2012年10月31日

ゆでがえる現象とは?

ゆでがえる現象とは? - 品質管理研究所 -


ひとや企業が成長するためには、変化が必要です。

変化は、チャンス。
変化は、リスクではなく、機会。


リスクとおもうか、
チャンスとおもうか、
心が決めることです。

事前に心の準備があれば、チャンスとなるでしょう。

目の前の小さな変化をとらえて、仕事ができているでしょうか。
そして、自分自身から、周りに変化をうみだせているでしょうか。

毎日さまざまな仕事にながされて、
あっという間に時が過ぎていないでしょうか。

変化もすくなく、あまりに居心地がよいと、
気がつかないうちに、『ゆでがえる』になっているかもしれません。

ゆでがえる現象


■ 大企業病ともいえる『ゆでがえる現象』とは?

ゆでがえる(茹で蛙)とは、
かえるを熱いお湯に急にいれると、
かえるは、あまりの熱さに驚き、熱い湯から飛び出して、助かるのに、

かえるを水の中にいれて、じわじわと水を温めて、お湯にしていくと、
かえるは、そのわずかな水の温度変化に気づかず、
茹で上がって命をおとしてしまうというたとえ話です。


ゆでがえる現象

ヒトや組織も、この『ゆでがえる』と同じように、

企業の社内というぬるま湯につかっていると、

めまぐるしく変化する外界の環境変化にきづかず、問題を見過ごしてしまい、
気がついたときには、とりかえしがつかないほどの厳しい状況に
追い込まれてしまうということです。



■ ゆでがえるを防ぐためには?

仕事がマンネリ化して、変化に鈍くなっていないでしょうか。
このような『ゆでがえる』に、ならないようにするためには、どうすればよいでしょうか。

ぬるま湯の中でも、わずかな変化は、確実にあるのです。

小さな変化に気づくためには、
日頃から、現場で、お客様や現物にふれ、
現実を把握して、生きた情報に触れることが必要です。


鮮度のよい情報は、2つの『もの(物と者)』から感じとるものです。

情報収集力と仕事品質

周りには、湯の温度の変化を教えてくれる様々な「かえる」さんがいるものです。

お湯の温度変化の違いにも敏感な全く外のかえるさん(取引先・協力会社さん)、
小さな変化にも敏感な異なる世界のかえるさん(中途社員・新入社員さん)、
刺激の強い熱いお湯に自ら飛び込みなかえるさん(チャレンジ旺盛な仲間)、
ぬるま湯にのぼせて、気を失いかけているゆでがえるさん(反面教師)、

さまざまなかえるさんが、気づきのきっかけを提供してくれます。

企業の規模が大きくなるにつれ、たくさんの社員で仕事を分担します。
伝言ゲームのように、情報の鮮度も落ちていることもあるでしょう。

はいるお湯の温度を測定すれば、客観的に状態を把握することができます。
小さな変化を客観的な指標と数値で、『見える化』しているでしょうか。

実態を数値でつかみ、変化をとらえなおすことは大切なことです。



以上、今回は、ゆでがえる現象について、紹介しました。

時代を華々しくかざった産業も、数十年で大きく変化しています。

安定した企業は、ゆでがえる社員をうみだす温床となり、
企業を衰退させているのかもしれません。

みなさんが『ゆでがえる』にならないように、
かえる(≒ かおる)から、実務で役立つ品質の考え方を
これからも楽しくお届けできれば、うれしく思います。



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2012年10月29日

工場監査先の選定方法とは?

数珠つなぎの監査が必要?工場監査!
(2012年10月28日)品質管理研究所


高い品質の製品をつくるために、自社の品質つくりこみにとどまらず、

使用される部材の製造メーカーさんの工場を監査して、
自社の品質要求基準を満たしているかを確認することが求められます。


工場監査では、部材メーカーさんの生産工場に訪問して、製造現場を確認しますが、
工場監査での対象先は、どのように絞り込んでいるでしょうか。


工場監査と部材品質


(1)品質を確保するための監査対象の選定とは?
下記のように、ひとつの部材が出来上がるまでに、
複数の加工先を経由する場合がほとんどではないでしょうか。

■ 部材A(メーカーA)/部材B(メーカーB)→加工先C→加工先D→自社→お客様

部材が自社に納入されるまで、どのような旅をしてきているでしょうか。
その流れを追いかけて、どこの工場を監査する必要があるかを明確にしましょう。

安定した供給をはかり、価格交渉力を高めるため、
複数の部品購買先が設定されている場合もあるでしょう。

部品の製造先がかわれば、品質もかわるものです。

製品の核となる部品であれば、
部品の一部が最終製品の品質にどのような影響があるか、
その品質上のリスクを把握した上で、どの段階までさかのぼって、
工場監査を実施するかを決める必要があります。

不必要に工場監査先を広げれば、費用だけがかさみ、
コストを意識した品質向上になりません。

すべての取引先をくまなく監査するという発想よりも、
重点指向で監査先を選定するという発想が必要になります。

・品質問題がおきやすい部材、
・品質問題がおきると大きな影響のある部材、
・品質問題がヒトの人命にかかわるような部材、
・外観上、品質問題が判別できず、工程での作りこみが要求される部品、
・品質管理体制が十分でなく、品質改善が必要な組織


など、事前の工場視察や過去の品質情報から判断することが求められます。

監査はあくまで品質確保のひとつの手段であり、
監査をすることが目的化しないようにすることも大切ですね。


(2)数珠つなぎの監査とは?
一般的には、監査先の対象は、自社の直接の納入元である
加工先D社を工場監査することになるでしょう。

■ 部材A(メーカーA)/部材B(メーカーB)→加工先C→加工先D(監査対象)→自社→お客様

部材メーカーA・B社や加工先C社は、必要に応じて、自社で工場監査をすることも必要ですが、
その場合は、加工先D社と一緒に監査を実施することになります。

監査対象が、A社、B社、C社であっても、監査への指摘は、
監督責任をもつ加工先D社に対する指摘改善を促すという形をとることになります。

あくまで、直接の取引関係にある加工先D社が、
責任をもって管理監督する責任をもっているということをチェックし、
問題を再認識してもらうことが、品質の高い製品を継続的にうみだすためには必要です。

では、もし、工場監査で、加工先D社だけを工場監査して、
その他A、B、C社を自社で監査しない場合、どのようにすれば、品質を確保できるでしょうか。


管理監督責任のあるD社が、これらのA、B、C社の工場をしっかりと
監視できているかどうかをチェックし、D社が工場を監査していることが必要になりますね。

加工先D社が、D社に納入される部材の加工先C社や部材メーカーA・Bに対して、
下記のことができているかを、下記の各種のエビデンス(証拠)から確認するのがおすすめです。

・初回の工場監査を実施した記録と課題の確認
・部材や加工品に対する品質確認試験の結果とその妥当性検証
・設計審査(DR)の進捗状況と部材や加工に対する課題点の把握
・生産工程中での歩留りや不良内訳(類似製品や量産試作製品)と対策状況
・製品をつくる上で必要な仕様書や契約の取り交わし記録
・定期的な品質会議の実施記録や計画
・工程パトロールや定期品質監査の記録や計画


品質管理上必要となる試験と結果、生産上の課題、監査の記録や計画・進捗、
品質を維持するための契約、実際に取引が始まったあとの品質管理体制の構築など、

加工先D社が、取引先に対して工場監査を実施し、
数珠つなぎのように情報を共有し、問題を改善できているかを確認することが大切です。

品質問題が発生してから、問題を改善するのではなく、
問題が発生する前に問題点を解決し、安定した品質体制を築くことがポイントですね。


(3)隠れた存在こそ明らかに!
さきほどのサプライチェーンの中で隠れた存在が、後から明らかになる場合もあるものです。

■ 部材A(メーカーA)/部材B(メーカーB)→加工先C→加工先D→自社→お客様

このとき、加工先Dから自社に直接納入されている場合だけでなく、
いったん外部の委託倉庫に製品が保管されて出荷されている場合があります。

■ 部材A(メーカーA)/部材B(メーカーB)→加工先C→加工先D→外部倉庫E→自社→お客様

外部倉庫E社が、D社の出荷指示に応じて、
都度、部品が出荷されている場合もありますので、
部材がどのようにして保管・出荷されているか確認することも必要です。

部材の保管管理条件で大きな品質低下を及ぼすような場合、
この外部委託倉庫を工場監査の対象として、きちんと現場確認しておくことも大切なことです。


高い品質で作られた部材が、最後の保管や輸送の取り扱いによって、
品質問題になることもあるので、ぜひ注意していただきたいポイントのひとつです。


問題が発生した後に迅速に問題に対処することも必要ですが、

工場監査を通じて、問題が発生する前に、問題の原因となりえる
『見えないものを見ようとする意識』を持って、現状を把握することがかかせません。

隠れたものは、意識的に見ようとしなければ、なかなか把握できないものです。
隠れたものには、目に見える問題の根本的な原因が潜んでいます。


工場監査では、目に見えないポイントをひとつでも見つけて改善できれば、
それだけでも、大きな価値があるのではないでしょうか。


以上、今回は、工場監査対象の絞り方とポイントについてご紹介しました。
工場監査時の心構えなど、下記の関連記事も参考になれば、幸いです。


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2012年10月27日

リンゲルマン効果と品質管理

リンゲルマン効果と品質管理 -品質管理研究所-


ひとつの製品をつくる上で、世界中のさまざまな部材が使われます。

さまざまな部材が、世界中から長旅をしてきて、製品に組み込まれていきます。

部材品質管理とリンゲルマン効果


どこの国で、どんなひとが、どのようにしてつくった部材でしょうか。

ひとつの部材が出来上がるまでに、
どれだけの企業やヒトといっしょにものづくりしているでしょうか。

ものを設計する、ものをつくる、販売する、輸出入を支援するなど、
下記のようにさまざまな関わり方が存在します。

・複数の加工先を経由する場合
・複数の部材が組み合わされている場合
・ひとつの同じ部材に複数の購買先が設定されている場合
・設計だけを行い、協力会社に生産を委託している場合
・製品の販売に特化した企業が窓口になっている場合
・商社が取引を仲介している場合
・工場の中に協力会社さんが常駐して、社員と一緒に生産している場合
・パートさんやアルバイトさんが生産を支援している場合
・さまざまな国の社員が生産をしている場合

納入される製品がどのようなひとや企業のつながりで出来上がっていくか、
どれくらい把握できているでしょうか。

品質管理というと、お客さんに提供する『ものの品質』に目がいきますが、
だれとつくっているか、だれが関わっているかという『組織間の関係』にも注目することが大切です。


その部材をつくるひとと組織間の関係は、どこまで見えているでしょうか。
どんなヒトと組織がモノを作るかによって、製品の品質を管理するポイントも変わります。

社内で品質不良を調査していくと、取引される部材起因の不良が、
全体の品質不良の多くを占めていることもあるものです。

製品の品質は、自社内で完結するものではなく、
取引する関係者を含めた品質マインドや品質管理に大きく影響をうけるものです。

そのため、取引先を確認する工場監査では、このような『組織の関係性』を明確にし、
関係者のつながりや相互の品質管理体制をチェックすることがおすすめです。



■ リンゲルマン効果

ドイツの心理学者リンゲルマンさんは、およそ100年前にこんな実験をしました。

リンゲルマン効果(社会的手抜き)と品質管理

綱を引っぱるときに、一人でひっぱるとき、二人でひっぱるとき、・・・
人数をふやしていくと、発揮される力がどのように増えていくか。

参加する人数を一人から二人、二人から三人、八人までふやしていくと、

人数が増えていくほど、期待される力は十分に発揮されず、
ひとりあたりの貢献度が低下する現象(リンゲルマン効果)がおきてしまったというのです。


誰かがやってくれるはずと感じるような環境では、
気づかないうちに気を緩めてしまいやすいものです。

組織をかたちづくるのも、ヒトです。

取引する部材の品質管理上、かかわる組織やヒトがふえればふえるほど、
お互いにどのようなサポートをするのが効果的か、
どんな役割をはたすべきか不明確になりやすいものです。

各組織の品質向上へのサポートや事後のフォローの仕方は、
目に見える具体的な活動項目になっているでしょうか。


単に管理する側と管理される側のような関係ではなく、

サポートする側と期待にこたえる側といった
相互発展できる良い関係性を構築する機会を生み出せているでしょうか。



目先の品質にとらわれるばかりでなく、
モノを作る組織と人の関係性に着目して、
品質を良くする関係や場を創造してきたいものです。



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2012年10月24日

スケジュールが命とり?工場監査!

スケジュールが命とり?工場監査!
(2012年10月24日)品質管理研究所

新規の部材を調達する際には、工場監査(Factory Audit)を実施します。


工場監査では、

部材(部品や材料)をつくる工場の品質管理体制や製造現場の状況を確認して、
要求した品質の部材が安定して納入されるような体制があるかを確認します。

さらに、必要に応じて、問題を未然に防ぐための改善を実施します。


多くの企業の品質部門には、取引先に訪問して、
このような工場監査を実施する『工場監査員』がいるものです。

今回は、取引先の部材メーカーさんの監査を実施する上で、
監査員が意外と見落としがちな監査日程設定の4つのポイントについて、考えてみましょう。


_______________________

<工場監査の日程設定の4つのポイント>

(1)現場の都合に合わせた監査日程の設定
(2)工場監査の詳細なスケジュールの調整
(3)監査時間の制約事項の把握
(4)工場監査の事前準備

_______________________




工場監査と日程


(1)現場の都合に合わせた監査日程の設定
監査の日程は、いつがよいでしょうか。
監査員の都合だけで監査日程がきまっていないでしょうか。


製造機種切り替えに手間がかかる大掛かりな製品をつくる企業では、
生産の都合上、監査当日に実際に生産ができない場合があります。

工場慣れしている取引先さんであれば、
生産しているときに監査をするものであることを理解して、
事前に調整をして準備してくれている場合もありますが、
そのような監査に慣れている企業ばかりではありません。

事前に生産日程を確認して、調整することが大切です。

監査員の日程の都合だけでなく、生産先さんの都合にもきちんと配慮して、
工場監査の日程を決める心遣いが監査員に求められる資質といえるのではないでしょうか。

もし、生産タイミングと合わせて、監査ができない場合には、
類似の製品での確認やデモ的に作業を実施してもらうなどできる限り実際の
製造現場で行われる作業に近い形で確認できるように日取りを調整しましょう。

また、本工場監査の前に、事前のプレ工場監査を実施して、
できるだけ事前に問題を解決して、本工場監査で最終確認するなど、
監査の日程を分割して臨機応変に対応することもできるでしょう

大手企業さんの監査員が来てくださる工場監査では、1回や2回にとどまらず、
何度も足を運んできていただき、ご指導いただくこともあるものです。

工場監査員

製品に及ぼす部材の品質影響度や実際の管理状況をふまえて、
工場監査を複数回設定することもできますが、

監査員や取引先の貴重な時間や費用もかかることから、費用対効果もふまえて、
品質を確保できるような効率的な監査の日程を組んでいくことが求められます。



(2)工場監査の詳細なスケジュールの調整
工場監査での全体のスケジュールをあらかじめ監査先と共有することも必要です。

事前の準備資料等を含め、お互いに余計な時間や手間が発生しないような
段取りが、監査を成功させる秘訣ともいえるでしょう。

例えば、1日かけて、じっくり監査を実施する場合では、

下記のように具体的に時間割りと内容を知らせておくと、
監査を受ける側も準備がしやすいものです。


【監査スケジュール 例】
9:00- 9:10 ご挨拶・名刺交換
9:10- 9:20 監査の趣旨と目的
9:20- 9:50 会社概要説明
9:50-10:00  <休憩> 
10:00-11:00 製品の技術/工程説明と確認
11:00-12:00 品質管理体系の説明と確認
12:00-13:00  <お昼休み>
13:00-15:00 製造工程の現場確認
15:00-15:30  <休憩> (監査のまとめ)
15:30-16:30 監査講評 (クロージングミーティング)

なお、会社概要の説明は、一般的には、サプライヤーさんが一方的に行う場合が
多いものですが、購買企業の側でも会社プロフィールを用意しておき、
両者がお互いのことを良く知る機会にすることがよい監査のきっかけづくりとなります。

このような実施事項とあわせて、
準備してほしいものを事前に要望しておくことも大切ですね。

プロジェクター、会社概要資料、QC工程図、名刺のコピー、ポインター・・・など

工場監査とチェックシート


 タバコミニケーション

最近では少なくなりましたが、たばこを吸う方がおられる場合には、
禁断症状がでないように、ときどき休憩をとってあげることもおすすめです。

タバコミニケーションは、肩身の狭くなった少数の喫煙者の特権といえるかもしれません。

小さな喫煙ルームで、タバコという共通点をもってリラックスすることで、
親密性が不思議と高まるものです。

タバコをすわれる監査員にとっての意外と強い味方になっているかもしれませんね。

監査でもいつもの姿をありのまま見せてもらうことが重要です。

ざっくばらんに気さくに話せる自然な状態をつくることも、
監査員の腕の見せ所といえるのではないでしょうか。



(3)監査時間の制約事項の把握
監査の日程は、計画しているものの実際の監査で時間通りに進めることが
できず、時間通りに終わらない場合ももちろんあります。

サプライヤーさんが、監査になれておらず、
書類審査などが不慣れでスムーズにできなかったり、
現場での問題点が目立つ場合、時間を超過してしまう場合もあるでしょう。


工場監査と時間管理

夜になれば、暗くなることでの新たな監査のポイントが見えてくるメリットもありますが、
時間が延びることで、現場で作業されるパートさんや社員さんの就業時間に制約があり、
現場の確認ができなくなることもありますので、
常に『時間』を意識して、工場監査を実施することが大切ですね。

特に、24時間のフル生産ではない企業の勤務シフトや就業時間も理解しておくことが大切です。


また、製造上、1日に一回しかしない作業など、時間に制約がある工程もあります。

あらかじめ監査前に確認しておき、監査当日に現場確認できるように、
その工程のスケジュールを優先的に調整しておくことが求められるでしょう。

特に最終の出荷検査などの重要な工程については、実施する頻度が少なく、
事前に連絡しておかないとすでに終わってしまっているような場合もあるので、
出荷検査は、注意しておきたい工程のひとつといえるでしょう。


(4)工場監査の事前準備
工場監査は、量産開始前の段階で実施されますが、
その監査の前に、自社の品質要求にこたえた製品をつくれる企業か、また
十分な品質管理体制がある企業かを視察訪問して、現場確認する『下見』も大切なことです。

どの企業さんと一緒に仕事をするかで、製品の品質は大きく変わります。
最初の選択を誤ると、後から大きな品質問題を引き起こすことになりかねません。


単に製品の目先の価格の安さだけにとらわれて、購入してしまうと、
後から、市場不良という大きな出費を被ることになるでしょう。
品質問題がひとたびおこると、ものすごく高い授業料となりますので、要注意ですね。

監査をする時点で、問題のある企業とわかっても取り返しがつきませんので、
日頃から良いパートナー企業を探し、良い関係を構築しておくことが、大切ですね。


このような下見をふまえて、取引させていただくパートナーを選定し、
工場監査を実施するまでに、工場監査チェックシートなどで問題点を明らかにして、
本工場監査の日取りを決めて、品質を確認していくことになります。


以上、充実した工場監査を実施するための監査の日程設定の4つの
見逃しやすいポイントをご紹介しました。

工場監査は、限られた時間で実施するため、事前の下準備と監査先への配慮が大切です。
サプライヤーさんの監査窓口対応の方の力もお借りして、
よい製品を一緒につくるための工場監査を成功させ、品質の高い製品をつくりあげましょう。



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2012年10月23日

品質マインドを高める「品質十戒」とは?

品質マインドを高める「品質十戒」とは? 品質管理研究所


慢性的な品質不良に悩まされていませんか?

製品やサービスの品質は、経営者の品質に対する意識と考えがあらわれます。
そして、そのトップの考えから、社員の日々の仕事のやり方が大きく影響をうけているものです。

品質マインド

慢性的な製品不良や品質クレームを改善していくためには、
製品だけを見るのではなく、

むしろ、
その製品をつくるプロセス、製品を生みだす社員の仕事の品質、
経営者と社員の品質マインドそのものを高めることがかかせません。


ホンダで品質管理に35年も従事されたベテランが明かす品質に対する考え方
「品質の十戒」がたいへん参考になりますのでご紹介します。

■ 「段違い品質」を実現する現場力 酒見和行さん

  


品質の軸となる企業の経営者、プロジェクトリーダー、
業務の管理責任者、指導者、現場リーダーなど、
誰かと一緒に仕事をして、教育指導する立場にある方はもちろん、
サプライヤーさんや商社さんなどの外部メンバーとの仕事の中でも
常に意識しておきたいポイントが、下記の品質の10戒です。

_______________________________

【戒律一】 やってるはずと言う事なかれ −タラレバ、デモシカ、ハズ、は禁句

【戒律二】 言いっぱなしにすることなかれ −指示や評価のフォローを怠るな

【戒律三】 聞きっぱなしにすることなかれ −指示、アドバイスの放置、忘れることなかれ

【戒律四】 まかせっぱなしにすることなかれ −確認、管理を怠るな

【戒律五】 やりっぱなしにすることなかれ −PDCA管理のサイクルを回して確かめろ

【戒律六】 問題の先送り、することなかれ −「日々完結」を基本としろ

【戒律七】 計画倒れになることなかれ −成功は実行したかどうかが分岐点

【戒律八】 聞き流しにすることなかれ −指示、アドバイスは無視せず活用しろ

【戒律九】 ほったらかしにすることなかれ −仕事と環境は「3S」が基本を忘れるな

【戒律十】 「やってます」に安心することなかれ −中味と精度とスピードが重要

_______________________________



任せっぱなし、言いっ放し、やっているはず、先送り、など、
仕事が忙しいと、ついおろそかになりやすいことばかりです。


このような仕事のフォローアップ不足に陥ることのないように注意したいものです。

品質に対する組織の風土や考え方はすぐに変えることは難しいものの、
全く変えられないものではありません。

品質改善のために何か大きなことをしなければとおもう前に、
身近にできることから、愚直に実践していくことが、
企業の品質マインドを高めるきっかけになるのではないでしょうか。



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