2013年08月18日

リワーク工程の品質管理とは?

リワーク工程の品質管理とは?
(2013年8月18日)品質管理研究所


工場監査は、顧客の立場から、新規の取引製品の取引先さんに訪問して、
モノを生みだす現場を直に診て、未然に問題を防ぐように一緒に改善していきます。

製品の品質に直結する製造現場の確認では、どのようなことに注意すればよいでしょうか。

通常、製造現場の工場監査は、仕様書に記載されたQC工程図をもとに順番に工程をチェックしていきます。工程のどのような点をチェックするかということに対して、もれがないようにチェックシートを用いてチェックしますが、工程そのもの自体の確認もれがないように注意することも大切です。

リワーク工程の品質管理

工場監査で、製造現場を確認するときには、

・QC工程図に記載されにくい工程
・QC工程図の流れの中で見逃しやすい工程


があることを理解しておくことが大切です。
このような確認もれが発生しやすい工程とは、いったいどの工程でしょうか。

QC工程図に記載されている工程は、もちろん現場ですぐに理解することができます。
特にQC工程図に記載されにくく、工場監査で確認がもれやすい工程は、『リワーク工程』です。

今回は、工場監査を実施する工場監査員の立場で、
どのようにリワーク工程をチェックしていけばよいか、考えてみましょう。



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<リワーク工程の品質管理>
(1)リワーク工程とは?
(2)リワーク工程のジレンマ
(3)リワーク工程の品質妥当性検証
(4)リワーク工程は不良品の追跡で確認
(5)リワーク作業は作業手順書と教育認定制度を!
(6)リワーク作業者の識別管理
(7)リワーク工程前後の現物と情報の管理
(8)リワーク工程の経営管理指標


__________________________________


<リワーク工程の品質管理>

(1)リワーク工程とは?
リワークは、品質不良となった製品に後で手を加えて、不良部分を交換・補修して、良品の製品にするような特殊な工程です。


(2)リワーク工程のジレンマ
リワーク工程は、工程品質不良による損失を削減するために必要に迫られて、現場で知恵をだして実施している場合が多いものです。しかし、製造現場の工程不良が発生しなければ、本来、必要のない工程であるため、表向きにはお客さんに対して説明しにくい工程であることも理解しておかなければなりません。

工場監査をうける企業さんの立場に立てば、一般的に外部から来られた工場監査員さんには、このようなジレンマにある特別工程は、できれば見せたくない工程のひとつといえるのではないでしょうか。工場監査のときには、念のため、リワークの有無の確認について、現場で日々作業されている作業者さんに直接お話を聞いてみるのがおすすめです。


(3)リワーク工程の品質妥当性検証
リワーク品は、通常とは異なる製造工程を通るため、リワーク製品に対する品質の妥当性検証がなければ、リワーク工程は品質保証ができなくなり、正しい工程としては認められません。

リワークを実施している場合、なぜ、リワークをする必要があるのか、リワークすることによって、通常生産品と比べて、最終的にどのような品質と品位の違いが現れるのか検証できているでしょうか。

リワーク品の品質確保のためには、実際に生産するときではなく、製品の信頼性試験の内容を事前に確認する時や仕様書の取り交わしの時に、リワークによって生じる副作用を検証しておくことが求められます。そして、工場監査の時に、そのリワークの具体的な作業を直接自分の目で確認しておくことが大切です。

リワーク工程の検証が十分でなければ、工場監査では、リワーク工程を認定することができないため、リワーク工程なしの製品のみを納入いただくようにしなければならないでしょう。


(4)リワーク工程は不良品の追跡で確認
取引先さんにとって、リワーク工程はなかなかいいだしにくい工程だからこそ、監査のときには、工場監査員は、製造現場でリワーク工程の有無、隠れたリワーク工程がないかを現場の担当者さんにあらためてうかがい、不良品・リワーク品の取り扱いに注意をはらうことが必要になります。
リワーク工程は、QC工程図からもれている場合も多く、さらに、通常の生産ラインからはなれた場所で実施されていることも多いものです。そのため、リワーク工程は、実際の製造現場で、気づきにくいものです。工場監査では、QC工程図の流れに沿って、順番に確認していきますが、QC工程図の確認の流れからいったんはなれて、不良品の扱いの動きを追跡することで、おもわぬリワーク工程が明らかになる場合もあるでしょう。

工程で発生した不良品の現物は、どこに運ばれているでしょうか。多くの場合、工程毎の不良置き場に保管しておきますが、その後、その不良品はだれがどこへもっていっているのでしょうか。廃棄物の置き場でしょうか、それともリワーク工程でしょうか。

リワーク品の元は、不良品であることから、不良品の動きを確認する過程で、リワーク工程の現実が見えてくることが多いものです。


(5)リワーク作業は作業手順書と教育認定制度を!
リワーク作業に、リワーク作業の作業手順書があるでしょうか。イレギュラーな工程として、工程責任者が不明確になりやすく、きちんと作業場所が設定されていなかったり、ツールが不足していることも多いものです。

また、リワーク工程は、特殊な高度な技量を要する場合も多く、作業者の教育認定制度を確立して、技術力を維持することが必要です。通常、高い力量が必要とされる作業では、新人作業者さんには作業を認めず、熟練した作業者さんしか実施できない作業として設定します。さらに定期的に試験を実施して、スキルマップによる能力の維持管理を実施していくことも必要になります。


(6)リワーク作業者の識別管理
リワークしている数量がごくわずかであれ、不良品を発生させないためには、イレギュラーなリワーク工程の作業者さんに目を向けることが大切です。

現場では、特殊な作業として、工程でリワーク作業者が識別できるようにリワーク認定者用のバッチやシール、色の違う帽子や作業着などを作業者に身に着けてもらい、工程パトロールの時などにも外部からでもすぐにわかるようにしておく工夫が大切です。

リワーク工程の品質管理


(7)リワーク工程前後の現物と情報の管理
リワークを実施する製品は、どこの工程で不良になった製品で、リワークした後、どこの工程に投入しなければならないかそのルールが明確になっているでしょうか。

リワーク工程を設定する際には、リワーク後にどこの工程の前から投入するのかを明確にする必要があります。工程飛ばしや検査もれなどが絶対に発生しないようにしなければなりません。

QC工程図でも、工程の流れの中で逆流する流れを記載して、現場で教育しておくことが大切です。また、リワークした製品は通常と異なる生産履歴となるため、リワークした製品として、追加の工程履歴の情報管理と現品へのマーキングシールやタグも必要になります。いつ、だれがどのようなリワーク作業をしたのか、製品の履歴を管理する現品表や生産ランカードやPC上の記録などに追記することが求められます。

リワークが増えれば、不良品が良品になるため、品質問題として見えにくくなることも理解しなければなりません。リワーク品に対する不良内容とその原因と対策を明確にして、根本的な不良改善につなげていくことが疎かにならないようにしなければなりません。


(8)リワーク工程の経営管理指標
リワークした製品は、余計に手間がかかっているため、リワークしていない製品に比べ、コストアップにつながるものです。経営改善のためには、コストダウンと品質改善の指標として、このリワークの工程情報に着目します。

工場監査では、リワークは、生産現場をみるだけでなく、工場が生産の直行率と歩留りを使用し、2つの差をどのように工場が認識しているかで、その実態をうかがい知ることができます。直行率は、リワーク工程をとおらず、手直しをしないで生産できた良品率です。歩留りは、リワークをした良品を含む良品率になります。

品質を維持向上させるためには、できるだけリワークをしないように、この2つの指標の差異をへらしながら、不良率を改善していくことがもとめられます。経営の立場から、経営者自らがリワーク指標を数値で客観的に理解し、改善を促しているかチェックすることも大切ですね。



今回は、リワーク工程における品質管理について、第三者の工場監査員の視点も含めて紹介いたしました。改めてリワーク工程のリスクについて考えるきっかけになれば、うれしい限りです。


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2013年08月16日

美容室の顧客カルテに学ぶ工場の設備管理

美容室の顧客カルテに学ぶ工場の設備管理
(2013年8月16日)品質管理研究所


私たちは、定期的に美容室や床屋さんに通い、髪をきってもらいます。

顧客管理を大切にしているお店では、お客さんの髪のカット情報をカルテに記載して蓄積し、顧客満足度を向上させています。

顧客管理カルテと設備管理への応用



このような美容室における「カルテによる情報管理」は、
業種の異なる生産現場の設備管理にも活かすことができます。


(1) 理想の髪型の再現(理想の設備状態への再現)
美容室では、定期的にこられるお客さんの立場に立って、どんな髪型にしたいのか、お客さんの過去のカット履歴を把握し、前回同様のカットの希望があれば、いつでも再現できるように、詳細な髪型の情報を頭部の絵を交えて、カルテにさまざまな個人情報を残して、顧客満足度を上げる取り組みをされています。

工場で日夜稼動する生産設備もまた、髪が伸びていくように、時間がたてば、消耗していきます。これまで、いつ、どのような設備の故障やチョコ停などのイベントが発生して、メンテナンスをどのように実施してきたのか、設備個別の弱点や注意ポイントとともに、カルテ(設備管理記録)に大切な情報を残せているでしょうか。設備個別の専用カルテを作成して、生産性に影響する問題を未然に防ぐ取り組みに高めいくことが大切です。


(2)髪型情報と履歴の共有(生産設備の故障・メンテ情報と履歴の共有)
カルテがあれば、他の美容師さんと情報共有ができるため、専属の美容師さんがいないときでも、他の美容師さんでもお客さんが望む同じ髪型を再現しやすくなります。もちろん、毎回同じ髪型にするわけではありませんが、お客さんの希望にそえるように、組織として、対応できるようにしておく準備が大切です。

工場でも、特定のヒトに仕事が依存しすぎて、ベテランの「あのひとに聞けばわかる」というようなことがおこりがちです。組織として、うまく対応できないことがあっては、いざというとき困りますので、設備の問題点や履歴を記録として残し、共有することが大切です

髪をきるときに異なる髪型にすることがあるように、生産する製品も、多種にわたり、同じでない場合も多いでしょう。変化がある場合であっても、これまで把握した情報を理解し、未然に問題を予測して、対応するとともに、今後のために、新たに情報を追加していくことが大切になります。

顧客管理カルテと設備管理への応用


(3)髪質・量の違いの理解(個別設備の違いの理解)
ひとによって、髪の毛がはねやすい場合や毛髪のくせがある場合もあるでしょう。髪の質・髪の量も、ひとそれぞれに違いが見られます。お客さんひとりひとりのことなる個別特有の情報を収集しておくことが、きめ細やかなサービスを実施する上で役に立ちます。

生産設備でも、全く同じメーカーの全く同じ仕様の設備であっても、さまざまなばらつきや異なる製品の生産履歴によって、同じような生産結果が得られにくく、不良が発生しやすい場合もあるものです。調子の良い設備やくせのある設備や機嫌の悪い設備などさまざまな特徴があり、号機別の違いに驚かされることもあるでしょう。どの機械にどんな特徴があるのか、美容室にこられるお客さんひとりひとりを大切にするように、設備1台1台異なるものと認識して、個別に向き合うことが大切ですね。


このようなカルテによる顧客情報管理は、美容室や床屋さんに限らず、個人と向き合う病院や歯医者さん、ネイルサロンなどさまざまな分野で活かされ、お客さんである「人」を大切にしています。同様に、ものづくりでは、人の代わりにものをつくりだしてくれる「設備」と、いかに向き合っていけばよいか、あらためて考えるきっかけになれば、うれしい限りです。


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2013年08月15日

品質改善は、「粗探し」から「宝探し」に!

品質改善は、「粗探し」から「宝探し」に!
(2013年8月15日)品質管理研究所


改善「KAIZEN」は、世界共通のモノづくりの基本です。

ものづくりと品質改善

日常生活をしていても、建物の金属錆や壁の亀裂や塗装の状態など
いたるところにみられる劣化などの問題は、自然と目にとまりやすく、
よいところよりも悪いところは発見しやすいでしょう。

品質部門がおこなう工場監査や工程パトロールでは、工場では、何ができていないか、何が不足しているのか、品質改善のために、悪い点をみつけだして、改善をうながしていきます。特に、品質部門の立場での改善活動では、つい問題点に意識がはたらき、悪い面ばかりを見つけだそうとしてしまいがちです。

もちろん、悪い点をきちんと改善することは大切なことですが、重箱の隅をつつくような形式的な改善指摘項目や問題の「粗探し」は、実務の生産現場のやる気をそぐものであることも理解しておかなければなりません。さらに、問題のもぐらたたきのような目先の解決方法によって、一時的な改善にとどまれば、問題の再発の可能性も生じさせることにも、注意をはらう必要があります。


今回は、現場の悪い点「粗探し」でなく、現場の良い点「宝探し」にも着目する改善方法について考えてみましょう。

すでに飲食業界では、はたらく仲間の店員さんの良い点をお互いにみつけて褒めることや覆面調査員が店員さんの良い点をほめることによって、店員さんのやる気を高めて、業績向上や良い職場つくりに成功されている事例もあります。

製造業においても、悪い点を叱るばかりが、品質改善ではありません。
改善の際に、現場をどれだけ、褒めることができているでしょうか。


品質保証部がやらなければならないことは、もちろん、問題の「粗探し」や現場の自信や信頼をうばうことではありません。現在の製造業の改善活動では、気づかぬうちに「粗探し」に陥り、忙しい現場のモチベーションを低めていることがあるように思います。

良い点を見つけ出す「宝探し」をして、現場を認めて、褒めて、伸ばす視点が不足していないでしょうか。市場での不良を発生させないことが当然のごとく扱われがちですが、現場のたゆまぬ努力によって、その高い品質が維持されていることも、けっして忘れてはなりません。

品質保証部は、顧客(買い手)の立場と工場(作り手)の立場で、両者の間に立って、ものごとを独立した立場で客観的にとらえて、お客さんに品質を保証する役割をはたすことが求められます。同時に、客観的な立場は、現場の問題点(短所)の追求ばかりでなく、工場の宝(長所)を伸ばすことで、よりよい工場にしていくことにも役立てることができます。

これは、守りの品質改善活動ではなく、攻めの品質改善活動です。

・現場でどんな工夫や活動(5Sや品質)が実施されているでしょうか。
・どんな管理方法や改善がすでに実施されているでしょうか。
・工場できちんとおこなわれている当たり前のルールや仕組みはなんでしょうか。
・地道に仕事に励む縁の下の力もちさんはどこにいるでしょうか。
・現場の活動に経営トップが注目して、どれだけ表彰ができているでしょうか。
・経営者自らが現場を歩き、どれだけ最前線の社員に声をかけられているでしょうか。

隠れた品質改善手法

現場のことを叱る前に良い点を見つけて、褒められているでしょうか。
現場の「宝」を探して、感謝し、士気をどれだけ高められているでしょうか。
問題の改善の前に、ぜひ良い点をきちんと伝えてみてください。


工場には、品質改善の「宝」があふれていますが、
気づこうとしなければ、宝の山にもみえないでしょう。
日頃から現場に足を運ばなければ、小さく輝く宝にも気づけないでしょう。

KAIZENのヒントは現場にあり。ヒトの気持ちも現場にあるはずです。

ものづくりはヒトがおこなうものだからこそ、良い点を見つけて、
ヒトの気持ちも高める品質改善で、品質も職場の雰囲気もよくしていきたいものですね。



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2013年08月14日

「草むしり」に学ぶ根本的な品質改善

「草むしり」に学ぶ根本的な品質改善
(2013年8月14日)品質管理研究所


製造現場の問題は、いたるところに見え隠れしています。

現場で見つけた問題点に対して、
改善をしても、日をあらためて見周ると、同様の問題が再発している・・・。


そんなことが多くの実務の現場でおこっているのではないでしょうか。

現場の問題を取り除くプロセスは、身近な畑の『草むしり』と似ています。

草むしりと根本的な品質改善

畑に雑草が生えていれば、作物に光や栄養や水が不足し、
育てたい作物がすくすくと育たず、
品質が低下するばかりか、収穫も減ってしまいます。
雑草を放っておくと、害虫の発生や収穫時の作業効率の低下もおこりかねません。


製造現場でも、生産を阻害する雑草(現場の品質問題)により、
新たな問題が引き起こされ、品質低下や生産効率の低下を招いているのです。


そのため、雑草を除去する必要がありますが、
目に見えている不要な草の茎をかりとっただけでは十分ではありません。

一時的に綺麗になっても、地に深く根ざした根がのこっていることで、
時間がたてば、また草が育ち、もとのように生えてきてしまいます。
雑草は、1年でかれるだけでなく、2年目以降も生き延びるものもあります。

目先の問題だけを摘み取るだけでは、
土の下に隠れた根となる本質的な問題を取り除くことも難しくなり、
再び同じ問題に悩まされることになりかねません。


目に見えている問題に根ざす本当の問題は、一体何でしょうか。

目に見えた問題を生み出すもととなる
特徴的な土壌「組織・思想・仕組み・基準・躾・指導」にどんな問題が潜んでいるでしょうか。


草むしりと根本的な品質改善

私たちが何か問題を改善するときに、
草の茎を急いでとることだけではなく、

再発を防ぐために、土の中にある根(本当の問題)をきちんと発見し、
どのようにとりのぞくかということに着目しなければなりません。



自然は、私たちの先生です。

私たちの組織でおきている問題の多くは、
長年の進化の過程で自然界がすでに答えをみつけてくれている気がします。

生物の進化と同様に、改善にも終りがありません、
自然に学んで、品質改善にも役立てていきたいものですね。



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2013年08月12日

海外出張で気をつけたい17のポイントとは?!

海外出張で気をつけたい17のポイントとは?!
(2013年8月12日)品質管理研究所


仕事で、はじめて、海外へ訪問するとき、
空港への移動、飛行機の乗り継ぎ、ホテルでのやりとりなど、
仕事以外のことで不安に感じることがあるかもしれません。


海外出張・海外旅行の注意ポイント

今回は、仕事での海外出張で、事前にすこしだけ知っておいたほうがよいことをご紹介します。

これまで、工場監査の旅を通じて、さまざまな国を訪問しましたが、

ヒヤッとしたことが何度かありましたので、
ご自由にダウンロードできる海外出張での持ち物チェックリストとともに
下記の17のポイントがみなさまの海外出張や海外旅行の参考になれば幸いです。

_____________________________

<海外出張で気をつけたい17のポイント>

@出発前に、パスポートとチケットとお金の3つ!忘れずに
A空港へは2時間前に余裕をもって到着を!
Bチケットの発券は余裕をもっておはやめに!
C大切な仕事の道具は、手荷物に!
D搭乗口の変更に備えて!
E現地の通貨への換金はどこで?
F国際線の乗り換えの落とし穴とは?
G小銭は少なめ、お土産いっぱい!
H飛行機が飛ばなくなったらどうする!?
Iホテルの部屋の乾燥には要注意!?
Jホテルのチェックインとチェックアウト
K気持ちの良い朝のスタートを!
Lホテルにかえってからの業務の報連相
M仕事の関係者と旅の日程の共有を!
N領収書は、会社名できちんと保管を!
Oタクシーは、正式なタクシー乗り場から!?
P移動に重宝するホテルの名刺とは?


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@出発前に、パスポートとチケットとお金の3つ!忘れずに海外へ出発するために必要なもの、それはパスポートとチケット!これさえあれば、海外に行くことができます。もちろんお金も必要です。不足のものがあれば、現地で調達することもできます!

海外へ出かける前日には、このパスポートとチケットとお金の3点を必ず準備しておきたいものですね。

海外出張・海外旅行の注意ポイント

もし、フライト当日、パスポートをわすれたときには、自宅にもどっている時間はありませんので、ご家族や友人に助けをもとめて、空港までもってきてもらいましょう!時間に間に合わない場合は、あまりあわてず、次の便に変更するなど、あせらず対応することが大切ですね。

海外へ出張する際に必要になるその他の荷物については、うっかりわすれやすいので、下記の海外出張への持ち物チェックリストを無料でダウンロードできるようにしていますので、うまくアレンジしてご活用いただければ幸いです。海外出張に限らず、海外旅行の際にも、このような持ち物チェックリストを活用して、事前の準備をしっかりしておくことが、楽しいたびにつながりますね。

■ 海外出張・海外旅行 持ち物チェックリスト

自分のたびにあった荷物チェックリストを作成して、活用するうえで参考になれば幸いです。
わすれものがないように、旅の目的にあわせて、自分なりの持ち物を追加してください!

海外出張 持ち物チェックリスト

■ 海外出張・海外旅行の持ち物チェックリストのダウンロードはこちらからどうぞ!

ひらめき 海外出張・海外旅行持ち物チェックリスト(PDF)

ひらめき 海外出張・海外旅行 持ち物チェックリスト(EXCEL)

印刷しておいて、かばんにいれておけば、毎回忘れ物の心配もいりませんね。


A空港へは2時間前に余裕をもって到着を!
海外出張で国際便にのる場合、時間に余裕を持って2時間前に到着しておくのが基本です。

電車で空港にいく場合、電車の事故などで、途中で移動が遅れる場合もあります。空港までの複数の交通機関での行き方を理解しておくとより安心です。いざとなれば、タクシーさんを呼べば大丈夫とおもっていれば、気が楽ですね。

朝の早いフライトの場合は、朝寝坊にも要注意です。お出かけの際には、いそいで、服にアイロンをかけて、電源をけしわすれたり、ガスや電気のつけっぱなし、戸締り忘れにも要注意ですね。

また、海外の大きな空港では、複数のターミナル(Terminal)があり、移動に大変時間がかかります。日本のような小さくまとまった空港の姿を想像していると、海外の大きな国際空港におどろかされるかもしれません。空港内は広く迷いやすいので、移動が数分ですまない場合があり、時間に余裕を持って移動することが大切ですね。

海外出張と時間管理

さらに、フライト時間は、飛び立つ時間のため、電車のように駆け込み乗車はゆるされません。特に、国際便の場合は、飛行機への搭乗時間は、フライトの時間より早いため、搭乗口へ早めに行って待っておくと安心です。搭乗口からさらに、専用のバスで移動して、滑走路にある飛行機の前までいって飛行機に搭乗することもあります。いったん搭乗口を確認してから、お土産を買いにいったり、コーヒーを飲みにいったりするのがおすすめですね。すこしだけ、はやめ、はやめの移動がゆとりのある旅となりますね。


Bチケットの発券は余裕をもっておはやめに!
チケットを発券してもらうために予約した飛行機の便をたよりに、空港の電子掲示板案内をみて、A、B、Cなどの特定の場所にある航空会社(ANA、JALなど)の受付カウンターを探します。航空会社は、英字で表記され、MUやFMなどの表記で省略されています。

場所がわからない場合は、大きな受付カウンターや空港の方に予約したEチケットなどを見てもらいながら、聞いてみるとよいでしょう。チェックインカウンターでは、世界中のさまざまな便にのられる多くのお客さんがたくさん並んでいます。長蛇の列で発券に時間がかかることもよくあるため、空港についたら、できるだけ早いタイミングでチェックインしておく、余裕も大切ですね。

C大切な仕事の道具は、手荷物に!
荷物を預ける際には、仕事で使用する大切な所持品は、手荷物につめこみましょう。荷物をあずけて、ロストバゲージというように、荷物が別の空港へ旅に行ってしまったりして、でてこない場合もありますので、仕事に必要なパソコンなどの大切なものは、自ら飛行機に携帯する手荷物にしておくのがおすすめです。

海外出張と手荷物

また、複数の国を旅している場合、預けた荷物に引き換えタグがつきますが、前の旅のタグがついていると行き先を間違える恐れがあるので、毎回きちんとタグをはずしておくことも大切ですね。

旅なれたビジネスマンは、全ての荷物を手荷物として、飛行機に持ち込む姿もよくみうけられます。より少ない荷物で旅の移動も気楽にできると、旅がより楽になりますので、おすすめです。


D搭乗口の変更に備えて!
発券後は、国際線の入り口での手荷物チェックと出入国審査(Immigration:イミグレーション)を通り、飛行機にのりこむ前の待ち合わせ場所「搭乗口」に行く必要があります。チケットには、乗り場の待ち合わせ番号が記載されています。この待ち合わせである「搭乗口」が、ときどき変更されることがあります。いったん待ち合わせ場所に到着したら、乗り場が変更されていないか、搭乗口付近に表示されている搭乗便が正しいかを念のためチェックしておきましょう。

変更がある場合には、同じ便にのる便のお客さんががやがやして、どこかへ歩いていく姿が見えるはずですので、まわりの雰囲気がかわるので注意しておきましょう。


E現地の通貨への換金はどこで?
最初は不安なので、少しの金額は、日本で換金しておくほうが安心です。タクシーでの移動やちょっとしたお買い物のために現地の通貨を少しだけ現金でもっておくと便利です。日本から移動の場合、国内の換金所で交換するよりも、現地到着地の換金所交換レートが良い場合が多く、現地で換金すると少しだけお得なことも多いものです。現地の国際空港の換金所や銀行、さらに高級なホテルでの両替などうまく活用していきましょう。

ヨーロッパではクレジットカードによる支払いが普及していますが、アジアなどでは、ホテルを含め、カードが使用できない場合や現地のカード会社のカードでしかホテルの費用支払いができない場合もありますので、現地の通貨として、現金をもっておくと、なにかと安心です。クレジットカードもひとつだけだと、カードが使えない場合もあるため、リスクを分散するためにもクレジットカードは2種類以上持っておくとより安心です。さらに銀行などでお金をおろせるキャッシング機能があれば、さらに便利ですね。


F国際線の乗り換えの落とし穴とは?
ヨーロッパへ行く場合の国際線などでは、途中で乗り継ぎのため他国の空港でいったん降りて、便を変更して乗り継いでいく場合もあるでしょう。乗り継ぎが発生する場合には、途中の乗り継ぎ国の時差があり、時計の時間修正をうっかりわすれていると、次の乗り継ぎ便に乗り遅れる可能性がありますので要注意です。

海外出張と時間管理

また、前の飛行機で乗ってきた便の到着時間の遅れによって、乗り継ぎの時間が短くなることもあり、乗り継ぎ便の時間の余裕もとっておくことや、遅れても対応しやすいように同一の航空会社さんで乗り継ぎ指定しておくこともおすすめです。

乗り換えの際の預ける荷物の受け取り場所も、搭乗の際にしっかり確認しておきましょう。


G小銭は少なめ、お土産いっぱい!
海外へ行く際には、現地の方へ日本のお土産にもっていくと喜ばれます。日本の硬貨を多くもっている場合は、空港のお土産屋さんで、うまく使っていくのもおすすめですね。海外を訪問した際には、さまざまな方が助けてくれます。移動のために空港までいつも迎えに来てくれる運転手さんなどにもちょっとしたお土産をわたすなど、心遣いを大切にしたいものです。


H飛行機が飛ばなくなったらどうする!?
さまざまな事情で飛行機が欠航となることがあります。次のフライトに変更してもらうこともひとつですが、他の選択肢がある場合は、飛行機ではなく陸路をせめてみるのもよいかもしれませんね。

以前、火山が噴火した影響でイギリスからフランスへのフライトがキャンセルになりました。どうしても次の日にフランスまで行かないと行けない仕事の用事があり、電車と新幹線に飛び乗り、世界の車窓の旅をした経験があります。あの手、この手で現地に行き着くことができれば、度胸がつくことまちがいなしです。


Iホテルの部屋の乾燥には要注意!?
海外のホテルは、日本の環境とは異なり、外の環境で体調を崩しやすくなるので健康管理がなにより大切です。特にホテルの部屋では、部屋が乾燥しやすいため、のどがいたくなることがよくあります。旅なれた方は、お風呂場にあるタオルを水でぬらしたり、バスタブにお湯をはって、部屋の湿度を上げる工夫をしています。海外へ出発前には、かばんにのど飴をしのばせておいて、ときどきなめるのもおすすめですね。

また、海外のお風呂では、仕事の疲れによるうたたねとお湯の出しっぱなしや、お風呂場のすべる床にも注意がいりますが、お風呂やシャワーでリラックスして、一日の疲れを取り、うまくリフレッシュしていきたいものです。

海外出張・海外旅行の注意ポイント


Jホテルのチェックインとチェックアウト
海外のホテルでは、チェックインの時に、事前の預かり金として、デポジット(保証金)でカードの提示が求められる場合がありますが、何か破損など不測の事態がなければ、清算時には、ホテルの宿泊や食事の費用だけの支払いですので、特に心配になる必要はありません。チェックアウトの時にきちんと支払い額を確認して、領収書をもらいましょう。領収書では、会社名など日本の名称がわかりにくいため、名刺を見せるのがおすすめですね。

宿泊した部屋に備えてあるお菓子やドリンクなどの「Mini bar」がある場合は、チェックアウトの時には、「Mini bar」について聞かれることでしょう。有料の飲食を使用した場合、追加の費用が発生するので、もし、飲食したものがある場合には、帰る際にフロントで会わせて支払いをしましょう。


K気持ちの良い朝のスタートを!
ビジネスで海外出張に来ている場合、日中仕事でいそがしく、自分の時間をなかなかとることができないかもしれません。もちろん、観光などをする時間もないのですが、朝すこしだけ早く起きて、朝ごはんの前に現地の公園を散歩したりすると、現地の雰囲気を味わえて、気持ちのよい朝から一日をスタートすることができます。現地の治安の情報を確認したうえで、安全に配慮しつつ、なかなか訪問する機会のない現地の一期一会を楽しみたいものです。


Lホテルにかえってからの業務の報連相
ホテルにかえったあとも、出張先では対応しきれない、日本への業務の報告、連絡、相談などたくさんの仕事がまっている場合も多いものです。海外での出張では、現地に訪問して抱えた問題をひとりで背負いやすいものですが、ひとりで悩まず、仲間と共有することが大切です。また、インターネットの回線がおそく思うようにメールでの連絡もままならない場合もあります。そのような状況も日本にいるメンバーに伝えておくことも大切ですね。

また、ホテルでパソコンを開いても、ホテルについているコンセントでは、日本のプラグに対応しておらず、電源がとれないこともあります。そんなときのために、さまざまな国の端子に対応した世界対応の変幻自在の変換プラグをもっていくのがおすすめです。もし忘れた場合でも、ホテルのフロントさんで確認すると貸していただける場合がありますので、あわてず確認してみましょう。


M仕事の関係者と旅の日程の共有を!
海外へ出張にいくと、日本で仕事をしている仲間との情報共有が必要になります。出張先での旅程をしっかりと仲間と共有しておくことが大切です。いつも仕事をしている自分の机の上に旅程をコピーしておいたり、連絡先を明記しておくとお互いに安心です。また、仕事でE-mailをよく使用されている場合は、すぐに返事ができない場合があるため、外出中であることを、自動返信機能を活用して、連絡してくれた相手に伝わるようにしておく配慮も必要ですね。

海外出張・海外旅行の注意ポイント


N領収書は、会社名できちんと保管を!
帰国後、海外で宿泊したホテル代や移動に要したタクシー代など清算のために領収書が必要になります。領収書には、自分の名前ではなく、会社名を明記してもらうなど、領収書をもらう際に確認しておきましょう。また、領収書が増えてくると紛失してしまいやすいので、まとめてチャック付きの袋にいれてまとめておくのがおすすめですね。

<経費削減>
企業の経費削減として、欧州などの海外のホテル代に追加でかかるような税金VAT(Value Added TAX:付加価値税/日本の消費税に近い)に対して、後から還付してもらえる制度を活用している企業もあるでしょう。VATの還付は、海外の企業が、会社費用の負担で支払った税金(VAT)に対して、後で手続きを行い、課税されたお金を返してもらうことです。

VAT還付をおこなっている場合、企業でどのような形でインボイスをもらっておけばよいか、あらかじめ確認しておくことも大切ですね。インボイスには、通常の領収書と異なり、適用される税率と税額が明記されている特長があり、VAT(付加価値税)が明記されています。その他、インボイスに記載いただく企業名称に誤りがないことや企業の住所(本社所在地)を記載してもらうこと、ホテル印をおしてもらう、など要件を確認して、エビデンスとして認められないことのないよう注意しておくことも大切ですね。

【参考】 
・財務省HP 『請求書等保存方式』と『インボイス方式』
・日本貿易振興機構JETRO HP 『VATの還付制度:EU』


Oタクシーは、正式なタクシー乗り場から!?
目的地への移動は、タクシーで移動することが多いものですが、タクシーの業者の名前やメーターがついていない個人営業のタクシーもあるものです。駅についたら、知らない運転手さんがたくさん声をかけてきますが、正式なタクシー乗り場のタクシーに乗って、目的地にいきましょう。現地の方も声をかられけた個人のタクシーにのらず、そのまま正式なタクシー乗り場にいって、のっているのをみれば、どちらが安全か、一目瞭然です。

事前に訪問する国のタクシー事情についても理解しておくとより安心です。タクシーに乗ったら、目的地を印刷した地図や住所、ホテル名などを見せて理解してもらうことが多いものですが、アジア圏では、英語表記などでは、わからない場合も多く、現地の言語で書かれた名称なども、印刷しておくと役に立ちます。


P移動に重宝するホテルの名刺とは?
ホテルに到着した後で、ご飯を食べに移動したり、仕事で出かけることもあるでしょう。ホテルには、ホテルの名前と住所と地図が記載されたホテルの名刺がフロントにおいてありますので、ホテルを出る際には、いつでも簡単にもどってこられるようにホテルの名刺をもらっておき、ホテルに帰る際には、タクシーの運転手さんに見せて、ホテルへ帰宅するのがおすすめです。これで、早々迷子になることはありません。


以上、海外でのひやり経験をもとに海外出張での17のポイントについて、ご紹介しました。

初めての海外の出張では少し不安もともないますが、きちんとした準備があれば心配ありません。
海外へ訪問する機会はなかなかない素晴らしい機会であり、現地の方と仲良なることがなにより大切なことではないでしょうか。一期一会でその出会いに感謝していきたいものですね。

みなさんの海外出張が、より安全で、充実した旅になれば、たいへんうれしく思います。


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posted by かおる at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 監査のたび