2015年08月15日

植物の成長に学ぶ人質管理

植物の成長に学ぶ人質管理
(2015年8月15日) 品質管理研究所

品質は、「ひと」がつくりあげるものです。

問題をみつけ、創意工夫をこらし、解決するのは「ひと」です。
品質管理には、「人質管理(じんしつかんり)」がかかせません。


「ひとを育て、やる気を高めること」が、
高い品質の製品を継続的にうみだす基礎となります。

植物には、太陽の光と水が欠かせないように、
ひとには、何が必要でしょうか。


品質管理は人質管理

仕事では、さまざまな個性をもった仲間がいます。
わずかな光と水でも耐えられ、厳しい環境に強い植物もいれば、
こまめに世話をして、きれいな花をつける可憐な植物もいるでしょう。

植物は、光がほしい、水がほしい、口にだしてはくれませんが、
毎日、葉の色つやなど植物の状態を見ていれば、見えない声も聞こえてくるでしょう。

工場では、どんな声が聴こえてきますか。
材料の声、製品の声、機械の声、そして、ひとの心の声。
現場の声に耳を傾ければ、いろいろな変化と予兆に気がつくものです。

植物は、土壌に根をはり、栄養を吸収します。
育つ土壌そのものが悪ければ、植物本来の良さが失われ、育ちも悪くなってしまいます。
根の周りには、栄養ばかりでなく、目には見えない腐る要因が潜んでいるのです。
土の下の目に見えない根は、知らない間に腐っていないでしょうか。

成長のために、光や水をただ与えればよいというものでもありません。
与えすぎても、葉がやけて、根が腐り、うまく成長ができないのです。

いっぽうで、穏やかな環境がかならずしも、よいわけでもありません。
厳しい温度差がある環境で、甘さが増す果物や野菜があるように、
壁にぶつかり、必死に取り組む挑戦のなかで、一段とたくましく成長することもあるでしょう。


自然の営みは、わたしたちに、たくさんのヒントを与えてくれます。

太陽となり、光を照らすのは、だれでしょうか。
仕事に取り組む中で、どのようなかたちで、大切な水を与えられているでしょうか。

ひとりひとりに目を配り、気を配れば、気づきがあります。
目には見えにくい小さな「やさしさ」と「厳しさ」が、
ひとの成長の原動力になるのではないでしょうか。


品質を高めるために、目の前の問題を解決することももちろん大切ですが、
その問題を通じて、人をうまく育てていきたいものですね。

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posted by かおる at 14:31| Comment(0) | TrackBack(0) | 品質教育