(2013年11月5日)品質管理研究所
工場にひとたび足をふみいれると、
その工場の品質管理体制の良し悪しを
すぐに感じ取ることができるのは、なぜでしょうか。
製造現場の天井、そして、地面を見渡してみてください。
どんな光景が広がっているでしょうか。

品質管理ができていない企業の多くでは、
天井の蛍光灯がきれたままになっていたり、蛍光灯がちかちかしていたり、
地面にものがあふれ、よごれていたり、床に穴があいていたりするものです。
天井を見上げ、地面を眺めれば、工場の管理体制がどのようになっているか、
どのような問題点があるかが容易に想像できるでしょう。
工場の現場環境を整えるのは、だれのしごとでしょうか。
問題に気づいて、改善をおこなうのは、だれのしごとでしょうか。
工場内の蛍光灯を交換するのは、だれのしごとでしょうか。
工場内の整理整頓清掃をおこなうのは、だれのしごとでしょうか。
工場内の補修をおこなうのは、だれのしごとでしょうか。
どうして、みれば、すぐに気がつく問題を解決できないのでしょうか。
ルールや決まりがないからでしょうか。
組織と責任が不明確だからでしょうか。
経営者の改善意識の欠如でしょうか。
現場の管理責任者や担当者の改善意識の欠如でしょうか。
だれかが日常業務をおこたっているのでしょうか。
そんな工場には、何か不足しているものがきっとあるはずです。
基本的なことさえできていないのに、
どうしてものづくりの品質が確保できるといえるでしょうか。
天井(天)と地面(地)に対する向き合い方ひとつで、
その工場のものづくりに対する姿勢をうかがい知ることができるのではないでしょうか。
(1)天を見上げる
管理されていない工場では、天井を見上げると、
ライトが交換されておらず、暗がりがあちこちにみえます。
天井のライトは、はしごなどがないと、容易にとどかない場所です。
見えにくく、手間のかかる改善に対して、工場でどのように向き合えているでしょうか。
天井(天)を見上げれば、工場の変化に対する改善の姿勢が見えてきます。
(2)地を見渡す
工場の床(地面)をみわたせば、どうでしょうか。
地面にごみやよごれはないでしょうか。
毎日さまざまなものとふれ、汚れやすい場所ですが、
だれもがすぐに見て気づいて、改善することができる場所です。
設備投資のように多大な費用をかけずに、
だれにでも、容易にできることがあふれている場所です。
地面をみれば、目の前の問題に対して、
どのように向き合って継続的に改善できているか
日頃の姿をうかがい知ることができるでしょう。
(3)天地の改善
天井のライトのように、『変化に気づき、改善すること』
地面の汚れのように、『改善を継続すること』が大切です。
工場に入った瞬間感じとられる工場管理体制の良し悪しは、
このような天と地の状態が教えてくれているのではないでしょうか。
天井と地面をみることで工場の品質意識にふれ、
ものづくりへの姿勢を感じ取るヒントになれば幸いです!
【関連記事】
・工場監査とは、向上監査!
・ピンチはチャンス?工場監査!
・工場監査の役割とは?
・工場監査のやりがい
・ほめて育てる!工場監査
・工場監査の隠れた確認ポイントとは?
・工場監査員とは?
・工場監査員の役割とは?
・工場監査員に必要な視点とは?