2011年01月03日

ものづくりの基本の『5S』とは?

ものづくりの基本の『5S』とは? -品質管理研究所-


『5S』とは、何でしょうか?

今回は、ものづくりの基本である『5S』について、
一緒に考えてみましょう。

5S


_______________________________



『5S』について

(1)『5S』とは?

(2)『5S』の意味は?
   @整理(Seiri)
   A整頓(Seiton)
   B清掃(Seisou)
   C清潔(Seiketu)
   D躾(Situke)

(3)『5S』の目的とは?
   @5Sの目的
   A5S活動のメリット
   B『ヨガ哲学』に学ぶ『5S』の副次的効果

(4)『5S』の活動を成功させるためには?
   @経営者が火をつける!5S!
   A具体的に何をする?5S!
    1)経営者が5Sを実践!
    2)現場責任者と現場周り(工程パトロール)の実践!
    3)5Sのしかけづくり!
   B工場監査員の視点での社外の5S活動改善とは?

_______________________________



(1)『5S』とは?

『5S』とは、『整理(Seiri)、整頓(Seiton)、清掃(Seisou)、清潔(Seiketu)、躾(Situke)』です。

5つの基本活動のローマ字読みの頭文字をとって、『5S』といいます。

日本生まれの改善の基本活動ですね。

製造業においての活動が、いまや、小売業、サービス業、医療、
などの他の産業分野でも広がっている優れた活動ですので、

品質管理に関わる方だけでなく、社会人の常識として、
理解しておいていただきたい考え方のひとつですね。


優れた改善といえる理由は、

『5S』が、設備投資などの多大な費用をかけずに、
だれもが簡単に取り組める活動
でありながら、

長期的な企業の経営体質の改善にあたえる効果が
非常に大きいということではないでしょうか。


もちろん、うまく企業で実施できれば・・・の話ですが。

なかなか『5S』を理解していても、
実践で徹底しきれていない企業さんが多く見られるのが現実です。


それでは、『5S』とは何か、どうすれば、『5S』がうまくいくのか、具体的に考えてみましょう。


(2)『5S』の意味は?

『5S』について、それぞれ具体的にその意味について考えてみましょう。

@整理(Seiri) 
 必要なものと必要でないものをわけて、いらないものを捨てること。

 つかわないものを、いつかは使うのではと思って、倉庫に残してしまいがちですが、
必要なものと必要でないものをルールをきめて、気持ちよくすてましょう。
年に一度の大掃除だけが捨てる機会ではありません。

A整頓(Seiton)
 必要なものをきめられた場所におき、いつでもとりだしやすいようにすること。

 そのためには、つかいおわったときに元の位置に収めやすいように識別して、
順序良く保管できるようにすることが大切ですね。

B清掃(Seisou)
 掃除をして、汚れをとり、きれいな状態にすること。
 
 汚れをふくめた異常な状態をとりのぞくことで、現場での汚れだけでなく、
問題点をみつけやすくすることがねらいですね。

C清潔(Seiketu)
 整理・整頓・清掃した活動を維持し、その良い状態を継続的に維持向上させること。

 @整理、A整頓、B清掃は、三位一体の活動であり、

清潔はこの活動を維持し、第三者からみても、きれいな状態であることを保ち、
次に目に見えにくい業務の問題にきづき、見つけていく段階ですね。

D躾(Situke)
 きめられたルールや手順をきめられたとおりに行えるように、習慣づけること。

 だれかにいわれなくても、自主的に実施できる良い状態ですね。
 躾がしっかりできれば、現場での目に見える問題点を改善するだけでなく、
目に見えにくい業務上の問題にも着目して、組織で解決していける5Sの最終段階ですね。

 5Sは、日本の小学校の義務教育の中で、日常から6年間も日頃から実践し、
染み付いている基本活動のはずです。

もちろん学校だけでなく、家庭でもうまれたときから、教育をうけてきたはずですね。

小学校のときを思い出してみてください、思い当たるところがあるのではないでしょうか。


(3)『5S』の目的とは?

@5Sの目的

『5S』の目的とは、いったいなんでしょうか?

『5S』の目的は、組織としての業務の3ム(むだ、むり、むら)をなくすことであり、
その改善活動を通じて、組織に活力を与えることです。

A5S活動のメリット

組織で、『5S』を継続的に実施できれば、

職場環境の改善、職場の安全性向上、改善意識の向上、業務効率の向上、
従業員のモベーション向上、製品品質の改善、経費の削減、納期改善など

さまざまな効果が期待できます。

B『ヨガ哲学』に学ぶ『5S』の副次的効果

たとえば、5Sの基本である、『整理(捨てる)』という行動は、
ヨガの哲学で、『断行(だんぎょう)・捨行(しゃぎょう)・離行(りぎょう)』
あてはめて考えることもできます。

『断行・捨行・離行」とは、

『欲望を断ち、余計なものを捨て、余計な執着から離れる』という意味があるそうです。


最近では、『断・捨・離』という考え方で、やましたひでこさんの著書が人気を集めています。

やましたひでこさんのHPより、 

_________________________________

『だんしゃり 断・捨・離』とは、自分とモノとの関係を問い直し、
暮らし・自分・人生を調えていくプロセスとして、不要・不適・不快なモノとの関係を、
文字通り、断ち・捨て・離れ、引き算の解決方法によって停滞を取り除き、
住まいの、暮らしの、身体の、気持ちの、人生の、新陳代謝を促す・・・』
_________________________________


ということでまとめておられます。

日常生活で適用できる考え方として、人気をあつめていますが、
製造現場での『整理』についても、同じような効果が期待できるのではないでしょうか。


以下では、5Sによる改善の副次的効果を理解するために、

『断・捨・離』を通じた『心の変容』について、
イメージがわきやすい映像がありましたのでご参考に〜。


■だんしゃり「心の変容」 danlabohiro さん YouTube




整理を行えば、すすんで取引先や工場をまねく気持ちになったり、
前向きな気持ちになることができるのではないでしょうか。

このように、5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)を徹底すれば、

社員の心の変化を生み出すことにつながる可能性があることを
少しでもご理解いただければと思います。


(4)『5S』の活動を成功させるためには?

@経営者が火をつける!5S!

わたしが、工場監査人として、多くの企業の工場を監査させていただく中で、
この基本の5Sを徹底してできている企業は、本当に少ないものです。


では、なぜ、5Sが徹底されないのでしょうか。

それは、経営トップ自らが、

1)『5S』の必要性や有効性について、十分に認識していない
2)『5S』が大切だと認識していても、それが企業組織にしみつくまで徹底しきれていない


ということが考えられます。


この『5S』を成功させる要因について、

『私たちの身近な親子の教育』を例にして考えてみましょう。

わたしたちのお父さんやお母さんは、こども達の将来のために、
愛をもって、こども達のことを日々考え、こども達の行動をみて、
基本的な整理、整頓、清掃、清潔、躾をたえまなく教えていますね。

手間のかかることですが、将来、自立した大人として、成長するために、
労を惜しまず、当たり前のことととして、やっています。
それは、まるで、親がしてくれたことを繰りかえすかのように。

企業においては、わたしたちの『親』は、企業の『経営者』であり、
『こども達』は、大切な『社員達』であり


上の文章をそのまま置き換えて、

『親から子供への教育』を、
『経営者から従業員への教育』と考えれば理解できるでしょう。


ですから、『5S』を、企業として徹底して行うためには、

まず、企業の責任をもつ『経営者』である親自身が

1)その『5S』活動の必要性や重要性について十分に認識する
2)従業員(こども達)に対して、『5S』の必要性や有効性に気づくまで、
  温かく教育し続ける
。(気づかせる)

ということが必要でしょう。


『鳶(とんび)が鷹(たか)を生む』ということわざにもあるように、

『普通の親から、優れた子がうまれる』ようなことを期待するより、

まず、経営者自らが、優れた『鷹』になることが必要ではないでしょうか。


こども達である従業員が、自発的に5S活動を取り組むように、

うまくきっかけをつくるのは、親である経営者が適しており、
経営者の5Sへの正しい理解と支援が必要ではないでしょうか。

5Sは、非常に簡単な活動にみられがちですが、組織として継続的に実施することが
むずかしい基本活動であり、経営者も参画し、5Sを長い目で定着させる姿勢が大切です。

そのために、経営者自身がまず、5Sを現場を改善する経営管理手法として、
社員と共に現場活動を実践すること、5S推進者であれば、成功させるために、
経営者のやる気にまず火をつけること

が必要でしょう。


A具体的に何をする?5S活動!

 経営者として、トップダウンで5Sを社内徹底するためには、まず何をすればよいでしょうか。


1)経営者が5Sを実践!

 有言実行、経営者自ら率先するために、自身の業務の5Sの見直しを図る。

 経営者であれば、自身の業務を注意してくれる人は、ほとんどいないので
5Sに関わり、自制することが必要ですね。

※『○○さん(取引先)がくるから、現場きれいにしておいて〜』など
といったことがある企業の経営者のあなたは、要注意ですね。

そんなトップの発言をきいたことがある社員のみなさんも、要注意!
 


2)現場責任者と現場周り(工程パトロール)の実践!

日頃から現場周りをしている優れた経営者であれば、現場の5Sの確認をすることは、
当然の業務として実施されているでしょうし、現場の社員の声に耳をかけることは当然でしょう。

しかし、営業系のバックグラウンドをもつ掛持ちの工場責任者などの場合は、時として、
工場の製造現場から遠ざかってしまうこことがありますので、特に注意が必要ですね。

ですから、まずは、経営者を含めた現場周り(工程パトロール)を行い、

5Sに伴う具体的改善活動を通じて、社内に必要性を徹底し、その具体的活動をもとに
組織化して、どんどん現場の作業者に波及させて、ボトムアップの活動にしていきましょう。


3)5Sのしかけづくり!

5Sの活動は、ボトムアップの活動とおもわれますが、組織に5S活動を根付かせるためには、
トップダウンで5Sを徹底すること、5Sを運用するための組織づくりと仕組みづくりをまず
行うことが必要でしょう。


【5S活動の仕組み 例】

・小集団5S活動(組織)
 〜製造現場などで数人の少人数の改善グループを作り、5Sを徹底する。
  半期に一度などグループ発表会の場を社内外で設けて、表彰する。

・部署連携5S活動(組織)
 〜営業部門と製造部門の連携強化のために、
  営業担当者が扱う製品の製造現場を製造担当者と一緒に清掃する。

・工程パトロール(確認)
 〜経営者と現場責任者による定期的な現場周り
  品質部門・安全部門による工程パトロール

・5S改善提案制度(提案)
 〜改善提案件数の目標を立てて、提案数にもとづき、個人やグループを
  定期表彰して改善を促し、モチベーションを高める。5Sによる改善効果は、
  定量的に測定することが難しいといわれますが、改善提案制度を導入し、
  改善件数を指標にすることもできますし、工夫次第で業務効率を測定する
  こともでるでしょう。

・5S活動の社外PR(PR)
 〜改善活動を積極的に取引先や社外に現場にきていただき、
  PRし、社員のモチベーションを高める。
  
 実例) 枚岡合金工具株式会社さんHP 
 『儲けとツキを呼ぶ3S活動の秘訣』                    
    工場見学会(大阪)を開催、通算290回以上開催、延べ6,000名以上
   で実際に工場見学を1名10,500円(2011年1月3日現在)でされています。
  
   ※たくさんの具体的な改善事例も写真入りで報告されていますので、
    実務で改善のイメージをもつためにもご参考に〜。
    
    ・工具掛けの形跡管理 ・消耗品管理パネル ・工具棚のコンビニ棚化

    ・玄関の靴箱 ・机の引き出し形跡管理 ・文房具の共用化 ・ファイル棚の番地管理 ・照明スイッチの区画表示 ・姿絵管理  


B工場監査員の視点での社外の5S活動改善とは?


私が工場監査員として現場監査する際に、現場の5Sの改善の必要性を感じたときは、

経営者である工場長と現場をまわり、改善の必要性について気づいていただくようにしています。


改善の必要性に気づいていない要因として、

他社の5Sの優れた工場をみたということで、
自社の管理レベルを十分に認識していない場合もあります。

そのような場合は、百聞は一見にしかず、優れた工場の現場に行っていただき、
優れた5Sの状況を肌で感じていただくようにしています。

その際は、経営者と現場の管理職だけでなく、
スポンジのように新しいものを吸収する能力の高い
現場の若手の方も同行するようにすることが大切ですね。 



以上、今回は、ものづくりの基本である『5S』について考えてみました。

5Sは、日本生まれの考え方ですが、海外の工場でも、『5S』として、
掲げられるような、大切な考え方として世界で活用されていますので、

さまざまな視点から、今後も、より楽しくご紹介していければと思いますひらめき


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posted by かおる at 21:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 5S
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