2011年12月21日

工場監査のやりがい

工場監査のやりがい - 品質管理研究所 -


知らない工場で、長い机を囲んで工場監査をしていました。

見たことのない作業服をきた方々が席に着いて、工場監査をうけています。
誰一人見覚えがありません。いったい、ここはどこでしょうか。

目を覚ませば、布団の中です。

海外から帰宅して、ゆっくり寝た夢の中でも工場監査をしていることがあります。
夢の中でも工場監査ですが、監査の夢のあとは、なんだか爽快な目覚めです。

夢の中で工場監査をシミュレーションしていて、
頭の中が、整理されているようにも感じます。

現実の監査では、さまざまな国で日頃お会いできないような
社外の優秀な技術者、ベテランの品質管理者、一生懸命な営業マンに出会う機会があります。
夜遅くまでいっしょに仕事に熱中し、本当に充実した時を過ごさせて頂いています。


工場監査と絆

工場監査のときには、
企業の主力製品を開発した技術者は、技術や工程を喜んで説明してくれます。

ベテランの品質マンは、独自の品質取り組みを余すところなく、自信をもって答えてくれます。
優秀な営業マンは、お互いの事業の成功をともに考え、苦労を惜しまずサポートしてくれます。

いい仕事をしている人たちと一緒に仕事ができると、幸せな気持ちになります。
そんな気持ちにさせてくれる日頃の工場監査が、夢にでてくるのかもしれません。

工場監査で出会うさまざまな人とのつながりは、
工場監査という仕事を通じた最高のご褒美です。


工場監査では、品質事項を確認し、品質向上を図ることは当然ですが、

一緒にモノを作り上げていくパートナーのみなさんとのつながりを築く大切な時間
であるということも、ぜひ心の中にとめておきたいものですね。

工場監査と絆


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posted by かおる at 07:00| Comment(6) | TrackBack(0) | 工場監査

2011年12月20日

原因不明の不良問題を解決するには?

原因不明の不良問題を解決するには? -品質管理研究所-

品質問題がおきるとき、
その背景には、必ず原因と結果があります。


不良には、不良発生の条件不良発生のメカニズムが隠れています。

問題を解決するためには、

目の前でおきている現象をじっくり観察します。
そして、その問題がおきたプロセスを理解することがポイントです。


今回は、日々、品質問題とたたかう皆さんを支援するひとつの改善の考え方をご紹介します。



私たちの身近な生活の中で、
ごくまれに見られるで考えてみましょう。

未知の不良と再現試験

虹は、稀に見られる美しい自然現象です。
雨上がり、きれいなグラデーションには、つい目をうばわれてしまいます。

神秘的な現象ですが、
もちろん発生する条件や発生メカニズムがあります。

虹がどのように発生するかを考えるためには、
発生時のことを改めて、認識する必要があります。

それでは、虹が起きたときのことを考えてみましょう。

■ 虹はどこでみかけるでしょうか。
・雨上がりの空
・水しぶきがあがる滝のそば
・夏場の噴水

 など、屋外で空気中に水滴があるときです。

■ どんな条件のときに虹がでているでしょうか。
・太陽の光が差し込んでいる昼間で晴れているときに見かけます。
・くもりや雨が降っているときには、虹は見かけません。
・夕立のあとに雨がやんで、光が差し込むようなときに、虹を見ることができます。

■ どのような位置に見えるでしょうか。
・目の高さぐらいの位置に円弧をえがき、地平線にアーチをかけるようにみえます。
・太陽と反対の位置でみえます。

■ どれくらいの時間見えるでしょうか。
・ごくわずかの時間だけみることができます。まれにしかみることができません。

虹という現象から、

発生時の複数の共通項を探し出し、
虹が発生する条件を見出すと、


「太陽光、屋外、水、位置、短時間」

という条件が浮かび上がります。

これをヒントに虹の発生する仮説をたて、

「屋外」にでて、「太陽光」のある場所で、「位置」を変えて、
ホースから「水」を出して、虹を再現してみるとどうでしょうか。


いろいろなことに気づけるはずです。

どのようなときに虹ができて、どのようなとき虹ができないか。

そこからどんなメカニズムが潜んでいるか、
実験的に現象を理解していくことができます。


未知の不良と再現試験

私たちは、大きな問題をかかえると、
頭でじっくり考え、理屈で問題を解決しようとしてしまいがちですが、
起きている現象を素直にとらえ、行動をおこしてみると、
以外と単純に理解できることが多いように思います。

実務では、品質問題を迅速に解決することがもとめられるため、
手を動かしながら考える「考動」が必要です。


市場ではじめて確認された不良の原因を探り、
改善を施す場合も、虹の再現と同じように考えるとどうなるでしょうか。

解決策の見えない品質不良に直面したとき、
まず、不良品と不良が起きた現場の共通点を探りましょう

5W1Hで考えてみると、

■ WHAT
・何が不良なのか。(製造ロットに依存性があるか。製造データの変動や変化点があったのか)
・どのような材料で不良となったのか。(メーカーはどこか、どんな製品か)

■ WHEN
・いつ不良になったのか。(製造時か、輸送時か、着荷時か、開梱時か、使用時か。)
・どれくらいの期間(輸送・保管・使用)で不良となったのか。

■ WHERE
・どこの部分が不良なのか。(何が不良なのか。発生部位に依存性はあるか。)
・どこで不良となったのか。
・どのような使用環境で不良となったのか。(温度・湿度はどうか。)

■ WHO
・だれが関係しているのか。

■ WHY
・なぜ不良が発生して、流出してしまったのか。

■ HOW / HOW MANY
・どれだけの数や割合で不良となったのか。
・どのような使われ方で不良となったのか。

問題を解く鍵は、製品やお客さまの情報にたくさん隠れています。
問題に共通する条件は、なんでしょうか。

これらの条件を明確にすると、
不良の原因が明確になる場合がほとんどですが、

それでも原因がわからない場合は、現物の解析を行いつつも、

さらに、これらのヒントをよりどころに仮説をたてて、
問題を引き起こす因子の条件をふって、再現試験を検討します。


未知の不良と再現試験

再現試験は、設計の品質、工程の品質、使用の品質にわけて考えることができます。

@設計の品質:使用部品・使用部材、設計などを変化させる再現試験
@工程の品質:製造時、輸送時、保管時の工程管理条件を変化させる再現試験
A使用の品質:実使用時の条件を短時間で再現する加速試験



これらの再現試験を実施していくことで、
改善の糸口が見えてくるはずです。

その問題を意図的に再現できる状態になれば、

問題の発生条件やメカニズムの理解がすすみ、
問題の発生防止対策も行うことができます。


問題の糸口が見えない未知の不良に立ち向かうときこそ、
不良を再現させ、その問題の根を絶つために力を注いでいきたいものです。



今回は、原因不明の問題に対する改善アプローチとして、
再現試験の活用方法についてご紹介しました。

まずは、問題に潜む共通点を抽出して、
その共通点によリ導き出される仮説から再現試験を実施し、
問題の発生条件や発生メカニズムを明らかにし、問題の対策をたてていく方法です。



品質問題の解決に励む皆様のヒントになれば、うれしく思います。



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posted by かおる at 07:00| Comment(7) | TrackBack(0) | 品質不良

2011年12月18日

品質管理者が知っておきたいフリーソフトR

品質管理者が知っておきたいフリーソフトR
(2011年12月18日)品質管理研究所


品質改善のために、現状の把握や問題の原因を定量的に把握したりするため、
統計解析や多変量解析などの手法が活躍します。

高度な分析機能は、Excelでは十分対応できていない反面、
統計解析ソフトを導入しようとすると、多額な費用が発生するため、
なかなか現実的には、解析が難しいのが実態ではないでしょうか。

しかし、実務上では問題を解決するために、
統計ソフトを活用した解析が必要なこともあります。

そんな手助けをしてくれるソフトが今回ご紹介する
フリーのソフトウェア R (アール)です。

Rは、世界中の研究者が活用するオープンソースの統計処理ソフトウェアで、
進化し続けているソフトウェアでもあり、

品質管理や統計解析に関わる高度な機能を無料で自由に活用できる点が、魅力的です。

2011年の日経品質管理文献賞では、関西大学商学部の荒木孝治先生の
Rを活用した統計的品質管理、多変量解析、実験計画法に関する本が選ばれていることからも、Rは、ぜひ、知っておきたい品質管理、統計解析のソフトウェアです。

【2011年日経品質管理文献賞】
@「フリーソフトウェアRによる統計的品質管理入門第2版」
A「RとRコマンダーではじめる多変量解析」
B「RとRコマンダーではじめる実験計画法」

  

荒木 孝治 編著 (関西大学 商学部 教授) 発行所:株式会社日科技連出版社

荒木先生から「RとRコマンダーではじめる多変量解析」について、
教えていただく機会があり、実務でも品質改善のため活用したことがあり、

ソフトウェアを使いこなすためには、多少の勉強は必要ですが、
高度で多機能な解析機能が盛り込まれているので、大変おもしろいツールです。


■ Rのインストール方法
Rのインストールの方法は、Bakfoo.comさん の動画でわかりやすく説明されています!

・ Bakfoo.comさん http://www.bakfoo.com/atmarkit.html

基本的には、インストールサイトからソフトウェアを
ダウンロードして、実行することで簡単に導入することができます。

■ QC7つ道具の機能
QC7つ道具の機能をもったRcmdrPlugin.QCtoolsのダウンロードも紹介されています。

・関西大学商学部 荒木孝治先生 http://www.ec.kansai-u.ac.jp/user/arakit/

■ R リンク集
Rによる統計処理 リンク集として、青木繁伸先生がたくさん紹介されています。

・群馬大学社会情報学部 青木繁伸先生 http://aoki2.si.gunma-u.ac.jp/R/link.html


このような高機能なソフトウェアを使いこなすためには、
書籍などで例示される問題を解きながら、正しい使い方をマスターしつつ、

品質管理上の問題と、それを解決するためのソフトウェハの解析機能を明確にして、
ソフトウェアを手段として、活用することではないでしょうか。

品質問題を効果的に解決するために、
このようなすばらしい無料のソフトウェハも活用して
改善のきっかけにして頂ければうれしい限りです。


posted by かおる at 16:34| Comment(49) | TrackBack(0) | 品質改善

2011年12月17日

納入部材の品質目標とは?

納入部材の品質目標とは? -品質管理研究所-

お客様に対して、品質を保証するためには、
製品に組み込まれる部材の品質から高めていくことはかかせないことです。

今回は、納入部材の品質を向上させる
納入部材の「品質目標」の活用方法についてご紹介します。


__________________

<納入部材の「品質目標」の活用方法>

(1)納入部材の品質目標の設定
(2)品質目標の提示方法
(3)品質目標の提示のタイミング
(4)品質意識の違いの把握
(5)品質目標の役割
(6)品質目標による評価制度

__________________



(1)納入部材の品質目標の設定
納入部材の品質を高め、不良を削減するためには、
品質目標を明確にすることが大切です。

部材の品質目標としては、
以下のような「納入不良率」という指標を活用することができます。

■ 納入不良率=納入不良数/納入数 


このとき、部材の納入不良率は、

レベル(100分の1)でしょうか。
それともppmレベル(100万分の1)でしょうか。
はたまた、不良ゼロ(0)でしょうか。

納入部材の品質改善


品質目標は、このように数値で具体的になっているでしょうか。

品質管理するための基準となる目標を設定するために、

最終製品での品質目標に基づいて、
構成される個別の部材に対する品質目標(納入不良率など)を設定します。

複数の部品が組み込まれた製品での不良を抑えるために、
部品に対する品質基準は、一般に製品の品質基準より高いものになります。


ISO9001品質マネジメントシステムのように
企業として掲げた品質方針に基づき、品質目標を設定し、
個々の部門目標や各社員の目標に展開していくように、

製品としての品質目標を設定し、社外の個別の部材に品質目標を展開して、
最終的な製品の品質を確保していきたいものです。


(2)品質目標の提示方法
納入部材の品質目標を設定したあとに、
その実現すべき品質目標を取引先さんにきちんと伝えることがかかせません。

他社と異なる要求品質と品質目標を、
部材メーカーさんの経営トップや現場のリーダーに直接伝えられているでしょうか


部材メーカーさんに対して、品質目標を提示できたからといって、

部材メーカーさんの中で、それがきちんと認識され、
現場で理解されるといると思い込んでいないでしょうか。


しっかりと、お互いの品質情報を共有したいときは、
情報の送信量ではなく、受信量が最大になるような心配りがかかせません

納入部材の品質改善

経営者や品質責任者、そして、製造現場のリーダーや検査リーダーなどと
直接、顔をあわせて、自社の品質要求レベルをお伝えし、
品質に対する意識を高めていく、地道な取り組みがもとめられます。



(3)品質目標の提示のタイミング
品質目標をいつ提示するかも大切なポイントです。

納入不良や市場の不良が発生してから、後付けで品質目標を提示するのではなく、
問題を未然に防ぐために、取引開始前に企業としての品質目標を提示することが大切です。

具体的に実践するためには、

企業との取引開始時に締結が必要な品質契約の中に、
具体的な数値目標を明記して、取引先さんの経営者や関係者の目に通るようにし、
契約事項として、直接説明することもおすすめです。



(4)品質意識の違いの把握
品質目標を活用する上で、部材メーカーさんが、得意とする業種(業界)によって、
品質意識にも差があることは、十分認識しておかなければなりません。

その企業がどのような経緯で成長してきた企業か、
どのようなお客様と取引してこれまで鍛えられてきたかということは、
品質に対する意識の差として、はっきりあらわれてきます。

特に過去に取引実績のない新規取引先さんで新規部材を導入する場合や
文化や社歴の異なる海外企業と取引する場合には、

過去の社歴や事業分野などの関連情報をききとり
品質に対する意識の差異を少しでも事前に理解しておくことが大切です。

納入部材の品質改善

これから結婚するパートナーのことをよく知らずに

取引開始後、離婚せざるを得ない状況にならないように、
お互いのことをよく理解するようにしなければなりません。

仕様書の取り交わしや品質契約の締結、さらに、工場監査通じて、
要求する品質基準や品質目標と共に、

部材メーカーさんが知ることが難しい最終製品の購入者である
お客さまが期待する品質・品位の情報や課題を共有し、
納入前に、いかに品質意識を高めていけるかがポイントです。



(5)品質目標の役割
品質目標をクリアしていれば、
ごくわずかの不良が納入されてもよいわけではありません。

品質不良は、基本的にゼロであることが前提にあること、
そして、その理由について、きちんと取引先さんにご理解いただくことが大切です。


取引の中で納入時の受入検査や工程検査で、不良品が確認されることがあります。

例えば、部材の市場不良が、月に100万個納入された中で1個発生した場合を考えてみましょう。

部材不良が、1個、発見されることによって、
引き起こされる手間や製品としての損失は小さいかもしれません。

しかし、その部材不良が検出されず、
ひとたび、最終製品として、市場に流出してしまったら、どうなるでしょうか。


企業的立場では、100万個の1個の不良かもしれませんが、
そのひとつの市場不良によって、購入したお客さんが感じる不良への意識は、
1個購入した中での1個の不良、つまり100%の不良であるということを
ものづくりをする私たちは、きちんと認識しなければなりません。


納入部材の品質改善

企業でものづくりをする上で、日々何万個と生産する現場にどっぷりひたり、
お客様目線で考えることから、気づかぬうちにはなれていることはないでしょうか。

忙しさに追われるあまり製品しかみていない状況に陥っていないでしょうか
お客様のことから意識がはなれないように、日頃から注意しなければなりません。

また、もし、品質目標はクリアしていていたとしても、

お客様への安全性が損なわれるような重大な欠陥が明らかになった場合は、

不良率として設定した品質目標とは関係なく、
品質不良がひとつだけ発生していただけでも、

最終メーカーの責任として、リコールをかけて、
製品すべての回収・修理・交換といったことが必要になることを
部材メーカーさんに認識してもらわなければなりません。


ものづくりの基本は、自分の家族や友達など、
大切にしたい人に贈りたいと思えるものを提供することです。


特に、部品(デバイス)などを製造する企業においては、
最終製品が一般消費者ではなく、企業が顧客であるため、

一般消費者の声を聞く機会も少ないため、作り手の発想に陥りやすいため、
部品が組み込まれたあとの最終製品のお客様の情報やつかわれ方を共有しましょう。

納入部材の品質改善

部材メーカーにとってのお客様は、
納入先である最終製品メーカーであるとともに、
最終の一般ユーザーでもあることをしっかり認識してもらうことが大切です。


このような最終一般ユーザーの声や情報を、工場監査を通じて提供すると
目からうろこの情報と喜んでくださる場合が多いのも事実です。

立場の違いから得られにくい情報をお互い共有し、
品質の高いものづくりをしていきたいものです。

ひとつの不良が、最終顧客全体に与える影響は、はかりしれません。

企業の経営にも大きな影響をあたえる可能性があることを認識して、
高い品質の製品を納入し続けられるように品質目標と不良に対する考えを
きちんと伝えていくことが求められます。


(6)品質目標による評価制度
取引が開始された後にどのように品質目標を活用すればよいでしょうか。

納入時の受入検査や工程検査で確認された不良や市場で発生した不良にもとづき、
納入品質実績として、納入不良率を毎月(半年、1年間)把握していくのがおすすめです。

品質目標からあらかじめ設定したランク付の基準をもとに、
品質実績と比較し、納入部材メーカーさんに対して、A、B、C、D、Eなどのランク付けを行い、
小学校の成績のような「あゆみ」を提示して、品質改善を継続的に促していきます。


品質評価制度

納入部材の品質改善やコストダウンや震災などの供給リスク分散による安定供給を
実現するために、複数のサプライヤーさんを確保している部材などの場合、
同じ製品を納入してくださるメーカーさん同士での比較を行うこともできます。

他社の名前をA社、B社として、
毎月の品質推移と品質ランクを開示することは大きな改善の原動力になります。

納入品質のランク付けと同業他社との比較で、競争意識をもって、
品質改善につなげることは、改善効果のあるおすすめの方法です


品質目標を継続的にクリアして、評価が高い場合は、表彰するとともに、

品質目標を達成しておらず、ランクが低い場合は、品質改善計画を提出いただき、
品質会議を開催し、現場の監査を実施するなどして、品質改善を図ります。

このような品質目標に基づく評価制度は、
部材メーカーさんの自主的な改善を促すため、
ぜひ品質改善にうまく活用していきたいものです。




今回は、納入部材の品質を改善するためのひとつの方法として、
「品質目標」を活用する方法についてご紹介しました。

部材の品質を向上するためのヒントになれば、うれしく思います。



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posted by かおる at 22:17| Comment(4) | TrackBack(0) | 品質目標

2011年12月10日

「鳥の目」「虫の目」「魚の目」

「鳥の目」「虫の目」「魚の目」 -品質管理研究所-


品質を高めるためは、
どのような視点で物事を捉えればよいでしょうか。

自然の生き物の3つの目、
「鳥の目」「虫の目」「魚の目」
でシンプルに考えてみましょう。


@「鳥の目」 
鳥は、大空をとび、地上を大きく眺めることができます。

鳥の目のように、
「全体を俯瞰して状況を的確に把握する」視点
が大切です。

「鳥の目」「虫の目」「魚の目」

物事に取り組むときは、
その仕事は、どんな目的や価値があるのか、
お客さんや仲間にとってどんな影響があるのか、
全体の仕事の中での位置づけを十分理解し、大局を把握することが大切です。


・お客さんがほしいものは、どんなものでしょうか。
・最終のお客さんは、目の前のお客さんだけでしょうか。
・お客さんのお客さんがのぞんでいることを理解できるているでしょうか。
・本当に今優先して取り組むべきことはなんでしょうか。
・忙しさにおわれて、本当に大切なことがおろそかになっていないでしょうか。
・現在、企業がおかれている経営環境がこれからどのように変化していくのでしょうか。
・優先的に改善すると効果があるボトルネック(課題)はなんでしょうか。
・作業者は最終製品を理解し、部品を組み立てることができているでしょうか。
・後工程で作業しやすいように、どのようなことに配慮すればよいでしょうか。
・検査員は、前の製造工程でどの部分が不良になりやすいか理解しているでしょうか。

経営者層や工場長は、まさに、俯瞰的にみることが仕事です。

また、現場の作業者こそ、この鳥の目で仕事をすることが成長の鍵になります。

担当職務の2つ、3つ上の役職になった気持ちで、日頃から仕事にとりくめば、
おのずと、鳥の目で見えてくるのではないでしょうか。


また、鳥のように空を自由に飛べる役職ではなくとも、

「鳥の目」「虫の目」「魚の目」

木々が生い茂るジャングルの密林の中で高い木にのぼり、
社員が目指すべき方向を体で指し示すような現場のリーダーシップを
実践することもまた、魅力的です。


A「虫の目」
虫は、複眼でさまざまな角度で広い世界をみています。

虫の目のように、外敵をすばやく察知して、小さい体で生きぬくために、
「様々な角度から、現実の小さな変化をよみとる」ことが大切です

「鳥の目」「虫の目」「魚の目」

・製造現場で、現物をみて、現実を把握する3現主義の基本ができているでしょうか。
・現場の声に耳をかたむけ、異なる視点から課題に対する解決策を見出しているでしょうか。
・数値に抽象化されたデータを見て理解しているだけで、行動がおわっていないでしょうか。
・直接現場で品質課題を肌で感じとっているでしょうか。
・自分の目でみた現場の問題点をもとに、改善につなげられているでしょうか。
・他の類似製品の不良にふれて、製品の不良を未然に防げているでしょうか。
・作業や検査手順が手順どおりに継続して行われているでしょうか。
・設備が量産によりだんだん磨耗してきていないでしょうか。
・大切な従業員の健康管理や日々の体調管理に気を配っているでしょうか。

現場ではたらく方々が、日頃大切にすべき視点が、虫の目です。
周りの生きた情報を取り入れて、品質改善に活かすことが求められます。


鳥の目をもつ経営者や工場長自らが、現場に接し、
虫の目で、直接、状況を把握して、社員とのコミュニケーションを図ることも非常に大切です。

優れた経営者は、現場のことを作業者以上に理解しています。

経営者自ら、毎朝、現場を周り、問題を把握することはもちろん、

交代制の社員に対しての訓示など、同じ話であっても、
シフトごとに、直接経営者が顔をあわせた中で説明したり、

毎日現場の作業日報に目を通すなど小さな変化をすこしでもよみとろうと
さまざまな努力をしている姿勢には、感銘をうけます。

経営者として、当然のことかもしれませんが、
続けることは、なかなかまねのできることではありません。


B「魚の目」
魚は、自然の海や川の中でたくましく生きています。

魚の目のように、潮の満ち干きや川の激しい流れを感じ、
空や海からの外的からも身を守ると同時に、自らもえさを探すように、
「世の中の変化、市場の顧客要望や品質要求の変化、製造環境の変化などの流れをよみとる」ことが大切です。

「鳥の目」「虫の目」「魚の目」

・短期的な目先の利益に追われず、長期にわたる信頼性や品質を重視できているでしょうか。
・お客様が望む品質が、常に変化し続けていることが把握できているでしょうか。
・製造現場の変化点に目をむけ、現場を管理できているでしょうか。
・季節により製造環境や保管環境が変化することで品質問題が発生する恐れはないでしょうか。
・不良の推移や歩留りの推移はタイムリーに測定されているでしょうか。
・突発的不良と傾向的不良を意識して改善できているでしょうか。
・不良が発生するメカニズムを理解した上で、再発防止の改善が実施できているでしょうか。
・不良の対策に対して、同じ製品をつくる別ラインや別の工場に水平展開できているでしょうか。
・製品が市場で使われる際の流れを理解した上で、品質確認試験が計画されているでしょうか。

「虫の目」は、ボトムアップ的で現場の実態が詳細に見える反面、
近視眼であるため全体が把握しにくい特徴があります。

「鳥の目」では、トップダウン的で全体を把握できる反面
現場の詳細まではつかみにくい特徴があります。

その両者の特徴の欠点を補い、
詳細(ボトムアップ)と全体(トップダウン)をつなぐ役割を果たしてくれるのが、
変化や流れを把握する「魚の目」といえます。



今回は、生き物に学ぶ3つの視点、
「鳥の目」「虫の目」「魚の目」をご紹介しました。


日頃忙しいみなさんにとっては、
目先の仕事におわれ、虫の目で精一杯になりがちです。

もちろん、実践的で大切な実務の能力は向上しますが、
最終ゴールまでの道筋が時として見えにくくなり、
最終成果に繋がりくいことも事実です。

最終的なお客様によろこんでもらえるように、

「鳥の目」「虫の目」「魚の目」の視点とのバランスをとり、

多角的な視点で品質を高めることについて、
改めて考えるきっかけになればうれしい限りです!



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posted by かおる at 00:02| Comment(7) | TrackBack(0) | 品質改善