、看板を
つるして、明示するなどするのがおすすめですね。

(15)設備名称
工程で使用される生産設備や検査設備をもれなく記載します。

たとえば、同じ加工をできる設備が複数あっても、特定顧客の品質要求を満たすために
特定の設備でなければ、製造してはいけないなどの制約がある場合もありますので、
特定の設備ということが識別できるような明記をしましょう。

(16)管理部門
管理部門は、上記の工程設備を管理する責任をもっている管理部門名を記載します。

たとえば、部材の受入れ、検査工程では、
資材部、購買部、品質保証部検査課などが記載されます。

また、工程加工工程では、
工程上の製造品質を確保するのは、生産者である部門ですので、一般的には、
生産部〇〇課、製造部門〇〇課、生産技術部などが記載されます。

さらに、検査工程では、製造部門と異なる所属である
品質保証部検査課などが記載されます。

管理者を明確にすることは、工程に対する責任関係を明確化し、
問題が発生しないようにするとともに、問題発生時の対応を迅速に行う上でも大切です。

(17)管理項目
管理項目には、
@『生産設備の管理項目』とA『製品の品質特性項目』という2つの意味があります。

2つをわけて記載するQC工程表もありますが、今回ご紹介したExcelのQC工程表は、
まとめて管理項目としていますので、

管理すべき生産管理項目と品質特性項目をもれなく記載しましょう。

<管理特性と管理基準>
管理項目は、管理特性と管理基準に分けられます。

管理特性は、生産管理項目、品質特性項目を具体的に記載します。
たとえば、

【生産管理項目】 圧力   【管理基準】 〇.〇Mpa ± 〇.〇Mpa
【品質管理項目】 寸法   【管理基準】 〇〇.〇 ± 〇.〇 mm × 〇.〇 ± 〇.〇 mm

お客様の要求事項を満たすために設定した基準であり、
製造上の守るべき基準、そして、きちんと守ったことによってできた製品の品質基準を明確化する
ことが大切ですね。許容範囲を作ると共に、生産・検査のばらつきを考慮して、

お客様の要望する基準よりも高い工程内自主基準で管理基準を設定することがおすすめですね。

(18)管理方法
生産管理項目と品質管理項目を具体的に管理する方法を明記することが大切です。
測定方法、測定頻度 測定者、責任者を明確にしましょう。

<測定方法>
製造工程の管理項目を測定する具体的な方法を記載します。

たとえば、品質管理項目を確認する検査工程であれば、
目視検査や外観自動検査など具体的な概要がわかるように記載することが必要です。

検査の場合はJIS 〇〇 △△試験 など明記して紐付けできますし、
自社独自の手法の場合はその旨明記して、作業手順書と紐付けできるようにしておく
ことが必要ですね。

<測定頻度>
検査や測定を実施する頻度をあらかじめきめておくことが必要です。

測定する頻度は、

『ロット毎』『納入毎』『出荷毎』『1時間毎』『シフト切替毎』『全数』など

製品の品質上の重要性に応じて、効率よく品質を管理できる条件で
設定することが大切です。

一般に、抜き取り検査の基準としては、
AQL(Acceptable Quality Level)を活用している企業もあります。

AQL(エーキューエル)は、アメリカの軍需部品調達基準から端を発し、
現在、日本工業規格 JISZ9015にも規定されている方法で、
設定した検査レベルと生産量から抜き取り数を決定し、合否判定を客観的に行う指標です。

生産個数に応じて、抜き取り数をかえるなど抜き取り表を確認しなければならず、
煩雑なイメージがあり、現場の効率性から実務上では自社設定基準の検査頻度で
実施しているほうが多いようです。

抜き取り検査基準はこちらをご確認してみてくださいね!

日本工業標準調査会 HPより

◆JISZ9015-0
計数値検査に対する抜取検査手順−第0部:JIS Z 9015抜取検査システム序論
Sampling procedures for inspection by attributes−Part 0 : Introduction to the JIS Z 9015 attribute sampling system

◆JISZ9015-1
計数値検査に対する抜取検査手順−第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式
Sampling procedures for inspection by attributes-Part 1:Sampling schemes indexed by acceptance quality limit (AQL) for lot-by-lot inspection

検査と同様に、製造工程の管理についてもおなじように頻度をきめて管理しましょう。


<測定者>
測定者は、実際に測定して、記録をする部門や課、役職(担当)を明記しましょう。

個人の担当者の指名を記入するのではなく、組織として、どの部者どのレベルの人材にまかせて、
確認するかを見える化しましょう。

現場の人材に権限を委譲することは、効率よく業務を行うだけでなく、
現場のやる気をひきだすためにも大切なことです。

<責任者>
測定者に権限を委譲し、現場で管理する責任をもつ上長などの役職を明記しましょう。

一般的には、〇〇課課長、係長など上位の役所が最終的な責任をもつということになりますね。

実務上では、チェックシートにより記載された管理項目と基準、そして、測定結果にもとづき、
最終的にはこの責任者が合否判定欄に最終承認印やサインをして、確認している企業が多いですね。


(19)記録
上記の管理項目を記録するための工程管理票やチェックシートなどを具体的に記載します。
単に名称だけでなく、Noを記載して、その記録用紙に紐付けすることが必要です。

何か問題が発生した場合は、このような品質記録に基づいて、
原因を調査したりすることになりますので各工程で品質上管理すべき項目が、
この記録用紙に網羅されていることを量産前に確認しておくことが大切ですね。

(20)異常時の処置
工程中で不良製品が発生したときの対応など
異常時の具体的な処置をあらかじめきめておくことが大切です。

・受入れ部材の不良であれば、『部材メーカーに連絡』
・製造工程での問題であれば、『製造管理責任者(課長など)に連絡』『不良置き場に一時保管』など
・検査での不良であれば、『品質管理責任者に連絡』

など実務担当者が判断や対応に迷わないようにすることが大切ですね。

(21)引用規格・関連文書
製造や検査などの具体的な作業手順書の名称とNoを記載して紐付けできるようにしましょう。

例) 〇〇作業手順書 No〇〇〇−〇〇など

単に作業手順書名を記載するだけでなく、第三者がみても、
すぐに具体的な手順が紐付けできるように作業手順書Noを記載することが重要なポイントです。

QC工程表を正しく運用していない企業においては、
Noが記載されていないことが多い傾向にあります。
QC工程表は、お客様に要望されてつくる一面もありますが、

自社の工程品質の作りこみ状況を一覧表にして、管理のもれやだぶりがないか、
きちんと品質を保証できる工程になっているか自主的に確認するために必要な
ツールだということをわすれないでくださいねひらめき

(22)備考
備考欄には、その他の補足事項を記載しましょう。




以上、QC工程表の各項目について、確認してきましたが、

すこしでも参考になることがあれば幸いです!


【関連記事】
『QC工程表』って何?
QC工程表の作り方とは?
作業手順書の作り方とは?
品質管理研究所サイトマップ
posted by かおる at 17:41| Comment(2) | TrackBack(0) | QC工程図
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