2012年05月26日

伊勢神宮に学ぶ品質思想

伊勢神宮に学ぶ品質思想 -品質管理研究所-


三重県伊勢市にある『伊勢神宮』

1300年間もの間、
20年に1度、建て替えられていることをご存知でしょうか。


神宮には、東と西に同じ広さの敷地があり、
20年ごとに同じ形の社殿を交互に新しく造り替えます。

神宮の建て替えを行い、神宝をつくりかえることは、
伝統的な建築や工芸の匠の技術を後世に脈々と伝え、
神宮の歴史、日本の文化をも伝えていくことにつながります。

木造建築の神宮をつくるためには、何が必要でしょうか。

神宮建設のためには、
大量の檜(ひのき)の木や屋根につかう萱(かや)が、必要です。

そんな材料としての木材も、
伊勢神宮さんが、山林をそだて、萱山で萱を10年がかりで集め、
200年もの壮大な森林計画で森づくりをしています。


木材の準備に4年、伐採後に2年間貯木池に沈め、
1年間のざらしにして、四季のある自然環境で木をならし、
製材され、はれて、神宮の一員となれるというのです。

長く、厳しい下済みを経て一人前の木材になった木は、
そったり、割れたりしない、しっかりとした木材になります。

まさに、ひとの成長と同じです。


20年の役割をおえた木材も、地方の神社に配られるなど、
日本各地とのつながりを持つことにも生かされています。

時代が変われども、
変わらない伝統と、引き継がれる歴史。

毎年 数百万人が、参拝にも訪れる伊勢神宮で、
このような伝統が維持されることで、

技術を伝承し、こだわりをもってつくりあげる思想が、
日本人の考えに、受け継がれているのではないでしょうか。

ひとをそだて、ものをつくり、時代を越えて、技術を継承する。
自らで材料をそだて、こだわり、あますことなくつかいきる。
長期的視点で考え、短期的な視点で行動する。


時代を越えて1300年も続く仕組みには、
品質思想や教育のヒントが、隠れています。


品質思想と品質教育


【参考文献】
【ニュースレター】20年ごとに建て替えることで永久を保つ − 伊勢神宮の遷宮 枝廣淳子さん
伊勢神宮 式年遷宮
伊勢神宮式年遷宮広報本部


【関連記事】
知られざる品質管理の歴史
日本製品の品質の高さの秘密とは?
お客様はだれですか?
『ものづくり』は、『料理づくり』と同じ?
良い部品は良いパートナーから!
虫歯と品質不良の関係?
動画で学べる『品質思想』〜飯塚教授
後工程はお客様!
posted by かおる at 12:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質思想

2012年05月22日

労働災害リスクアセスメントチェックシートとは?

労働災害リスクアセスメントチェックシートとは? -品質管理研究所-


製造現場での事故を未然に防ぐためには、
何をすればよいでしょうか。

現場でのさまざまな危険を予測し、未然に対策を施すために、
どのような方法で改善を実施すればよいでしょうか。


今回は、労働災害のリスクを評価し、改善を行うために活用できる
労働災害アセスメントチェックシートをご紹介します。



下記のアセスメントシートは、
厚生労働省のチッェクシートをベースにして、
実務で使いやすいようにアレンジしたものです。

無料でダウンロードできるようにしていますのでぜひうまくご活用ください。


■ 労働災害リスクアセスメントチェックシート

労働災害アセスメントチェックシート


■ 無料のダウンロードはこちらをどうぞ!

ひらめき 労働災害アセスメントチェックシート事例(EXCEL版)

ひらめき 労働災害アセスメントチェックシート(PDF版)

記入事例も紹介していますので、
自社にあった形でうまくご活用いただければ幸いです。


リスクアセスメント (risk assessment) とは、
製造現場にある様々な危険や有害性のあるリスクを見つけ、
その災害のリスクの大きさを評価し、優先順位をきめて、改善方法を明確にすることです。

安全な状態を常に維持し、災害を未然に防ぐことが求められます。



ひらめき下記では、そんなアセスメント方法とチェックシートの簡単な使い方 2Stepについて紹介します。


<労働災害リスクアセスメントチェックシートの簡単な使い方 2STEP>

(1)リスクのあらいだし
製造現場での危険性の高いところや有害なところのリスクをあらいだし、
上記のアセスメントチェックシートにもれなく記入します。

『〜なので、〜になる。』      例:カッターを素手でつかったので、手を切る。
『〜なので、〜して、〜になる。』  例:設備が熱いので、半そでで作業して、やけどする。
『〜して、〜する。』        例:窓のない扉を急に開けて、前のひとがぶつかる。

というような災害にいたる『背景』や『プロセス』を明確にすることが、ポイントです。

(2)リスクの評価と改善の実施
リスクを評価するために、下記の算出方法と基準を活用し、
各リスクをチェックシートで評価します。

リスク評価が高く、より危険性の高いものに着目し、
改善方法を明確にして、優先順位をきめて効率よく改善を図っていきます。



リスクは、災害の影響度、頻度、可能性の3つの和で評価されます。
※厚生労働省の算定方法をベースにしています。

■ リスク=@影響度+A頻度+B可能性

リスクの点数に応じて、下記の4段階に分けられ、
リスクの大きい項目を迅速に改善していきます。

労働災害のリスク評価


リスクの評点は、業種や分野によって、
その基準が、妥当かどうか判断することも大切ですね。

リスクの判断

@リスクによる災害の影響度(災害の程度)
災害発生時、最悪の場合にどのような悪影響があるかを評価します。
最悪を想定し、より厳しく採点することがポイントです。

リスクの影響

Aリスクが発生する可能性
災害が発生する可能性について、検証します。

労働災害の可能性

B災害が発生する頻度
どれくらいの頻度で、災害とむすびつく
危険性のあるところや有害なことろに近づくかを評価します。

労働災害のリスク頻度

このようなリスクのあらいだしを行い、評価をすすめていくことは、

現場の作業者の安全の意識を高めることにもつながり、
一連の改善のプロセスが、大きな安全教育の効果を発揮するでしょう。



今回は、厚生労働省で紹介されている災害アセスメントをベースにした
労働災害アセスメントチェックシートを活用した現場の安全改善活動をご紹介しました。


さらに、リスクアセスメントについて、
質の高い教育資料がこちらで紹介されています。

社内でリスクアセスメントを指導される方や勉強される方は、
無料で知識を習得する機会が提供されていますので、
ぜひ、ご参考にしていただきたいところです。

【参考文献】
■ リスクアセスメント等関連資料・教材一覧 (厚生労働省)
■ 見える安全活動コンクール 各企業の安全見える化事例 (厚生労働省)


【関連記事】
ハインリッヒの法則とは?

posted by かおる at 07:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 安全管理

2012年05月20日

ハインリッヒの法則とは?

ハインリッヒの法則とは? − 品質管理研究所 −


高い品質を生み出すのは、人財です。

そんな人財が、安心して仕事をするためには、
安全な製造環境を整備することがかかせません。

製造現場では、生産効率や収益性が高いことも大切ですが、
何より社員の安全を確保し、安心してはたらける現場づくりを最優先させなければなりません。

工場の安全管理


今回は、工場での事故を未然に防ぐための大切な考え方である
『ハインリッヒの法則』をご紹介します。


ハインリッヒの法則 1:29:300


『ハインリッヒの法則』とは、アメリカの損害保険会社に勤めていた
ハーバート・ウィリアム・ハインリッヒさんが、工場で発生した労働災害をもとに、
統計的に分析した結果から導き出した労働災害に関する有名な法則です。

ハインリッヒの法則は、

1件の重大事故の背景には、
29件の軽微な事故と
300件の「ひやり、はっと」するようなことがおきていることから、

その比率をとって、1:29:300の法則としても知られています。


この300件に相当する『ひやり、はっと』する危ない経験を『ヒヤリハット』とよび、

小さなヒヤリハットにきちんと目をむけ、

29件の軽微の事故や1件の重大な事故に至る前に、
小さな『ひやり、はっと』するポイントの改善を行うことが、
災害の未然防止をはかる上で重要であるということです。


安全でない状況をいかに排除するか、
安全を確保できる作業ルールをいかに遵守するか、

どのようにすれば、大切な社員の命を守れるか、
ものづくりの基本として考えておきたいことです。


経営者と安全

わが子を車にのせるとき、安全を確保するために
どのようなことに注意するでしょうか。

大切な命を守るため、子を守る親のような気持ちが、
工場の生産現場に浸透しているでしょうか。


安全を確保するのも、経営者の大切なしごとです。

経営者自らが、安全の工程パトロールを実施して、
定期的なチェックを率先して行い、日頃から改善を続けている企業も多く存在します。


現場に足を運び、自社の工程と他社の工程を比較すれば、
すぐにこたえが、見えてくるのではないでしょうか。

品質を考える上での前提として、

安全なものづくりの環境が整っているか、
あらためて、考えるきっかけになれば、うれしく思います。



【関連記事】
改善4原則「ECRS」とは?
FMEA による未然防止とは?

posted by かおる at 21:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 安全管理

2012年05月12日

品質対症療法の弊害とは?

品質対症療法の弊害とは? − 品質管理研究所 −


品質の問題がおきたときは、どのような改善をすればよいでしょうか。
問題の原因を調査し、根本的な対策を図ることが大切ですが、

実務では、根本原因の調査と対策までに時間がかかる場合もあり、
納期と品質を守るために、流出防止を図り、
お客様に良品のみをタイムリーに出荷することが求められます。


流出防止とお客様


しかし、流出防止対策は、いったん問題を解決させたように
見せてしまう対処療法(Symptomatic treatment)であり、
応急処置的な改善であることを認識する必要があります。

お腹が痛くなった時に痛み止めをのみ、
痛みを遮断し、一時的に感じる痛みを和らげることは、

根本原因を見極め、本質的に
痛みを取り除く改善を行うこととは異なります。

目先の一時的な改善は、お客様からのクレームという形では
表面上現れなくなるかもしれませんが、

実態としての問題は、残ったままで、
品質問題を改善したことにはなりません。

対処療法による改善では、いったん顕在化された問題が、
見えにくくなってしまい、改善が進みにくくなる可能性をはらんでいます。


品質対処療法と改善

一時的に症状を和らげる効果のある薬(改善)では、

継続的に服用することで、その効果が弱まってしまい、
使用量を増やしたり、より強い効き目の強いものに変化させなければ
効き目がなくなってしまうこともあるでしょう。


製造現場では、まさに、流出防止対策として、
検査をどんどん強化していくような場合が対症療法にあてはまるでしょう。


検査の頻度や手間を増やすことで、検査費用が膨らめば、
収益性も低下し、お客様に納入する製品のコストも段階的に下げられず、
生産者とお客様の両者にとってのメリットも損なわれます。

企業内部での慢性的な検査体質ができてしまえば、

製造工程での多少のミスは最後で取り除けるという思想で
『品質は工程で作りこむ』本来のものづくりの姿勢が欠如しかねません。

このような過剰な検査体質は、生産品質向上にもつながりにくい
副作用を引き起こすことでしょう。


対症療法では、問題の症状や痛みを理解し、
症状を一時的に抑えることが優先される反面、

長期的にみて、根本的な改善を行う上での足かせとも
なることがあることも認識しなければなりません。

改善は、改善でも、根本的な改善を阻害するような

悪い改善にならないように、
対症療法のメリット、デメリットも認識して、

本質的な根本対策である原因療法を講じていきたいものです。

このような問題に対する対症療法の弊害は、
品質問題に限らず、多くの企業での問題に適用できる考え方です。


解決しない問題が続く場合、このような対症療法にとどまっていないか、
いったん考えてみてみるのもよいのではないでしょうか。


【関連記事】
原因不明の不良問題を解決するには?
不良品をわざとつくるとは?
品質不良改善シートとは?
納入品質改善計画・実績報告書とは?
検査で品質は上がらない!?
虫歯と品質不良の関係?
posted by かおる at 23:08| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質改善

2012年05月01日

品質管理研究所サイトマップ

品質管理研究所サイトマップ
(2012年5月1日)品質管理研究所


品質管理研究所のサイトマップですひらめき

みなさまからのあたたかいメールやコメントいつもありがとうございます!

これからも実務で役に立つようなお話をご紹介できればうれしい限りです!


(1)品質管理研究所について
@品質管理研究室について

(2)品質の歴史
@知られざる品質管理の歴史
A日本製品の品質の高さの秘密とは?

(3)品質の思想
@お客様はだれですか?
A『ものづくり』は、『料理づくり』と同じ?
B良い部品は良いパートナーから!
C虫歯と品質不良の関係?
D動画で学べる『品質思想』〜飯塚教授
E後工程はお客様!
F「工程で品質をつくりこむ」とは?
G「鳥の目」「虫の目」「魚の目」
H改善4原則「ECRS」とは?

(4)品質目標
@品質目標とは?
A品質目標は、健康のバロメータ?
B納入部材の品質目標とは?
CSMARTな品質目標の設定方法とは?

(5)品質保証
@『品質保証の仕組みづくり』
A品質契約って?なに?
Bトレーサビリティの確保は大丈夫?
C何をする?SCM!
D発想の転換?グローバル品質!
E品質保証部は、ゴールキーパー?
F品質のドミノ倒し
Gいつお客さんに会いましたか?

(6)品質管理
@『品質管理の体系的学習について』
A識別管理とは、色別管理?
B節目管理は、記念日管理?
C『QC工程表』って何?
DQC工程表の作り方とは?
E何をかく?QC工程表!
F品質管理は納入部材から?!
G作業標準書とは!?
H部材保管管理 15の基本とは?
I納入部材の品質不良、改善方法とは?
J商社を通じた海外部材の品質指導とは?
Kディズニーランドに学ぶ変化点管理
L逆転の発想の輸送梱包とは?
M品質確保にかかせない「引き継ぎ」とは?
N歩留まりのリカバリー「4R」とは?
O「食」の品質管理とは?
P就活から学ぶ部材品質管理とは?
Q生産設備の体調管理とは?

(7)品質改善
@品質改善の思考法 『PDCAサイクル』
Aやってはいけない『3S』とは?
B製品は、わが子と同じ?!
CWar roomとは?
D歩留まり改善とは?
EFコストとは?
F品質月間とは?
G不良品をわざとつくるとは?
H原因不明の不良問題を解決するには?
I品質不良改善シートとは?
J納入品質改善計画・実績報告書とは?
K品質会議とは?

(8)品質教育
@品質教育はだれにすべき?
A品質は口が三つ?
B11月は、品質祭り?
Cスキルマップとは?
Dスキルマップの作り方とは?
E作業手順書の作り方とは?

(9)QC7つ道具
@QC7つ道具〜品質管理ツール
A重点指向のパレート図!
B管理図とは?
Cドラッカーに学ぶ『管理』とは?
Dチェックシートの落とし穴
Eパレート図の作り方とは?

(10)新QC7つ道具
@新QC7つ道具とは?

(11)FMEA
@FMEA による未然防止とは?
A動画で学ぶFMEA!
B工程FMEAとは?
C DRBFMのやり方とは?

(12)工程能力指数Cpk
@工程能力指数Cpkとは?
A動画で学ぶ工程能力指数Cpk
B工程能力指数Cpkの計算方法とは?
C工程能力指数Cpkと不良率の関係とは?

(13)5S
@ものづくりの基本の『5S』とは?
A具体的な『5S活動』とは?
B動画で学べる『5S』!
Ce-Learningで学ぶ『5S』

(14)検査
@検査で品質は上がらない!?
A検査員は、だれがなる?
B限度見本は、官能検査のかなめ?
C外観検査に適切な照度とは?
D試験データはうそをつく?
E品質不良と検査時間
F品質検査員の検査ばらつきとは?
G「外観検査」は、脳でみる?!
H実務で使える抜取検査とは?
Iドットゲージの入手方法とは?
J限度見本の承認ラベルの作り方とは?
K外観検査の役割 5つの「みる」とは?
L線路の検査ドクターイエローとは?
M目視検査環境の作り方とは?

(15)倉庫管理
@倉庫管理!保管環境16のポイントとは?
A倉庫のトレーサビリティ管理とは?
B倉庫の7つの識別管理ポイントとは?
C倉庫での先入先出管理とは?
D員数管理とは?
E16事例で学ぶ!梱包不良

(16)品質不良
@冬はご注意!大敵、静電気!
A動画で学べる『静電気』!
B動画で学べる『粉塵』
Cストレス-ストレングスモデルとは?

(17)長期信頼性
@素性が大切!?信頼性試験サンプル!
A信頼性の鍵は?繋ぎ目!
B信頼性の7つのポイント
C「現物」でみる?信頼性試験結果!

(18)品質管理者ツール
@品質管理者が知っておきたいフリーソフトR

(19)工場監査
@工場監査とは、向上監査!
Aピンチはチャンス?工場監査!
B工場監査の役割とは?
C工場監査のやりがい

(20)監査のたび
@ドイツハイデルベルグ
Aベトナム ホーチミン
B中国 深圳
C中国 上海・無錫
D韓国 釜山
E中国 錦州
F中国 寧波・南京

(21)品質資格
@ソフトウェア品質技術者資格とは?
A品質管理検定(QC検定)とは?

(22) 寄稿
@品質管理とクリーン化

posted by かおる at 17:48| Comment(0) | TrackBack(0) | サイトマップ