2014年09月28日

新人教育とは?

新人教育とは?
(2014年9月28日)品質管理研究所

高い品質を維持するためには、新人作業者さんの教育が大切です。

特に、海外工場での生産では、
日本では、当然とおもっていることも、きちんと教育しておくことが必要です。

新人作業者教育

中国をはじめとする海外現地工場では、日本のように安定した定着率を維持することは難しく、作業者の入れ替わりが激しい環境の中で、製造品質が安定しない問題に悩まされている企業も多いのではないでしょうか。

作業者の入れ替わる頻度が高く、十分な教育ができていないまま、工程へ新人作業者さんがどんどんと追加されていくと、どうなるでしょう。確実に工場の品質レベルは低下し、市場でも品質問題が発生することにつながります。

経験が浅い新人作業者の基礎教育は、ものづくりの品質を守る上で欠かせない取り組みです。
製造現場で思いもよらない光景にでくわすことのないように、どのようなことを基礎教育として、徹底すればよいでしょうか。

下記に、ぜひ、確認しておきたい新人教育内容を試験項目としてご紹介します。やってはいけないことの表現にしていますので、答えは、すべて「No」になります。「Yes」の回答をおりまぜて、文末の表現をアレンジして、ランダムに並べかえて、テストをすると作業者さんの考え方、基礎教育の理解度を知ることができるでしょう。

新人教育前後で、このような2択テストを行い、作業者さんの理解度を確認するヒントになれば、幸いです。

【新人基礎教育 理解度テスト】

<規則>
□ 会社のルールは、まもらなくてよい。
□ みなが会社のルールを守っていないから、自分も会社のルールにしたがわなくてよい。
□ 上司の指示をしっかりきかずに、自分なりに作業してよい。
□ 仕事のミスをしたときには、すぐにリーダーに相談せずに自分で判断してもよい。
□ 問題を発見しても、そのまま放置して、報告しなくてよい。

<準備>
□ 仕事前に寝ないで、夜更かししていてもよい。
□ 日頃から、体調管理せず、暴飲暴食してもよい。
□ 夜勤は、ねむたくなるので、音楽をききながら仕事をしてもよい。
□ 開始前や決められた休憩時間にトイレをすませなくてよい。
□ 不安なことがあっても、相談せず、ひとりでなやむ。
□ 家をでるとき、忘れ物やみだしなみをチェックしなくてよい。

<挨拶と会話>
□ 挨拶は、工場のしごとには関係ないのでどうでもよい。
□ お客さんなど、知らないひとには挨拶しなくてよい。
□ 知らない職場の仲間には、挨拶しなくてよい。
□ 守衛さんには、挨拶しなくてよい。
□ お客さんや目上のヒトなどへの言葉づかいはどうでもよい。
□ 作業中に仕事場の仲間とおしゃべり(私語)をしてもよい。

<時間>
□ 仕事を休むとき、連絡をしないで、勝手にやすんでよい。
□ 仕事を休むときは、交代メンバーは必要ない。
□ 少しくらいなら、仕事の時間や朝礼の時間に遅れてもよい。
□ 仕事中トイレに行きたい場合、工程にヒトがいなくなるがいってもよい。
□ 休憩するとき、目の前の作業がおわらなくても、休憩にいってよい。
□ ねむたいときには、休憩時間意外にねむってもよい。
□ お客さんに納入する日が、すこしくらい遅れてもよい。

<工場>
□ 品質よりも、ひとつでも多く製品が生産できるほうがよい。
□ すこしくらいなら、お客さんに不良品が納入されても仕方ない。
□ ひとがいないときは、訓練していない工程で作業してもよい。
□ 作業手順書にない作業でも、楽な作業なら、相談なしに実施してもよい。
□ 作業手順書を理解せずに作業してもよい。
□ わからないことや理解していない状態で、作業してもよい。
□ 作業の目的を理解していない状態で、作業してもよい。
□ 自分が加工した製品の出来栄えは、検査員が確認するので確認しなくてよい。
□ 作業の記録は周りのヒトがよめなくても自分が読める字であればよい。
□ 作業を開始する前に道具や設備が正しく動く状態か確認しなくてよい。
□ 暑いときは、虫がはいってもよいので、涼しくなるなら窓をあけてよい。
□ 改善できることに気がついても、上長に相談して、改善にとりくまない。
□ 道具がないとき、自分の個人の道具を家からもってきてよい。

<不良品>
□ 不良品が発生していても、自分の仕事とは関係ないので、そのままでよい。
□ 不良品は赤色、保留品は黄色、良品は青色の区別は、自分には関係ない。
□ 自分のミスにより発生した不良品は、すこしくらいは大目にみてもよい。
□ 不良品の判定基準は、管理基準でなく、自分なりの基準で、合否判断してもよい。
□ 不良品がでると、会社の損失になるが、自分には関係ない。

<異常時>
□ 製品の変化を発見したときは、自分で勝手に判断して処理してよい。
□ 不良品か良品か判定に迷う製品があるときに相談せず、自分なりに判断してよい。
□ 設備から異常な音が発生しているとき、こわれるまで、そのままで放置してよい。
□ 変な材料があったとき、相談せずにそのまま使用してよい。
□ ミスをしたときは、リーダーにすぐに報告せずに勝手に手直ししてごまかしてもよい。
□ 困ったことがあった時、上長に相談せず、自分なりに判断し、作業をつづけてよい。
□ 道具が、こわれたままでも作業ができるなら、作業をつづけてよい。

<服装>
□ つめがのびたままで作業してもよい
□ 手がよごれた状態で作業してもよい。
□ 手袋がやぶれたので、着用しなくてもよい。
□ おしゃれのためなら、どんな服をきてきてもよい。
□ くつのかかとは、ふんだまま作業をしてよい。
□ あついので腕まくりをして作業してもよい。
□ あついので服のチャックを上げずに作業をしてもよい。
□ 作業着の外にフードつきの帽子をだしていてもよい。
□ 製品に直接ふれる仕事でも、腕輪や時計が衣服の外にでていてもよい。

<食事>
□ 果物をたべたあと、作業前に手がよごれていてもよい。
□ おなかがすいたので、はやめにお昼ごはんにいってよい。
□ おなかがすいたときは、工程内でおやつをたべてよい。
□ 夜勤は、ねむたくなるので、飴やガムをたべてよい。
□ 工程内できめられていない場所でも水を飲んでよい。

<3S 整理・整頓・清掃>
□ トイレは掃除するひとがいるので、汚してもよい。
□ そうじをしてくれるひとがいるので、工場内は、汚してもよい。
□ 自分が使ったものは、だれかがつかうので元の場所にもどさなくてよい。
□ 工程内がおとしたゴミが、気になっても、ひろわなくてもよい。
□ 仕事のはじまりとおわりに、常にきれいない状態に整頓しなくてもよい。

<情報>
□ 会社の機密情報やお客さんの情報を勝手に公開してもよい。
□ 工場の製造現場の写真を業務以外に使用してもよい。
□ 会社のものづくりの資料や電子情報を持ち出してもよい。
□ 会社のPCにウィルスのついた個人のメモリなどを使用して作業してもよい。
□ 仕事中、個人の私用の携帯電話をもちこみ、業務と関係なく使用してもよい。

<安全>
□ 通勤時に遅れそうな時は、スピード違反をしても間に合うほうがよい。
□ 工場の避難経路は、しらなくてもよい。
□ たばこは、きめられた喫煙場所意外のトイレなどですってもよい。
□ マッチやライターを作業場にもちこんでもよい。
□ みんなが、安全に仕事ができるように注意しなくてよい。
□ 急いでいるときは、装置が止まっていない状態でも、設備を調整してもよい。
□ 体調が悪いひとがいても、報告せず、しごとをつづけてもよい。
□ けがをしても、すぐに上長に報告せず、がまんする。

新人作業者教育

■ 新人作業者の採用は大切!
新人教育の前提は、まず、入り口となる採用時にルールを守れる作業者さんを雇用することから始まります。単に応募してきたヒトをそのまま受け入れているだけでは、当然よい製品をつくる工場はつくれません。

いくら教育しても、ルールを守らなかったり、適当に作業をしたり、作業の目的や手順が理解できないようなひとは、残念ながら、工場の作業にはむきませんので、採用時に面接と試験により、採用可否を判断することが求められます。集団組織の中で、きちんとルールを守れることが必要になります。

■ 新人教育の生きた教材は、先輩の背中!
新人教育では、みなが、当然とおもえることも、ひとつひとつ丁寧に繰り返し教えることがかかせませんが、実際に工場に入った時に、先輩社員がルールを守っていなければ、いくら教えても、新人さんが見習うわけがありません。見習ってはいけない悪い教材が目の前にあるのですから、当然のことです。
こどもに躾をする親がルールをまもっていないのにもかかわらず、こどもだけに躾をして、こどもが見習わないのは当然のこと、都合のよい話ですね。新人さんを教育するためには、すでに働いているメンバーみなが、先生となり、よい姿を実践で見せて、教育していくことが一番の良い教材となります。

■ 新人さんに関わる問題は、会社組織の問題!
市場での品質問題がおきたとき、「新人作業者さんが作業していたから」という理由の調査報告をみたことはないでしょうか。その本質的な原因は、はたしてなんでしょうか。その新人作業者さんを育て、実務で問題なく仕事ができるまで教育するシステムに問題はないのでしょうか。作業に慣れていない新人さんだから、問題をおこしてしまったという結論は、組織の問題であることが十分理解されていない証拠ではないでしょうか。

製造現場の管理が乱れている工場では、体裁だけの新人教育で、中味がともなっていません。新人教育と称して、教育ビデオをみせても、携帯電話をさわっていて、何も聞いていないようでは全く意味がありません。教育の仕方に問題はないでしょうか。そして、当然、新人作業者さんが、実際に工場の現場にはいり、先輩社員がルールを守っておらず、だれも注意しない環境では、新人作業者さんもすぐに楽なルールに従うことになるでしょう。

規律ある工場にするためには、生きた先輩社員が率先してルールをまもり、新人作業者さんが独り立ちできるまで、仕事をフォローアップしなくてはなりません。新人作業者さんが作業しても、ミスがおきにくいシンプルな作業手順や教育資料・試験問題、ミスを防止する治具の改善も必要です。新人作業者さんがミスをするのは、新人作業者の責任というより、会社の問題であることを再認識することが必要です。社員の定着率が悪く、新人作業者さんの比率が多いのも、会社になんらかの問題があるからです。

海外企業では、作業者の入れ替わりが激しく、「ひと」を、お金さえはらえば、きてくれる「もの」のように考えている企業もすくなからずあるのではないかと思います。しかし、このような考えでは、人の成長も会社の成長にも、いきづまりがくることでしょう。

新人作業者の離職問題

ものづくりでは、製品をつくり、販売し、お客さんに喜んでもらうことは当然大切ですが、工場で「ひとをつくること」もわすれてはなりません。

新人作業者さんが、仕事を通じて、ひとつでも、ヒトとして成長できるように、愛情をもって向き合っていくことが必要なのではないでしょうか。だれかから、家族のように大切にされれば、当然、自分も相手を大切にしたいと思うものです。社員を大切にして、社員が成長すれば、会社も成長することにもなるのではないでしょうか。

以上、今回は、海外で特に気になる新人作業者さんの基礎教育について、ご紹介しました。

日本では、作業者さんは、教育されたことを徹底して守ろうとしてくれますが、 海外では、いわれていないことは、自分なりにアレンジしてやってもよいとおもっていることも多いものです。良かれと思って勝手にやっていることが、後々問題となることもあります。

その工場の実態や工場で働くメンバーの国民性や考えも理解しながら、どのように教育していくのがよいか、試行錯誤していきたいものですね。

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posted by かおる at 15:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 新人教育

2014年09月23日

「製造番号」とは?

「製造番号」とは?
(2014年9月23日)品質管理研究所

同じ製品にも、ひとと同じように、ひとつひとつ名前があります。
それが、製品を識別するための『製造番号』です。

製造番号と品質保証

製造番号は、製品出荷後に、問題が発見された場合に、調査した結果から、
問題のある対象範囲を特定し、迅速に処置できるようにするための大切な品質情報源です。


不具合が発生したときには、この製造番号を確認し、原因調査します。
製造番号は、お客様と工場をむすぶ「品質情報の橋渡し役」です。

まずは、製造番号に、どのような品質情報がうめこまれているかご紹介します。

<製造番号の定義>
製造番号は、あらかじめ定めた名づけルールに従い、さまざまな情報をもりこんでいます。

・製品機種
・製造年月日(製造年・週)
・製造工場
・製造ライン
・製品通し番号
・特定材料の識別

など、

その製品の管理すべき特徴にあわせて、
独自の番号ルール表により、設定していきます。

製品設計者は、こっそり自分の名前のイニシャルを入れたくなる衝動にかられますが、そこは、がまん、がまん。もし、不良品がでたら、「この文字列は、何の識別記号?」「〇〇さんのイニシャルです・・・。」となりかねませんね。

■ 製造番号:ABCDEFGH・・・N

1桁目の文字は、×
2桁目の文字は、〇
3件目の文字は、△
4桁目の文字は、★



N桁目の文字は、☆

このように、各桁に該当する文字と意味を具体的に列挙して、定義を明確にしておきます。 

例えば、

月の場合であれば、1月〜9月、X (=10月)、Y (=11月)、Z (=12月)
工場の場合であれば、第一工場はA、第二工場はB、第三工場はC ・・・

各文字は、英字、数字をうまく組み合わせて使用しますが、I(アイ)、l(小文字エル)、O(オー)などの英字は、数字の1や0と誤認しやすく、間違えないように使用しないことも大切です。

桁数は、将来増える可能性のある項目を想定しつつ、必要最低限におさえます。
通し番号は、生産数量単位に合わせて、必要な複数桁を確保します。

工場にとっては、製造番号は、過去にさかのぼることができる大切な「暗号」ともいえます。
この暗号表を社内規定として設定しておくことも大切なことです。


製造番号

身の回りを見回してみると、いろいろな製品の製造番号の暗号に気づくはずです。

ペットボトル、高級ブランドバック、家電製品、お札・・・

身の回りのさまざまなものにこっそりと製造番号がつけられて、管理されているのが実感できます。そして、製造番号は、製品の特徴に合わせて、印字されている場合、刻印されている場合、シールとして貼り付けている場合など、さまざま状態があり、その印字場所も工夫されていることに気づかれることでしょう。

<工場での製造番号の活用>
製造番号は、もちろん、問題がおきたときだけに使用するものではありません。
工場では、製造番号にどのような情報を残し、品質管理に活用することができるでしょうか。

製造番号は、製造工程の早い段階で、バーコード化して、製品と一緒に管理できれば、工程内の加工や検査結果など多くの情報を蓄積し、工程品質管理や生産性改善にも活用することができます。
製造番号を各工程をつないだデータシステム上で一元管理ができれば、さまざまな品質不具合の流出防止にも役立てられます。

工程不良となった場合に不具合情報をデータ追加すれば、誤出荷防止もできます。
工程順序を登録しておけば、工程とばしによる作業・検査もれ防止もできます。
同じ番号が誤って、異なる製品に付与されていない重複チェックもできます。

一方で、製造番号があまりに細かすぎたり、管理項目が多く複雑になると、生産時に、変更がたびたび必要となり、修正もれやミスがおきるため、製造番号に関わる不良をうみだす要因を事前に排除することが必要になります。

製造番号に関わるミス防止のために、費用をかけずにすぐにできる下記の実務チェックポイントをご紹介します。

<製造番号 不良未然防止チェックポイント>
・多種製品を取り扱っている場合、製品切り替え時の製造番号の確認項目は明確ですか。
・印字内容の管理責任者が、シフトごとに設定され、明確ですか。
・パスワードでだれでも設定を容易に変更できないようになっていますか。
・印字された内容に間違いがないか、作業者と責任者の2重の確認ができていますか。
・工程パトロールで製造番号内容と該当製品の番号であることを抜取確認できていますか。
・出荷検査で製造番号内容と該当製品の番号であることを客観的に確認できていますか。
・印刷設定を変更、更新した作業履歴を記録に残していますか。
・印刷設定変更が必要な際には、必ず複数名で確認照合したあとで変更できていますか。
・製造番号のルール表の最新版が、製造現場に掲示され、管理されていますか。
・どのようなミスが想定されるか問題となる事例を掲示し、注意喚起できていますか。
・製造番号を印字した内容・状態を確認するための手順と管理記録がありますか。
・不具合となる製造番号・ラベルの不良見本や限度見本が見やすく掲示されていますか。
・製造番号の桁数の過不足がないか、印字ソフト上で制約をつけていますか。
・製造番号に不必要な文字が印字されないように印字ソフト上で制約をつけていますか。
・ラベルに印字する製造番号の文字フォント・大きさ・印字位置・幅も確認していますか。
・停電等によるトラブルや設備故障時の製造番号の発行・確認方法は明確ですか。

ひとは、注意をしていても、さまざまな要因でミスをしてしまうことがあるものです。ひとのミス防止のためには、設備やシステムを活かした問題がでない管理方法も、大切なポイントになります。

製造番号のミスがひとたびおこれば、多くの製品に波及する傾向不良となります。
細心の注意が必要ですが、製品そのものの品質に比べて、製造番号は、あまり注目されず、見落としがちなポイントですので、あらためて、考えていただくきっかけになれば幸いです。

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posted by かおる at 19:09| Comment(0) | TrackBack(0) | トレーサビリティ

2014年09月21日

的を絞る?抜取検査基準とは?

的を絞る?抜取検査基準とは?
(2014年9月21日)品質管理研究所 

製品の品質を維持するために、
お客様の要求に沿った製品特性値をどのように管理すればよいでしょうか?

品質管理基準妥当性検証


例えば、ある製品の寸法を測定する場合、
お客様からの要求仕様が、11.0cm≦X≦13.0cmとしましょう。

生産工程では、全数検査することが難しく、抜取検査をしている場合には、
工程管理基準は、どのような値を社内の管理値として設定すればよいでしょうか。

実務では、抜取検査にもかかわらず、管理マージンをもたず、
11.0cm≦X≦13.0cmで、そのまま同じ基準を設定し、
「顧客要求管理基準=社内管理基準」と設定してしまっている場合が意外と多いものです。


抜取検査においては、抜取検査されるものはごくわずかの製品であり、
検査されていないものも、もれなく、合格基準内にはいっていることが求められます。

お客様の要求管理基準と工場の工程管理基準が同じ場合には、
異常が発生したときには、お客さまの要求仕様からすぐに外れてしまい、
事前にフィードバックして改善するタイミングがなければ、
気づかぬまま不良が流出していても、おかしくない状態といえます。

そこで、抜取検査の基準設定においては、工程のばらつきをあらかじめ把握したうえで、

11.5cm≦X≦12.5cmのようにして、0.5cmせばめて
社内の工程管理基準をより厳しく設定する考え方が求められます。

「社内管理基準<顧客要求管理基準」

より小さい厳しい範囲の的に変えて、
狙いをより正確にさだめておく考え方です。


工程管理基準厳格化

当然、このより厳しい基準を設定して管理できるかどうかは、
あらかじめ連続して生産された製品を全数検査して、
製造ばらつきや、ばらつき要因を把握した上で設定することが必要になります。

この実力管理により、お客様の要求仕様を満たす場合には問題ありませんが、
満たさない場合には、以下のどちらかの対応が必要になります。


@工程実力値の改善
設備や材料や製造方法などを改善し、ばらつきをおさえて実力値の向上をはかる。
(ダーツの的に当てる精度を高める能力の改善)

A合否判定基準の拡大
お客さまに工場の実力値(ばらつきと改善の取り組み)をご説明して、仕様基準値を広げられるか 意見交換を行うことも大切です。必要以上の厳しい要求は、品質向上ではなく、最終顧客の要望とかけはなれたコストアップにつながりますので注意が必要です。
(ダーツの的そのものを広げて、良品範囲を拡大)


実務では、抜取検査であっても、社内(工程)管理基準=顧客管理基準 で運用されている場合が、多くみられますので、自社の工場だけでなく、取引先さんの工場監査で実際の現場を確認してみるのもおすすめです。抜き取り検査の「的」である基準値の妥当性について、工程不具合の流出防止、そして、過剰な要求品質の是正も含めて、あらためて確認してみるとさまざまな気づきがあるのではないでしょうか。

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posted by かおる at 16:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質検査