検査で品質は上がらない!?
(2010年10月11日)品質管理研究所
品質をあげるためには、何をすればよいのでしょうか。
不良が発生した際に、部材メーカーさんが提出する回答内容から、
『検査を増やせば、品質が上がる』
と考えている方が最近多い気がしてなりません。検査という工程の意義について、今一度考えておく必要があるのではないでしょうか。
検査は、市場に不良をださせない流出防止対策としての歯止め効果があり、品質を維持するために大切な工程といえます。検査は、チェックとして重要ですが、あくまで品質は、企画や設計、工程などのものづくりの過程で作りこんでいくものです。チェックで製品の品質が直接上がることはないことはすぐにわかりますね。
製造工程内で不良が発生しないように、品質改善することが、工程不良をなくし、市場不良をなくし、製品の品質を高めることにつながっていきます。
製品の品質が安定せず、やむを得ず、検査をしているわけであり、不良問題が生じるごとに、流出防止対策として、どんどん検査を追加するようなことは、あってはなりません。もちろん暫定的な対策として、検査で流出防止対策を施すことが必要ですが、過剰なまでの検査で品質が上がっていると錯覚している企業があるように思えてなりません。
流出防止対策として、検査をどんどん増やし、生産コストも上昇するという悪循環があります。根本的な原因は製造工程にあり、ミスをしないような仕組みづくり、治具づくり、作業手順の見直し、社員教育など根本的な改善をはかることがなにより大切です。
この多数の検査により品質の維持向上を図っている企業の姿は、『検査で品質を確保する』という本来あるべき理想の製造工程ではありあません。
理想的な製造工程は、『品質を工程でつくりこみ、無検査出荷する』という姿ではないでしょうか。
もし、この検査に対する意識の違いが理解されれば、現場での品質対策の意識も変わるでしょうし、取引先企業で不良が出たときの不良内容に対する改善策の評価も変わってくるのではないでしょうか。
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2010年10月11日
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