2010年10月12日

品質改善の思考法 『PDCA』

品質改善の思考法 『PDCAサイクル』 〜品質管理研究所


品質を改善するためには、どんな方法で改善したらよいのでしょうか。

今回は、みなさんも良くご存知の問題解決の優れた考え方である『PDCAサイクル』をご紹介します。

品質に関わる方だけでなく、社会人の基本とも言うべき、目標達成、問題解決の大切な考え方ですね。


■ PDCA(ピーディーシーエー)とは、

P Plan  計画
D Do   実施
C Check  確認
A Action 処置

の略で、頭文字を省略し、すぐ覚えられるようにしたうまい語呂合わせですね。

 『PDCA』は、設定した目標に向けて、計画を立て、行動を起こし、その結果を確認し、さらなる対応をはかることです。そして、次の計画をたてて、行動を起こし、…、という、繰り返しの改善サイクルを継続的に続けることで、設定した目標を達成していくポジティブな考え方ですね。

 P→D→C→A →P→D→C→A →P→D→C→A … →P→D→C→A 

『PDCAサイクル』の達成サイクルをぐるぐるとまわすことが大切です。


 品質問題が発生したときは、このPDCAサイクルを通じて改善を施していきます。

 以下で、具体的に、品質問題が発生したときの対応について考えてみましょう。



 わかりやすく考えるために、『品質問題』を『かぜ(症状)』と置き換えて、『品質問題を改善する≒かぜをなおす』をイメージしてみましょう。

品質管理とPDCA


<問題の発生>
 かぜをひいたとします。(品質問題が発生したとします。)

<応急処置>
 かぜをひいたら、まずは、睡眠をとり、風邪薬をのみますね。すぐに改善対応できるものは、応急処置として、すぐに対応をはかることがが、問題(かぜ)を悪化させないコツですね。(けがをして血がでればすぐに止血するのと同じです。)

 品質問題もおきたらすぐその場でできることをすることが大切です。具体的な改善計画をたてずに、寝て休息をとればすぐに回復していることもあるのではないでしょうか。

 ほとんどの問題(症状)は、過去にだれかが同じ経験をしています。問題の現状(症状)が十分に把握できないときは、お医者さん(専門家)に相談することも必要ですが、家族(身近な人)や同じような症状を克服した経験者(改善をしたことのある先輩)に話をきき、対応することで糸口をつかむのがよいのではないでしょうか。

<P 計画>
 次に、睡眠(簡単な対応)だけでは、せきが止まらないときに、原因を深く調査する必要があります。現状分析がきちんとできていれば、解決策はおのずと見えてきます。

 現状のせきの状態を多面的に把握するために、体温を測定して、状態を把握します。原因がわからずせきがつづくのであれば、お医者さんにいって診断してもらい、一般的な季節性のかぜによるせきならばお薬を、季節性のかぜによるせきでないときは、真の原因(病気)を確認するため簡易検査(QC7つ道具、新QC7つ道具)、精密検査(統計解析など)をします。検査で症状の原因がわかれば、大掛かりな手術や根本的な体質改善、手術スケジュールなどの計画をする必要があります。
 
 注意しなければならないことは、その計画の前提となる症状が本当に特定の病気であるかどうか判断を誤っていないかということです。特定の病気だとおもって、まちがった手術や体質改善をほどこさないよう注意をはらうことが大切ですひらめき


 では、間違った手術(改善)をしないように何をすればよいでしょうか?

 間違った症状の把握から、間違った対応とることほど、残念なことはありません。わかりやすくいえば、けがをしているのに、あやまって、かぜ薬をのんで直そうとしているようなものです。
 間違った対応は、副作用をおこしたり、改善を遅らすことにつながります。ですから、現状の症状を正確に把握するという基本が何よりも大切なことがわかりますねひらめき

<D 実行>
 次にその計画に基づき、具体的な行動をとります。かぜではないとわかり、入院が必要になった場合、その病状にあった適切な病院やお医者様を選定し、適切な手術をうけ、回復することなどが必要です。その際、もちろん、せきがとまらないのであれば、のどにわるいたばこをすうことをやめることは必要でしょう。このように、実行の際には、問題の原因を解決するためにクリティカルな対策を高い優先順位で計画的に実施すること、費用のかからないよいとわかっている改善対応を同時並行的に図ることが有効です。

<C 確認>
 手術をうけ、回復した場合、改善効果を確認するため、お医者さんの問診(現場の確認)、簡易検査(QC7つ道具、新QC7つ道具)、精密検査(統計解析など)を行い、手術後の状態(改善効果)を確認します。一時的にせきがとまっているだけでは、改善にはなりませんので、現物にふれたり、定量的に確認することが必要になります。

<A 処置>
 手術後、一定期間せきがとまれば、手術の効果が確認できたことになります。ただ、また、いつ再発するかわからないので、体質改善を継続して図る必要がありますので、日常の食事管理や体調管理など(意識改善や日常管理など)を通じて、健康を維持していくための処置を講じることが有効となります。

 仮に、せきがとまらず、従来どおりの体調に戻らず問題が改善しない場合はさらに抜本的な対策を講じる必要がありますので、さらに、PDCAのサイクルのP計画からはじめ、改善していくことが大切になります。


このPDCAサイクルを日頃の業務に役立ててみてくださいね。


以下では、上記で説明した『PDCA』について、無料で学べるツールがありますので、ご紹介いたします。


科学技術振興機構の

Webラーニングプラザ〜技術者Web学習システム

です。ぜひアクセスしてみてください。

 このWeb e-learningシステムは、技術者の継続的能力開発や再教育の支援を目的として、科学技術振興機構が無料で提供する、技術者向けeラーニングサービスです。

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品質管理〜品質管理の実践』(科学技術振興機構)

【概要】品質管理活動の進め方などの品質管理の実践方法について学習する。

1 PDCAサイクル
2 品質管理活動の進め方
3 QCの主な手法
4 QC7つ道具と新QC7つ道具
5 QC7つ道具と新QC7つ道具の用途
6 QC7つ道具と新QC7つ道具の特徴
7 QCサークル
8 まとめ

自己診断テスト(1)
自己診断テスト(2)
自己診断テスト(3)
自己診断テスト(4)
自己診断テスト(5)
自己診断テスト(6)


_____________________________


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posted by かおる at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質改善
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