2014年09月21日

的を絞る?抜取検査基準とは?

的を絞る?抜取検査基準とは?
(2014年9月21日)品質管理研究所 

製品の品質を維持するために、
お客様の要求に沿った製品特性値をどのように管理すればよいでしょうか?

品質管理基準妥当性検証


例えば、ある製品の寸法を測定する場合、
お客様からの要求仕様が、11.0cm≦X≦13.0cmとしましょう。

生産工程では、全数検査することが難しく、抜取検査をしている場合には、
工程管理基準は、どのような値を社内の管理値として設定すればよいでしょうか。

実務では、抜取検査にもかかわらず、管理マージンをもたず、
11.0cm≦X≦13.0cmで、そのまま同じ基準を設定し、
「顧客要求管理基準=社内管理基準」と設定してしまっている場合が意外と多いものです。


抜取検査においては、抜取検査されるものはごくわずかの製品であり、
検査されていないものも、もれなく、合格基準内にはいっていることが求められます。

お客様の要求管理基準と工場の工程管理基準が同じ場合には、
異常が発生したときには、お客さまの要求仕様からすぐに外れてしまい、
事前にフィードバックして改善するタイミングがなければ、
気づかぬまま不良が流出していても、おかしくない状態といえます。

そこで、抜取検査の基準設定においては、工程のばらつきをあらかじめ把握したうえで、

11.5cm≦X≦12.5cmのようにして、0.5cmせばめて
社内の工程管理基準をより厳しく設定する考え方が求められます。

「社内管理基準<顧客要求管理基準」

より小さい厳しい範囲の的に変えて、
狙いをより正確にさだめておく考え方です。


工程管理基準厳格化

当然、このより厳しい基準を設定して管理できるかどうかは、
あらかじめ連続して生産された製品を全数検査して、
製造ばらつきや、ばらつき要因を把握した上で設定することが必要になります。

この実力管理により、お客様の要求仕様を満たす場合には問題ありませんが、
満たさない場合には、以下のどちらかの対応が必要になります。


@工程実力値の改善
設備や材料や製造方法などを改善し、ばらつきをおさえて実力値の向上をはかる。
(ダーツの的に当てる精度を高める能力の改善)

A合否判定基準の拡大
お客さまに工場の実力値(ばらつきと改善の取り組み)をご説明して、仕様基準値を広げられるか 意見交換を行うことも大切です。必要以上の厳しい要求は、品質向上ではなく、最終顧客の要望とかけはなれたコストアップにつながりますので注意が必要です。
(ダーツの的そのものを広げて、良品範囲を拡大)


実務では、抜取検査であっても、社内(工程)管理基準=顧客管理基準 で運用されている場合が、多くみられますので、自社の工場だけでなく、取引先さんの工場監査で実際の現場を確認してみるのもおすすめです。抜き取り検査の「的」である基準値の妥当性について、工程不具合の流出防止、そして、過剰な要求品質の是正も含めて、あらためて確認してみるとさまざまな気づきがあるのではないでしょうか。

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posted by かおる at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質検査
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