2014年07月05日

心ある品質対応とは?

心ある品質対応とは?
(2014年7月5日)品質管理研究所


お客様から、品質不具合の連絡を頂いたときには、何をすればよいでしょうか。

まずは、不具合について、より正確な情報を入手するため、
不具合品を回収して、原因究明と対策をおこなうことを考えるかもしれません。

ものづくりの立場では、このように製品のことをすぐに考えてしまいがちですが、

不具合が発生したときには、
かならず、製品の先には、お客様がいることを忘れてはなりません。


心ある品質対応

同じ製品の不具合でも、お客様は、ひとりひとりちがいます。
お客様は何を思い、どうして、連絡をくださったのでしょうか。

・製品に対する不安な気持ちを払拭したいからでしょうか。
・製品に対して、不具合かどうか判別がつかず、確認が必要だからでしょうか。
・お客様の先のお客様に迷惑をかけないように、迅速な交換が必要だからでしょうか。
・問題に対する怒りの気持ちがこみあげているからでしょうか。
・問題発生後のサービス対応の悪さに対する不満があるからでしょうか。

どのような目的で、どのような気持ちをもって、お客様がご連絡くださったかは、
直接おはなしをうかがわなければ、わからないことが多いものです。

このポイントが大きくずれていると、

客観的に正しいことでも、
お客様の意に沿わない間違った対応になってしまいかねません。


企業の組織が大きくなると、市場不具合の対応が分業化され、
コールセンターの受付、営業対応、サービスサポート、技術・品質による原因調査・回答など、
多くの部門が連携して、情報共有しなければなりませんが、

お客様からの不具合の情報が、記録としての文字情報だけで、
十分伝わらず、不足している情報が多くあることを理解しなければならないでしょう。

実務では、お客様の問題のあった現場にすぐに足を運び、
お客様から直接お話をきくと、この問題はすっきりするものです。


品質問題があっても、このような期待を上回る
迅速な対応そのものが喜ばれることも多いものです。


CS対応

問題の多くは、製品の技術・品質的な知識があれば、
製品の症状から、容易に判断でき、すぐに解決できる場合も多く、
実際には、品質問題発生からのサービス対応の不足などに、
不満をつのらせている場合が多いのではないでしょうか。

お客様の不満が高まるのは、迅速な対応がおこなわれずに、
不安な時間が長くなり、苛立ちが蓄積されることにあります。


たとえば、製品の不具合で、コールセンターに電話をかけたとき、
その電話が込み合っていて、つながりにくいとどのような気持ちになるでしょうか。

「やはり品質不具合が多くて、コールセンターもパンクしているのか」と想像し、
苛立ちがさらにつのってしまうことになるでしょう。

悪い印象は、さらに高まり、負の悪循環に陥ることになれば、
会社や製品に対するイメージ、気持ちはどのように変化していくでしょうか。


不具合が発生した場合、製品の原因調査と対策を考えることも大切ですが、

その製品を選んでく購入くださった個別のお客様の「気持ち」を察して、
いかに「迅速」に品質対応をするかということも大切にしていきたいものですね。



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posted by かおる at 22:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質不良
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