2012年06月23日

TOC制約条件の理論とは?

TOC制約条件の理論とは? - 品質管理研究所 -


TOC(Theory of Constraints:制約条件の理論)とは、

1984年生まれのイスラエル出身の物理学者
エリヤフ・ゴールドラット博士(Dr. Eliyahu M.Goldratt)が
提唱した全体最適化をベースにした優れた思考プロセスです。

ボトルネックと全体最適化

『本当に重要なものはなにか?』
それを見極めるために必要な思考をわたし達に教えてくれます。

企業の組織が大きくなると社員も増え、

経理部、生産部、営業部、品質保証部、技術部など
多くの業務が分担され、調整しながら、実務が行われます。

ひとつの部門をとっても、生産部では、各ラインの工程ごとに作業が分担され、
ごく小さな部分的な範囲に責任をもって仕事をするようにどんどん細分化されていきます。

最終的なお客さんにとっては、手元に届くひとつの製品としての価値、
そして、Q(Quality)とC(Cost)とD(Delivery)が必要とされます。


このような現代の組織の分業がもたらした部分最適化を、

全体最適化へと思考をひろげ、
組織としての本来の力をいかに発揮できるかを
あらためて考えることが必要ではないでしょうか。

今回は、この全体最適化を図るTOCの理論を
製造現場の実務でどのようにいかすことができるか、
簡単な活用方法と考え方について、ご紹介します。

_______________________

<TOC制約条件の理論>

(1) ボトルネック工程とは?
(2)生産工程のTOC(制約条件の理論)
 @ボトルネックの生産性を高める基本な改善方法
 A各工程での生産時間に大きなばらつきがある場合の改善方法
(3)ボトルネック工程の実務での見つけ方
 @現場の仕掛品はどこにありますか?
 A各工程での製品1つあたりの生産時間は?
(4)継続的な改善
(5)改善時の注意ポイントとは?
(6)TOC制約条件の理論を学ぶには?
__________________________


製品をつくる一連の製造ラインを俯瞰してみたときに、
どの工程から優先的に改善すれば、最終的な生産数量が増加するでしょうか。

あなたなら、どのように答えますか?

以下で、TOC制約理論をベースにして考えみましょう。


(1)ボトルネック工程とは?
製造業における多くの量産ラインでは、連続した流れ作業の中で、
複数の人員を各工程に配置して生産する方式がとられています。

少ない種類の製品を大量に連続して、安定生産する工場があてはまります。


限られた時間、限られたスペース、限られた設備、そして、限られた人員の中で、
いかに効率的に生産をおこなえば、工場としての生産性が向上するか、
そのヒントが、ボトルネック工程にかくれています。

生産工程上では、『1日の生産量』を制約する生産工程が必ずあります。
その生産数量を制限するような工程を『ボトルネック工程』といいます。

ボトルネックとビン

ボトルネックとは、ビンに入った水を逆さまにして出すときに、
水のはいったビンの中の直径よりも、ビンの口の直径が小さく、
水がでる部分が狭くなることで、出る水量が制限される部分のことで、
いわゆる、『制限』や『制約』をもたらす要所を意味するポイントです。

生産工程では、各担当者が、個別の工程ごとに改善を図る個別最適化の考えで、
日常的に生産性改善、品質改善を図ることも大切ですが、

その改善が、はたして1日の生産量にどのような影響を与えているか、
俯瞰的に考えられているでしょうか。

眼前の改善にとどまらず、全体最適の視点から、
ボトルネックを理解し、『最終的な生産性の向上にどれだけ貢献しているか』を
現場の担当者や責任者が全体の工程の一員として、理解することが求められます。



(2)生産工程のTOC(制約条件の理論)
例えば、製品をつくるための、あるひとつの途中の製造工程Xでは、
他の製造工程A、B、C、Y、Zよりも、製品の加工時間が長いとしましょう。

他の前工程A、B、Cでは、作業が終わっているにもかかわらず、
工程Xの前で仕掛品がどんどんたまってしまいます。

工程Xの後の工程Y、Zでは、余裕があり、
最終的な生産量は、工程Xの生産効率に制限されてしまうのです。

他の工程では、工程Xよりも早く仕事がおわるため、
手待ち時間のムダや、余計な仕掛品のムダを発生させてしまうことになります。

このように各生産工程で、1つの製品を加工するために必要な

作業時間などのばらつきによって、
生産全体のバランスがくずれてしまえば、
生産数は、工程Xの生産効率に制約されることになります。

この制約される工程Xこそが改善のポイント『ボトルネック工程』です。

ボトルネック工程の生産性がすなわち、

その製品をつくる工場としての生産効率
そのものになることを認識しなければなりません。


(3)ボトルネック工程の実務での見つけ方
@現場の仕掛品はどこにありますか?

ボトルネック工程の前には、加工待ちの仕掛品がたまります。

生産工程の最初に部材を投入する工程Aで投入数を規制せずに、
制約をもたずに工程Aの加工時間にあわせて、
連続して投入している製造ラインでは、ボトルネック工程が簡単に見えるでしょう。

実務上、取引先さんの工場監査で、生産性改善の視点から、
ボトルネック工程を簡単に見つけるときに注目するのが、工程内の仕掛品の山=宝の山です。


この仕掛品が、投入されるのをまっている次の工程が、
ボトルネック工程になっている可能性が高いのです。

もちろん、一気に複数の製品をまとめて、加工できるような場合にも
適正な量の仕掛品がたまりますが、

多くの場合は、ボトルネック工程を認識しないまま作りすぎており、
ボトルネック工程を十分に改善できていない場合があてはまるでしょう。

問題となっている工程のタクトタイムをきいてみると、
すぐに答えが得られない場合、ボトルネック工程による生産性の低下が
懸念されますので、良い改善ポイントにもなるはずです。


A各工程での製品1つあたりの生産時間は?
生産効率向上のためには、
制約条件となるボトルネック工程Xを改善することが必要です。

生産効率は、製品の1時間あたりの生産数から、下記の式で算出できます。

■ 生産効率[個/時間]=生産数量(良品)[個]/加工時間[時] 

生産効率という指標をもとに、工程ごと「独立して」、
1時間あたりで、どれくらいの製品を加工できるかを数値で把握します。
通常の生産でどれくらい生産しているかではなく、どれだけの能力があるかを
確認するため、制約のない状態で生産できる数になります。

■ 各工程の生産効率の分析はこのような形で簡単にグラフにしてみることができます!

実務でいかすTOC理論


この場合のボトルネック工程は、
1時間に8個しか生産できない工程Xとなり、改善の対象となります。

組み立て加工していくような工程では、
ストップウォッチで1個加工するために必要な生産時間を各工程のタクトタイムとして測定し、
逆数にすることで、簡単に生産効率を算出することも可能です。

また、各工程で製品をつくる時間を短い期間で測定すると、
設備の交換・メンテ時間、段取り時間、チョコ停時間等がふくまれないため、
生産にかかわらない無駄な時間が多く発生する場合は、1日、1週間単位など、
大きな生産時間をベースに何個生産できるかを、
より実態に近づくように詳細に分析してみるのもよいでしょう。

製品1個を加工するために、実生産にかけられる時間と
設備段取り時間やメンテナンスにかかる時間などの比率が比較できれば、
生産性のない時間をいかに減らせるかという視点からも、改善のヒントが得られるはずです。

各工程のながれは、QC工程図の順番にしたがって、もれなく分析することが大切ですね。

※QC工程図のつくり方については、こちらの記事をご参考にどうぞ!
QC工程表の作り方とは?



(3)ボトルネック工程(制約)の改善
このようにひとつの製造ラインを俯瞰的にながめ、
問題を抱えているボトルネック工程Xに目をむけて、
重点的に改善を図ることで、結果に結びつく効率的な改善を図ることができます。


具体的な改善方法について、下記でご紹介します。

@ボトルネックの生産性を高める基本な改善方法
■ 工程Xの生産の4M1E(Man、Machine、Method、Material、Environment)の
3む(むだ、むり、むら)を改善し、生産数量をふやすことで、生産効率をあげる。


・タクトタイムの改善
 標準作業方法の見直しと作業者間のばらつき低減より作業性の良い方法や姿勢を考え、
 作業者間のばらつきと作業効率を改善し、タクトタイムを改善します。

・治具の活用による作業性の改善
 作業をむりなく、むらなく行うために、専用の治具を容易して、効率的に作業できるようにする。

・設備の加工処理能力の改善
 品質上影響のない範囲で、加工温度や圧力、温度などのパラメーターを調整し、加工時間を短縮する。

■ 工程Xのむだな時間を削減する
・段取り時間の削減
 治具を用意して事前にセットしておき、すぐに加工できるように準備しておく。

・設備のチョコ停時間の削減 
 設備のエラーや材料補給エラー、大掛かりなメンテナンスが生じないように管理する。

・休憩時間の待ち時間の削減  
 お昼休憩でもボトルネック工程がストップしないように、休憩を調整する。
 
このような3ム(むだ、むり、むら)に着目して、
シンプルな生産工程に改善していくことは、製造ばらつき改善にもつながります。

■ Xの工程で発生する品質不良を改善し、生産ロスを低減させる。
・前工程不良の改善
 前工程での不良をX工程に流さないように、前工程の製造不良を削減する。

・他の工程加工作業の追加
 ボトルネック工程ではない前工程での作業で多く時間をかけて加工することで、
 ボトルネック工程Xの品質不良や加工時間を減らすことにつながるボトルネック工程
 以外の加工作業をあえてふやす。

・中間検査工程の追加
 前工程での不良をX工程に流さないように、余剰時間を活かした中間検査を実施し、
 未然に後工程への不良流出を防止し、無駄な加工を防止する。

・X工程での加工不良を分析し、発生頻度の多い品質不良項目を中心に重点的に削減する。
  (パレートの法則による重点指向で改善することがおすすめです。)


A各工程での生産時間に大きなばらつきがある場合の改善方法
■ 余剰資源の活用
・既存の余剰人員(Man)や余剰設備(Machine)を活かし、工程を2重化、3重化・・・として、
 生産能力を上げる。新規投資や外注先への業務委託の場合は、販売面での需要動向を
 反映した費用対効果の判断軸も必要になりますので注意が必要ですね。

■ 工程の集約 
・他の複数の工程AやB・・をまとめて、人員を削減し、他の工程の生産時間を
 Xの工程に近づけ、余剰人員を別の生産性のある業務へ転換する。

■ 工程の分離
・Xの工程が分離して作業できる場合は、X1やX2・・・のように複数の工程に分離し、
 他の工程の生産時間により近づける。


(4)継続的な改善
ボトルネック工程は、全体工程の中で常に一定ではなく、特定の工程Xの改善を図ることで、
他の製造工程の作業時間が、より大きくなることもあるでしょう。

そうなれば、ボトルネック工程はXではなく、他のY工程ということになります。

次の改善対象をY工程、Z工程というように、
どんどん繰りかえし、改善対象を変化させていくことが継続的な改善といえます。

品質改善とTCO理論


(5)改善時の注意ポイントとは?
制約条件にもとづき、改善を図る上で、工程Xの重点的な改善のときに、
他の工程の作業効率の改善はやらなくてよいでしょうか。

短期的な効率性の改善だけに着目した場合は、
もちろんボトルネック工程Xだけに的を絞り、重点的に改善すれば、
目に見える効果があがるでしょう。

チームをつくり、効率を改善する場合には、
このボトルネック工程から先手を打つことが求められます。

ただし、より中長期的な効率性の改善を図ることや
個々の作業者の改善意識を高めるために、
次に重要なボトルネック工程や工程Xの前後の工程の品質不良の問題を放置したり、
現場での個別の改善を否定するものではないことも十分認識しておく必要があります。

工程X→工程Y→工程Zというようにボトルネック工程がうつったときに、
X工程の改善と同時にY工程やZ工程の改善も実施していれば、
より改善がスムーズにすすみます。


工程Xの前工程Wでの不良がX工程に流れて、
不良品を加工してしまえば、工程Xでのロスが発生し、
ボトルネック工程での生産効率も低下してしまうことになりますので、
個別改善の視点もお忘れなく!



(6)TOC制約条件の理論を学ぶには?
物理学者エリヤフ・ゴールドラット博士のTOC理論は、
ザ・ゴール ― 企業の究極の目的とは何か
(三本木亮訳、ダイヤモンド社、2001年)という本で、全米のベストセラーになっています。

日本人は部分最適化の改善においては、世界に誇れる力をもっており、
『ザ・ゴール』にかかれた全体最適化の手法を教えてしまうと、
世界経済への影響まで、懸念されることから、著者の意向で、
これまで日本での翻訳出版が許可されなかったという紹介まで本に記載されています。

『ザ・ゴール』では、製造現場に働く人ならば、すぐに理解できる物語風の内容で、
現場の改善がわかりやすく紹介されていますので、
TOCの理論を詳しく学びたい方は、ぜひ、読んで頂きたい一冊ですね。



実務では、生産管理の制約にとどまらず、製品の販売面での需要で制約されて、
生産の稼働率が低下している場合には、工場内の生産性改善だけでなく、
販売数量UPというところにまで、範囲を広げていくことが企業経営での全体最適化になります。

鳥のように空高くから、俯瞰的に仕事をみることについて、
ヒントになれば、うれしく思います。


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2012年06月20日

【お休みのたび】タイ アユタヤ遺跡

【お休みのたび】タイ アユタヤ遺跡
(2012年6月20日) 品質管理研究所


2012年6月8日(金)に、台湾を経由して、タイのバンコクに入り、
6月9日(土)に、タイで有名なアユタヤ遺跡を訪問してきましたひらめき

アユタヤ遺跡の近くにあるエレファントパレスでは、
おりこうな象さんにのり、すぐ近くで象さんとふれあうことができます。

タイの象使いと象のよい関係


象使いのお兄さんの合図に従い、
象さんは、さまざまなかっこいいポーズをきめてくれます。


人と象には、ことばの壁があっても、
しっかり意思疎通が図られ、時代を越えて、
受け継がれるよい関係ができています。

ものづくりの世界でも、世界の言葉の壁をこえて、
よい仲間と出会い、よい製品を共に生み出していく関係を築きたいものですね!




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posted by かおる at 07:00| Comment(4) | TrackBack(0) | 監査のたび

2012年06月19日

海外品質の向上!社員の定着率管理とは?

海外品質の向上!社員の定着率管理とは? -品質管理研究所-


多くの日本企業が、海外現地の部材を調達し、
現地で生産を行い、世界中に製品を送り出しています。

海外の現地工場のあふれるパワーを活かしつつ、
高い品質とコスト競争力を兼ね備えた製品をうみだすためには、
何をすればよいでしょうか。


海外品質向上と定着率・離職率管理

もちろん、「安かろう、悪かろう」という製品品質では、お客様からの信頼を失います。

そこで、工場運営において、品質を維持、向上させるために、
製品歩留り、直行率、工程別不良率、クレーム件数、Fコストなどの品質管理指標を活用し、
経営会議や品質会議などを通じて、品質状況をウォッチし、改善していくことが求められます。

今回は、特に中国をはじめとする海外での品質を向上させるために、
さらに、どんな指標に注目して、管理すればよいか違った視点から考えてみましょう。


自社の海外生産、海外の協力会社での委託生産では、
安定した品質をいかに『継続的』に作りこめるかがポイントになります。

高い品質を安定して実現するために、
製品品質のばらつきに影響を与える『4M1E』を考えることは基本ですね。

Man (ひと)
Machine (機械)
Method (作業方法)
Material (部材)
Environment (環境)


特に海外工場で、不良の原因を突き詰めていくと多いのが、『ヒト』に関わる問題です。

なぜ、『ヒト』に関わる品質不良が多いのでしょうか。

海外の現地生産においては、
人件費削減が期待される半面、

労働者の流動も激しく、労働賃金の要求や、
より雇用条件のよい企業への転職などもあり、雇用が安定しないこともしばしば、
経営者の大きな悩みの種のひとつにもなっています。



(株)野村総合研究所「グローバル化における経営環境の実態に関するアンケート」結果では、

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中小企業が直面している経営上の問題点のトップ3は、

@現地マネージャー層の不足 30.8%
A現地労働者の賃金コストが上昇 30.4%
B品質管理が困難 29.6%  (※特に中小企業での大きな課題)

※【参考文献】 中小企業庁 2008年度版 中小企業白書
          第2部 第4章 中小企業のグローバル化への対応

__________________________________

となっていることからも、

海外進出をしている企業では、
「ヒト」と「品質」に関わる共通の課題が見えてきます。


社員としての規律・しつけ、会社の理念という基本の理解不足や、
作業目的の理解不足、実務での習熟度が不足している作業員が
増えてしまえば、製造品質は、低下してしまいます。

組織としての考えや失敗経験も十分に伝承されない状態で
製品をつくり続ければ、製品の設計品質の改善の機会を損ねてしまいす。

ヒトこそが、製品やサービスの品質、そして、経営の品質を担っています。


こんな質問をしてみましょう。
『あなたの工場は何をつくっていますか?』


あなたなら、どのようにこたえるでしょうか。

『製品の名前』

それとも、

『製品のカテゴリー』

をこたえるでしょうか。

人材育成と品質向上

『工場では、ひとをつくっている』
と自信をもって、こたえられるでしょうか。

はたらく社員のことを考え、

製品をつくることを通じて、
人を育成する工場でありたいものです。

海外品質を管理するうえでは、この大切なヒトが
いかに会社に安定して定着できるかがポイントになります。


日本企業では、大学生が、
就職後「3年で3割やめる」などと数字があるように、

どれくらいの人員を毎月雇用し、
どれくらい離職したのかという『離職率』『定着率』を把握し、
分析することが、企業の品質管理においても、大切です。

■ 『離職率』『定着率』は、以下の式により、算出します。

・離職率 =1ヶ月間の退職者数/前月の月末時点の社員数×100 [%]
・定着率 =Yヶ月間以上働いている社員数/月末時点での全社員数×100 [%]


ひらめき社員数、退職者数、入社数をベースにして、離職率と定着率を測定します。


新入社員や中途入社の社員の動向に限定すれば、さらに詳細な分析もできます。

入社して、3ヶ月、半年、1年以内にどれくらいのヒトがやめているか、
中途入社のヒトは、どのような傾向があるのか、
社員は、毎年いつごろやめやすいか、

どんな社員が会社をすぐにやめる傾向にあるのか、
雇用する時に、どのようなことに注意すべきか、
どのような改善をすれば、退職者を減らし、長く働いてもらえるのか、

数値を把握することで、品質に影響を与えるヒトへの意識が変わります。


品質に与える人材の影響を重要視している企業では、

社員の面談を毎月行って、会社に対する意見や要望に
積極的に耳をかたむけ、働きやすい環境に可能な限り改善し、退職者をへらす努力をしています。


また、仕事の後に、民族楽器の先生を呼んで、継続的な講習をすることで、
仕事とはことなる社員同士の交流も図り、趣味を活用して、
定着率を上げる工夫をしている企業
もあります。

社員教育と品質管理


ひとを雇うために必要な経費をかけるのであれば、

人を育て、安定して働いてもらえるよう、
どのような投資ができるかを先手で考えたいものです。


ヒトこそが、企業を成長させる推進力ではないでしょうか。


今回は、海外での製品品質を管理するために重要な
社員の『離職率』『定着率』という管理指標をご紹介しました。

『離職率』『定着率』を算出するための、
入社数、退職者数の人数を把握すれば、自然と大切なポイントが見えてくるはずです。


まずは、実態を数値で把握してみることからはじめてみるのが、おすすめですね!


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posted by かおる at 00:01| Comment(3) | TrackBack(0) | グローバル品質

2012年06月16日

品質不良の削減!品質不良マップとは?

品質不良の削減!品質不良マップとは? - 品質管理研究所 -


品質不良を削減するためには、何をすればよいでしょうか。

多くの企業では、どこの工程でどんな不良がどれだけ発生したか
日々データを取得し、改善に役立てています。

しかし、品質不良が、製品のどの部分(部位)で発生しているか、
現場できちんと記録に残して、不良内容を分析し、
改善に結び付けている企業は意外と少ないものです。

今回は、不良の原因を追究し、
効率よく改善を図るために活用できる『品質不良マップ』をご紹介します。


無料フォーマットをダウンロードできるようにしていますので、
うまくアレンジして、ご活用いただければ幸いです。


■ 品質不良マップ フォーマット

品質不良マップ


【品質不良マップ(無料ダウンロード)】

■ 品質不良マップのダウンロードはこちらからどうぞ!

ひらめき品質不良マップ フォーマット(Excel)

ひらめき品質不良マップ フォーマット(PDF)


品質不良マップは、工程中で発生した不良に加え、
不良の発生位置を記録し、品質改善に結びつける実務ツールです。

いつ(WHEN)、どこの工程で(WHERE)、どんな不良(WHAT)が、
『製品のどの部分』で、どれだけ(HOW MACH)発生しているか?を明確にします。


どの部分に不良が発生しているかという情報は、
品質不良の改善の大きなヒントとなります。


<品質不良マップの作り方>

品質不良マップを活用した改善

(1)製品概略図の貼り付け
 チェックシートに、製品の概略図(図面や模式図)を貼り付け、
 生産現場で図面に直接チェックできるようにします。

(2)不良項目の列挙
 製品の品質不良の多い項目を列挙し、多い順から順番に記載します。

不良については、作業者の主観的な判断で不良モードが違わないように
あらかじめ不良項目を統一しておき、
チェックシートにも明記して、選択できるようにしておくことがポイントです。


また、不良を区別する作業者がかわることで、不良項目の認識がずれてしまわないように、

キズの不良なのか、汚れの不良なのかなど、
見本となる不良写真を基準書にもりこみ、不良の認識をそろえる教育も大切です。

製品によっては、特異的な不良は、新たに不良の名前をつけて、
社内で統一的なネーミングをすることもおすすめです。
ぜひ、不良品の『名付け親』になりましょう。


<品質不良マップの使い方>
(1)品質不良マップへの記入

品質不良マップに、特定の工程でどんな不良項目が、いつ、発生したかを記入し、
下記のような図面の不良部位に印(×)をつけて、問題箇所を記録に残します。


品質不良マップと製品概略図


(2)不良項目のチェック

生産に支障の出ないように、現場で即座にチェックすることが大切です。

作業中のミスなど、不良発生の原因に気がついている場合は、
即座に改善をすることはもちろん、原因や不良の理由などを記録しておけば、
その後の改善の水平展開にも結びつきやすくなります。

不良に対する気づきと改善提案、前工程へのフィードバックをうながす「しかけ」になります。


特定の作業で発生させた不良は、
他の社員や未来の社員がミスをする可能性のあることであり、
個人の失敗を組織としての失敗として共有し、改善を図ることがポイントです。

もちろん、現物の不良品は、良品と混じらないように
赤箱や赤棚に不良品をいれて、識別することも大切ですね。

不良箇所には、赤いシールをはり、
即座に不良品の箇所まで『見える化』している企業も多くあります。


後から不良を現物でも、効率よく調査できるようにすることは、もちろん、
仮に良品と一緒にまざっても、
後工程で、容易に検出しやすくなる流出防止の対策ともなります。

すぐに不良の数量を把握するために赤箱の中で、不良項目別に区切って、
後で行う確認作業を効率化する下準備などさまざまな工夫が考えられます。


(3)品質不良マップの集計と分析

このようにして集められた品質不良情報から、
どの部位でどんな不良が多発しているのか定量的に把握して、原因を追及すれば、
不良の発生メカニズムの違いや、4M1Eの改善点が浮かび上がります。


さらに、不良品として、異物付着の不良などが多い場合、
どんな異物が付着しているか異物を採取しておき、
分析できるようにしておくこともおすすめです。


異物を継続的に採取していくと、
たくさん取れる特定の異物があることに気づくはずです。

大きな割合を占めている特定の異物を優先的に改善していけば、
重点指向でより効率的な改善が図られます。


(4)品質不良改善シートによる変化点管理

品質不良改善シートに、日々の不良状況を集計し、品質不良の変化点を把握します。
 「品質不良改善シートサンプル」の記事は、こちらをご参考に!

品質不良改善シート

【品質不良改善シート(無料ダウンロード)】
品質不良改善シートのフォーマットのダウンロードは、こちらからどうぞ!

ひらめき品質不良改善シート(Excelフォーマット)




今回は、品質不良の現物からの情報を集計分析する品質不良マップを紹介しました。

現場で、手間なく、効率よく改善できるツールをうまく活用し、
品質改善にお役立ていただければうれしく思います。



【関連記事】
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Fコストとは?
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posted by かおる at 15:23| Comment(7) | TrackBack(0) | 品質改善

2012年06月07日

品質業務を効率的にするフリーソフト!『縮小専用。』

品質業務を効率的にするフリーソフト!『縮小専用。』 -品質管理研究所-


品質管理業務では、さまざまな状況を正しく伝えるために
現場の写真を撮影し、活用する事が多くあります。

そんな多くの写真の圧縮やメールでの送付の際に困ったことはないでしょうか。

品質管理とデジカメの活用


今回は、たくさんの写真を一度にまとめて、必要なサイズに
圧縮できる簡単フリーソフト『縮小専用。』をご紹介します。


大変シンプルで、フリーに活用できるソフトとして、
利便性が高いので、業務の効率化を図ってみるにはぴったりです。


『縮小専用。』

写真の縮小専用ソフト

<製作者 i-section.netさん>

※『縮小専用。』は、400万ダウンロードを越えていることが紹介されています。

※企業の情報キュリティ管理等から、ダウンロードなど、
 企業の管理ルールにもとづいて、使用することもお忘れなく!



■ ダウンロードは、こちらからどうぞ!

ひらめき『窓の杜-縮小専用』

※MACにも対応しているバージョンは、『縮小専用AIR』として、こちらで紹介されています!

ひらめき『縮小専用AIR』


<簡単な使い方>
@縮小専用のソフトを立ち上げ、縮小したい画像のサイズを選択します。
Aデジカメで撮影した画像をそのまま、上記のソフト画面のスペースへドラッグして、
ドロップ(手をはなせば)、あっという間に圧縮されます。
B写真がまとめて、縮小圧縮されてフォルダに入り、簡単に使う事ができます。


下記で動画で紹介されていますので、ご参考に!

■ 縮小専用の使い方  Gimpupさん Youtube



■ 動画マニュアル.com さん

ひらめき縮小専用。の使い方 ドラッグ&ドロップで画像を縮小する


<品質業務での活用>
品質保証や品質管理の業務では、
改善内容や現場の状況を的確に伝えるために様々な場面で写真を撮影します。

・品質問題が発生している製品の写真
・信頼性試験を行う前後の試験サンプルの写真
・試験設備や製造設備の写真
・工場監査での現場状況の写真
・品質パトロールでの改善前後の写真  

など、さまざまな場面で写真が活用されます。

デジタルカメラは、品質業務を行う上で、
情報を正しく伝え、共有するためには欠かせない必須のアイテムといえます。


デジカメの価格も低下し、1万円ほどで、購入できますので、
品質業務で必要な下記のポイントをおさえて、選んでも見るのもよいのではないでしょうか。

・手振れ補正機能があり、ぶれずに撮影できるか
・すこし暗いところでもきれいに撮影できるか
・近くのモノを綺麗に撮影できるか
・常に携帯するために、おおきく、重くないか 




パソコンを活用して、事務作業を行うことが当然になっているように

品質業務においては、デジタルカメラを携帯し、

常に現場にアンテナを張り巡らし、問題点を探しだし、
写真を撮って、情報共有し、改善を図ることが求められます。

一方で、写真データは、容量も大きく、情報をまとめて、
メールで送る際には、大容量となりやすく、

受信側で他のメールが受信できなくなるなど、
迷惑になる場合もあるため、写真データを圧縮することが求められます。


そんなときには、この『縮小専用。』ソフトを活用して、
データを圧縮して、データをうけとるひとの気持ちに配慮した
仕事のすすめ方をするのがおすすめです。

『後工程はお客様』の考え方にもあてはまるように、
日頃のCS(Customer Satisfaction)マインドへもつながるのではないでしょうか。


品質業務のあり方について、

品質目標の達成や改善はもちろんのこと、
いかに効率よく改善を図るか、新しい視点や時代のツールもどんどん取り入れて、
仕事を楽しくしていきたいものですね。



【関連記事】
品質管理者が知っておきたいフリーソフトR
品質管理研究所サイトマップ

posted by かおる at 07:00| Comment(1) | TrackBack(0) | 品質改善